中学受験ノウハウ 習慣づけ

新学年で感じるギャップとは? 2月、3月は新学年への移行期間

2020年2月07日 天海ハルカ

0

進学塾では、2月から新学年が始まっています。塾でのカリキュラムが大幅に変わるので、今までの感覚で進めていくと急に壁を感じるようになるかもしれません。

あらかじめ各学年で感じやすいギャップを知っておくことで心の準備ができます。2月、3月は新学年への移行期間と考えて、あせらずに生活のペースをつかみましょう。

【新4年生のギャップ】学習科目が増える

多くの進学塾では、4年生から算国理社の4科目授業に変わります。低学年の授業は算数と国語の2科目が主流なので、勉強時間も学ぶ内容もおよそ2倍になるということです。

理科と社会は3年生から小学校で学びますが、テーマは「身の回りのものに興味を持つ」というものがほとんどです。一方で塾の4年生になると、本格的に受験を見すえた内容になるので、理科なら磁石や光、社会なら日本の地形や気候などにも触れるようになります。「身の回り」から少し範囲を広げて勉強するため、イメージが湧かずにつまらなく感じたり、知識が身につかなくなったりしやすい時期です。

4年生は授業量と勉強量が増え、家庭学習には倍以上の時間と労力が必要になります。楽しく学ぶ時期から、受験に必要な知識を身につける時期に移行するので、親御さんでも即答できない問題も増えてきます。子供に教えるために解答を読みこんだり、教科書やインターネットで調べたりと親御さんの負担も増えるでしょう。

まだ幼い子供にとって、3年生と4年生のギャップはとても大きいものです。通塾や家庭学習などの生活リズムが大きく変わるので、親子ともにバタバタします。2月に新学年が始まってから春休みまでの2か月は、塾での学習や家庭学習のスケジュールに慣れる期間と考えましょう。テストの点数や授業の理解度も気になりますが、生活に慣れることが最優先といえます。

【新5年生のギャップ】勉強内容がボリュームアップ

新5年生になると、授業の時間が少し増えます。授業の内容は4年生のときよりもさらに入試を意識したものに変わるため、「準受験生」といってもよいかもしれません。

たとえば国語なら読解文が長くなります。塾のテキストでは、文字サイズがぐっと小さくなり、ページ全体に占める漢字の割合がおおきく増えているといったことも見られます。読解文はテーマも難しくなります。4年生の物語文では、家族が増えたり、友達とケンカしたりといった身近なテーマがほとんど。共感しながら読めるストーリーなので、勉強とはいえ楽しみながら読めることが多いです。一方で5年生からは「事情があって親と離れて暮らす子供」「戦後の貧しい暮らし」など、身の回りのテーマとは異なる内容が少しずつ増えていきます。読解力がさらに必要となるので、急に国語が苦手になったと感じるかもしれません。

5年生は、4年生よりも必要な勉強量が増えます。受験を意識して少しずつ勉強時間を増やすことで授業についていき、予習復習も重ねましょう。寝る前の10分や、朝食と登校の間の10分など、すきま時間も有効活用できるとよいですね。親御さんはお子さんの様子を見て、「本当に中学受験をするのか」をあらためて話し合ってみるのもよいかもしれません。子ども自身が「中学受験をする!」と心に決められれば、勉強への意識も変わります。

【新6年生のギャップ】塾の授業時間が一気に増える

6年生は、5年生と比べて授業量が約1.5倍に増えます。塾によっては、授業日を追加できることもあります。受験を考えると、4年生と5年生で学んだことの復習もしなければなりません。勉強すべきことは山ほどあるので、しっかりと優先順位をつけなければパンクしてしまいます。ときには「正答率の低い問題の復習はしない」といった取捨選択も必要です。

多くの塾では、土曜日や日曜日を使って授業時間を確保します。今までは遊びに使えていた週末に通塾することになるので、友達との遊びや趣味、習い事に時間が割けないことからストレスを感じることもあるでしょう。時間の使い方をあらためて考えることが大切です。

とはいえ新6年生になってすぐの2月と3月は、本格的な“受験ムード”が新鮮に感じられ、勉強が楽しく感じる時期でもあります。この時期に家庭でも受験に向けた雰囲気に移行できると、受験への意識が高められます。家庭で勉強しやすい環境を整える、夜型から朝型の生活にしていくなど、サポートも見直してみましょう。

まとめ

新しい環境は、親も子も期待と不安で浮き足立ってしまいがちですが、2月と3月は新学年への移行期間。宿題が終わらない、家庭学習がうまく進められないといった困りごとは、この時期には当たり前のことです。あせらなくて大丈夫。心配なことは塾へ相談し、ゆっくりとペースをつかんでいってくださいね。

※記事の内容は執筆時点のものです

0