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宿題をやるのに1時間以上かかる息子……。どうやって家庭学習の習慣をつけていけばいいですか?|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室

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2019年10月29日 桜井信一

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『下剋上受験』でおなじみ、桜井信一さんが中学受験を考える親御さんのさまざまな悩みに答えます。今回は小2男子の親御さんから、家庭学習に関する相談です。

今回の相談

小2の男児の親です。家庭での学習習慣をどうやってつけたらいいのか悩んでいます。

普段から本気で取りかかれば5分かからずに終わるような学校の宿題を、机の前に座るまで30分、机の前に座ってから問題にとりかかるまで20分、2~3問片付けたらそこでまた「もうやだー」と言い出して15分……という調子で1時間以上かけてやっています。今のうちはまだそれでもやっていけていますが、先々に備えて、効率よく勉強する習慣を早いうちに身につけさせたほうがよいのではないかと思ってしまいます。

本を読んだり絵を描いたりといった自分の好きなことは、長い時間でも集中してやっています。宿題がまったくわからなかったりすると苦痛に感じることもあると思いますが、見たところ学習内容にはおおむねついていけているようです。

テレビを観たがっているときに「テレビは宿題が終わってからね」と言ってみることもありますが、「じゃあテレビはいい」と言ったり、宿題をやるようなそぶりをみせるけれど、ウダウダしていつもと同じになったり。「テレビを観たいから宿題をがんばる」、とはなりませんでした……。

毎日何時間も脇目もふらず勉強してほしいとまでは思いませんが、今のような様子でも先々目標ができればしっかり勉強できるようになるものでしょうか。先々のために、無理にでももう少し机に向かわせるべきなのでしょうか。アドバイスをいただけるとありがたいです。

相談者:赤レンガ
お子さまの学年:小2


桜井さんの回答

赤レンガさま、はじめまして。

それぞれご家庭の教育方針があると思いますが、私の答えはノープロブレムです。そりゃテキパキ出来る子はいますよ。例えば有名小学校のお受験などは、たくさんのペーパーテストをこなして受験に備えているそうじゃないですか。幼稚園児でそんな子がいるわけです。

小学校の低学年から効率よく勉強する子、いますよね。「え? これが小学校2年生の問題集?」ってびっくりするようなものが書店に並んでいますし、それをこなしてしまう子がいるのでしょう。そういう子たちが中学受験で良い結果につながっているかは別問題ですけど。(赤レンガさんも、そういったことをどこかで耳にしませんか?)

勉強がゲームのように見える子が実在するわけです。なんと、「算数が面白く、宿題が楽しい」というのです。まあ私の家にはそういう子は絶対生まれませんが、博士の家なんかには生まれてくるのでしょう。

赤レンガさんのお子さんは宿題やお勉強がゲームに見えないのでしょう。それが普通で、「普通で良かったわ」と思いませんか。私は普通の子を育てたいです。そして、その普通の子を育てる過程で自分を肯定する子にし、他人を愛せる子にしたいです。自分を肯定するには、お勉強なりスポーツなり、何か秀でたものがいりますよね。それを探してあげることが重要だと思うのです。

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オンライン塾「下剋上受験塾」主宰。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。 娘の下剋上のために一念発起して小5の勉強からやり直す。塾には行かず、父娘の二人三脚で偏差値を41から70に上げ、100%不可能とされた最難関中学「桜蔭学園」を目指した。その壮絶な受験記録を綴った『下剋上受験』はベストセラーに。 2017年1月には待望のドラマ化。学習講座「桜井算数教室」「国語読解記述講座」にはのべ2000人の親子が参加し人気を博した。2020年、オンラインの「下剋上受験塾」を立ち上げた。

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