中学受験ノウハウ 塾選び

【塾選び】大規模校舎と小規模校舎のメリット・デメリットを紹介

2019年12月09日 天海ハルカ

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塾選びは「大手塾」に目が行きがちですが、大手塾と一口にいっても校舎によって規模はさまざまです。同じ学年に数百人の生徒がいる校舎もあれば、50人に届かない校舎もあります。子どもに合った規模の校舎を選ぶことができれば、より高いモチベーションをもって通い続けることができるでしょう。

この記事では、大規模校舎と小規模校舎のメリット・デメリットを紹介します。お子さんに合う塾探しの参考にしてみてください。

大規模校舎の特徴

大規模校舎は、都内のターミナル駅や教育熱の高いエリアにあることが多いです。難関校の合格率が、小規模校舎と比べると高い傾向もあります。

この記事では、大規模校舎を「1学年で100人を超える校舎」と定義します

大規模校舎のメリット

大規模校舎のメリットのひとつは、ライバルの多さです。中学受験という大きな目標に向かって切磋琢磨する仲間が多いことで、高いモチベーションで勉強に取り組めるようになります。

自分のレベルに合った授業を受けやすいのも、大規模校舎の魅力です。たとえば学年に2クラスしかなければ、「偏差値50以下」と「偏差値50以上」といった大きな分け方になることも。一方で4クラスあれば、偏差値30、40、50、60といったように10ずつ刻んでクラスを編成できます。人数が多いほど、クラスごとの偏差値を細分化することができるんですね。偏差値の近い子が集まることで、授業もそれに合わせて展開され、より自分の実力に合ったレベルの授業が受けられるようになります。

大規模校舎のデメリット

大規模校舎では、クラスの入れ替えで担当の先生が変わる機会が増えます。先生が変わることで定期的にリフレッシュできるというメリットがある一方で、生徒も先生もお互いに顔と名前を覚えるのに精いっぱいで、心を開いて話せるようになるのが難しいというデメリットも生まれます。

顔ぶれが短期間に一新するのは、クラスメイトも同じです。小規模校舎ではクラスの入れ替えがあっても半数程度は同じメンバーですが、大規模校舎だとほとんどが入れ替わってしまいます。環境の変化が苦手な子には大きなストレスになることもあるでしょう。

塾への出入りが大変ということも、大規模校舎のデメリットのひとつです。とくに都心部では、校舎は大きくても、入り口や受付がそこまで広くない塾が多いんですね。帰宅時間になると、何十人、何百人の子供が一斉に動きます。ほとんどの塾は駐車場がなく、塾の近くに広い有料駐車場があるとも限りません。徒歩で迎えに行っても、人が多すぎてロビーに入れず、雨でも外で待っている親御さんの姿も見られます。

小規模校舎の特徴

大手塾の小規模校舎は、4年生から入試本番までずっと同じ先生に教わることもあるなど、よい意味で“大手塾らしくない”環境といえます。

この記事では、小規模校舎を「1学年50人程度までの校舎」と定義します

小規模校舎のメリット

小規模校舎では、クラスの入れ替えがあっても同じ先生が担当することが多いです。そのため、普段の生徒の様子や成績の推移、ほかのクラスメイトとの関係などを先生が把握しやすくなります。子供と先生のつながりが濃くなり、信頼関係が築きやすくなるのは小規模校舎の特徴ですね。

生徒が少なければ、先生だけでなく塾の受付スタッフの方とも仲良くなりやすいです。塾のなかで顔見知りの大人の目が多いことは、子供と保護者の安心感にもつながります。

成績が伸び悩んでいるときは、クラスやコースの入れ替えが大きなストレスになりがちです。しかし、小規模校舎だと入れ替えがあっても周りの友達の顔ぶれはあまり変わりません。環境の変化が少ないので、まずは自分の成績を上げることに集中したい子にはよい環境といえるでしょう。

小規模校舎のデメリット

クラスの入れ替えによる環境の変化が少ないことは、緊張感がなくなるという見方もできます。一度なくなった緊張感を取り戻すのは意外に難しく、受験直前になってもピリッとした雰囲気になりきれない不安も出てきます。もちろん小規模校舎の先生は雰囲気を変えるように工夫しますが、大規模校舎より緊張感をつくり出すのが難しいこともあるでしょう。

友達とのケンカや先生との相性の悪さなど、居心地の悪さを感じたときに環境を変えづらいという点も小規模校舎のデメリットになることがあります。また大手塾の小規模校舎では、大規模校舎と比べて“塾長のカラー”が強くなりがちです。よくも悪くも、塾の方針とは違う独自のシステムを取り入れる場合も少なくありません。私が大手塾の講師だったときは、授業時間を変えたり、テストを時間外におこなったりする小規模校舎の塾長に何度か会ったこともあります。塾のパンフレットやホームページを見て期待していた授業内容と違う、といったことは珍しくありません。

塾選びのポイント

大ざっぱではありますが、大規模校舎と小規模校舎の特徴は以下のとおりです。

■大規模校舎→競争力が身につく
■小規模校舎→手厚いフォローが期待できる

中学受験への意識が薄い子は大規模校舎、学校のテストが悪いと落ち込んでしまうタイプなら小規模校舎をまずは検討してみるとよいでしょう。

ちなみに大手塾のなかには「塾の見学会」をおこなわないところもありますが、塾の雰囲気を知るために、個人的にでも塾に足を運んでみると安心できます。可能なら、授業が始まる30分前や終わった30分後を狙って塾に行ってみるのもおすすめです。先生と生徒が話しているところや、迎えに来た保護者の様子から、塾の雰囲気が感じられるかもしれません。

メリットとデメリットは表裏一体。一番大切なのは子供に合うかどうかです。子供の性格や目指すレベル、そして校舎までのルートなどを踏まえて、塾を選んでみてくださいね。

※記事の内容は執筆時点のものです

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