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【中学受験】どう違う? 附属校と系属校の違い

2020年2月03日 石井知哉

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中学受験の志望校を考える際に、一度は耳にするのが「大学名を冠した中学校」のこと。高い人気を集めていますが、実は「附属校」と「系属校」があることをご存知でしょうか? 今回は、意外と知られていない両者の違いについて解説します。

附属校と系属校の違い

附属校と系属校は、どちらも「上級の教育機関と関わりの強い学校」のことです。一般的には「大学と関わりの強い中学校・高校」のことを指します。〇〇大学附属小学校や系属小学校もあります。

附属校と系属校で異なるのは、運営法人です。

・附属校:大学と同じ学校法人が運営
・系属校:大学と別の学校法人が運営

系属校は、大学や付属高校と学校法人が別とはいえ、強い結びつきが見られることがあります。早稲田大学の系属校のひとつ、早稲田実業を例に出すと以下のような結びつきが見られます。

1、トップが同一人物
早稲田大学総長の田中愛治氏が、早稲田実業の理事長も務めている

2、附属高校と広報や募集で連携
早稲田高等学院や早稲田本庄高等学院とも、学校WEBサイトで相互リンクを設置していたり、合同で受験説明会を開催したりしている

【注記】
■学校法人早稲田実業学校
・早稲田実業学校(系属校)

■学校法人早稲田大学
・早稲田大学
・早稲田大学高等学院(附属校)
・早稲田大学本庄高等学院(附属校)

附属校と系属校の具体例

明治大学を例に挙げると、以下のような附属校・系属校があります。

■附属校 (学校法人明治大学が運営)
・明治大学付属明治高等学校・中学校

■系属校 (学校法人中野学園が運営)
・明治大学付属中野高等学校・中学校
・明治大学付属中野八王子高等学校・中学校

ちなみに、「附属」と「付属」は単に漢字表記の違いであって、実質的な違いはありません。法令上は「附属」と記載されているため、国立校の場合は「附属」と表記していますが、私立校の場合は「付属」を正式名称として用いる学校もあります。また、系属校であっても「○○大学付属」という名称を使う学校もあります。

附属校と系属校に有利・不利はある?

附属校と系属校に、有利・不利はあるのでしょうか? 運営法人の関係から、附属校は系属校より大学との結びつきが強いことが一般的です。たとえば、中高生でも大学の設備を利用できたり、大学の教員が中学校や高校で特別講義をおこなったりすることもあります。しかし附属校でも学校ごとに異なりますから、附属校のほうが系属校よりよいとは一概にいえません。

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石井知哉

石井知哉

  • この記事の著者

株式会社QLEA教育事業部部長。教育系Webサイト「School Post」を主宰。2000年、早稲田大学第一文学部 哲学科卒業。東京都の塾業界にて指導歴20年以上。現在は、東京都大田区で個別指導塾2校舎の教務・運営を統括する傍ら、千代田区麹町に超少人数制個人指導道場「合格ゼミ」を開設。豊富な実践経験に裏付けられた独自の理論とメソッドに基づき、小学校低学年から中・高・大学受験生、就職試験対策の指導にあたっている。幅広い学年・学力層・教科を対象に、個々の成長を最大限引き出す指導を得意とする。