中学受験ノウハウ 塾選び

意外にピリピリしてない? 大手塾で難関校を目指すクラスの授業とは

2020年1月14日 ハルカ

中学受験塾というとピリピリしたイメージを持たれがちですが、実際はそうでもありません。いわゆる「御三家」や「新御三家」を目指す上位クラスでも、生徒は意外と楽しみながら授業を受けています。

難関校を目指す子たちは、反復練習や基礎知識の重要さがわかっています。実際にわたしが勤務していた大手塾でも、がむしゃらに勉強させるより、子供たちの「自ら学ぶ姿勢」を大事にするほうが、やる気も集中力も上がっていたように感じました。

今回は難関校を目指す大手塾のなかでも、とくに上位クラスでわたしが心がけていた授業の工夫を紹介します。

上位クラスの授業の工夫【1】 生徒の発言が中心

もちろん授業はテキストに沿って進めますが、できるだけ生徒の発言を生かします。

クラスのレベルが上がるほど、授業中の発言は増えていきます。とくに上位クラスは授業内容に関係のある鋭い発言が多く、わたしもその場で答えられず次の授業で改めて解説する、ということが何度もありました。

生徒の発言を深堀したり、クラス全体で共有したりすると、社会状況や現代の風潮といった「テキストにない実践的な知識」や感覚が身につきます。「改元」や「パワハラ」「LGBT」といった単語について、テキストの読解文から話を広げることも。詳しく知っている子もいれば、はじめてその単語を耳にしたという子もいます。子供ならではの純粋で鋭い発言は、ときに先生であるわたしも驚かされることがありました。

上位クラスの授業の工夫【2】 先生とのコミュニケーションを密に

クラスのレベルを問わず、小学生はフレンドリーで人懐こいもの。なかでも上位クラスは基礎知識のレベルが高いため、時事問題や授業で学んだ知識の応用など、幅広い話題で先生に話しかけます。

たとえば授業で出てきた問題をまねた自作の問題を先生にぶつけたり、読解で出てきたテーマをテレビで見て抱いた疑問を先生に投げかけたり。上位クラスを担当する先生はとくに、生徒個人の発言をくみ取り、全体へ投げかけてみんなで考えるといった「コミュニケーション」を授業内で取り入れようとします。臨機応変な対応が求められるため大変ですが、先生自身も実はやりがいを感じているものです。

上位クラスの授業の工夫【3】 解き方はひとつでないことを意識させる

問題の解き方はひとつとは限りません。そこで授業では生徒のさまざまな考え方を引き出し、全体で共有するように工夫していました。

上位クラスの子は基本が身についていることもあり、生徒はさまざまなアプローチを試します。たとえば故事成語なら由来となるストーリーを思い出す、四字熟語なら漢字から意味を推測するなどです。

問題と答え、解説を一方的に先生が伝えるだけではなく、考え方のプロセスも共有します。

すべてを覚えて解こうとするのは限界があります。難関校の入試では「答えは簡単だけどたどり着くのは難しい」という問題が多いので、考え方も重要です。

上位クラスの授業の工夫【4】 家庭学習は多めに指示

上位クラスの家庭学習は、一番下のクラスと比べて2、3割多く指示していました。全てを隈なくやらせるためではなく、学習の目安や指針をつくるためです。

上位コースの子とはいえ、それぞれに苦手な科目があります。苦手分野はじっくりたっぷり取り組み、理解している分野はさらっと進める。メリハリをつけて大量の家庭学習をこなすからこそ、安定して高い学力を保てます。

親御さんにつくってもらったオリジナルの問題を解いたり、テキストをコピーして何度も繰り返したりする子もいました。学校の宿題や自分の趣味にあてる時間をつくるためには、すきま時間をどれだけ使えるかが重要になります。車や電車での移動時間、起きてから登校までの時間といったすきま時間を活用し、うまくスケジュールを組んでいるようでした。

まとめ

基礎知識がしっかりしている子が多い上位クラスだからこそ、授業は生徒主体で進めます。たとえば国語は、新しい知識といえば語彙や漢字だけなので、幅広い表現や考えに触れることも重要です。ただの“インプット授業”では、上位クラスの子は満足できません。活発な授業で身についた幅広い知識は、さまざまなパターンの入試にも役立ちます。

「大手塾の上位クラス」と聞くと、勉強漬けの毎日といった印象を持たれる方もいます。しかし、実は生徒の知的好奇心をさらに伸ばす授業の工夫があることで、生徒は楽しく勉強しているという一面もあるのです。今回お伝えした内容をもとに、塾選びの参考にしてみてくださいね。

※記事の内容は執筆時点のものです

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