中学受験の取り組み方#15 国語は簡単に思える問題集から始める|学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」
【国語】少なくとも6割以上は正解できそうな問題集を選ぶ
― Point ―
×ばかりがついてしまうと、やる気も自信も失っていく
ここでは、国語の読解力や長文演習アップのために、家庭でもできることを解説します。
中学年のうちはまだ余裕があるので、塾の宿題以外にも何か手を出そうと思ったら時間をつくることはできます。
まず、市販の問題集を買って自宅で取り組ませるのであれば、記述問題が少ないものにしましょう。「うちの子は記述問題が苦手なのでたくさん取り組ませたいのですが……」と不安がる親御さんもいるのですが、苦手であればなおのこと、記述問題がないものを選んであげてほしいのです。
じつは、記述問題は親子間での口げんかを引き起こすきっかけになります。
親に対する甘えから、記述問題で×や△をつけられたら文句を言ったり、ふてくされてしまうかもしれません。親としても、何点をあげていいのかはっきりしない解答では困ってしまいます。
それで記述問題が嫌いになってしまっては本末転倒なので、家庭で特訓するのは、やめたほうがよいでしょう。
もし親御さんが添削するなら作文にして、日本語として成立していないところだけ直してあげるくらいにしてください。
どんな問題集を選ぶのがいいのかというのも、迷うところではないでしょうか。ポイントは2点あります。
☑ 記述力よりも基礎的な読解力があれば解けるような問題中心の教材であること
☑ 文字が小さすぎず、見た目が取り組みやすい教材であること
国語力に不安を抱えている場合は、次の2冊がおすすめです。
●『改訂版 国語読解の基礎 小学3・4年用』(JESDA)
啓明舎が出しているものではなく、JESDA(日本教育開発システム協会)のもの。平易な接続語や指示語の問題が並んでいる。入門編としては適切。
●『基本演習問題集 4年上・下』(四谷大塚)
国語が得意とはいえない小学4年生におすすめの問題集。四谷大塚は全体的に文章、設問ともに難易度が高く、やや古めかしい問題もあるものの、「基本演習問題集」だけあって、本当に必要な問題しか載っていないため練習として適切。
かならずこの本を、というわけではありません。学校の教科書を補完するようなというのも、迷うところではないでしょうか。ドリルでもかまいません。ただ、教材を手にとったときに意識したいのは、少なくとも6割以上、できれば7割以上は自分の子が正解できるだろうという問題集を選ぶということです。
自宅で精読し、じっくりと難しい問題に向き合うのは、子どもだけでは難しいものです。親が関わるといっても、難易度が高く、×ばかりがついてしまうようなレベルの問題集であれば、やる気も自信も失っていってしまいます。
ですから、基礎的な読解力があればできるような問題を解くことが中心だと割り切って、ある程度正解できるようなものを選んでください。
つい、親の欲目で期待値が高まってしまうかもしれませんが、「さすがにこの問題だと簡単かな」くらいのレベルがちょうどいいでしょう。もし本当に簡単すぎたなら、ひととおり終わったあとに、少しだけレベルを上げた問題集をさらに1冊買い与えればいいのです。
※記事の内容は執筆時点のものです
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