連載 学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

中学受験の取り組み方#16 社会はニュースや旅行から学べる|学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

専門家・プロ
2020年9月08日 松本亘正

子どもに「よい勉強習慣」を身につけさせたい。そのために親ができることとは――。中学受験専門塾 ジーニアス 代表、松本亘正氏の著書『合格する親子のすごい勉強』から、わが子の学ぶ力を伸ばすヒントを紹介します。

【社会】家庭では季節感や常識を会話のなかで伝える

― Point ―

大人であれば当たり前の話も意外と子どもは知らない

社会について、自宅でできることがあります。ひとつはニュースを見せることです。

とくに、豪雨や台風は、これまでに習った地理の勉強になることが多いのです。

たとえば、台風が接近すると大雨洪水警報が出されます。レポーターが暴風雨のなか、必死に中継している様子が映し出されることもありますね。

こんな場面に遭遇したとき、それがどこなのかということを、子どもに確認させてほしいのです。

一例をあげます。三重県の尾鷲市は多雨地帯という知識は、よく中学受験の社会の問題で出題されます。

近畿地方に台風が近づいたり、梅雨前線がかかってきたりすると、「尾鷲 1時間に50㎜の豪雨」というようなテロップが出ることになります。そのとき、「なぜ尾鷲って雨が多いのかしら」という会話を持ち出してみてください。ここで試験によく出るキーワードの「紀伊山地があるから」と答えられればとても優秀です。

「どうしてそうなるのか」というメカニズムまで説明できればパーフェクトですが、「山の近くで海に面していると雨が多い」というイメージを持っていれば十分です。

首都圏に台風が接近している場合は、伊豆地方や箱根に大雨洪水警報が出されたり、降水量が多いという情報が出てきます。ここにも、海に近くて山のふもとという共通点があります。

逆に雨がまったく降らない年には、「断水にならないか心配だ」とつぶやいてみてください。子どもが「断水って何?」と聞き返してくれればしめたものです。 

「あまりにも雨が降らないと、一時的に水道から水が流れなくなるんだ」と会話をしてください。これも「なぜ?」まで踏み込めるといいですね。

「水が減っているのに、使いきって地域全体で水がなくなったらどういう影響が出てしまうんだろうか」と話題にあげてみてください。

子どもがまだ中学年なら、「お風呂に入れないんじゃない?」「水が飲めなくなっちゃう」くらいの反応で十分です。

「そうだね。だから節水したり、水をためておいて洗濯にも使ったりするんだよ」と返してあげましょう。大人であれば当然知っていることを、少しずつ子どもの「当たり前」にしていくことを考えたいですね。

では、高学年の子どもの勉強にも役立つことにはどんなことがあるでしょうか。

たとえば、家族旅行の行き先を決めるときに、少しでいいから社会で勉強したことと関連させることです。

もし、栃木県に旅行に行くなら、いちごかかんぴょうを買ったり、群馬県に旅行に行くなら、富岡製糸場を旅程に組み込んでみたり、こんにゃくを買って帰る……など。中学受験で出題されるような「いちご1位栃木県、2位福岡県」「かんぴょう1位栃木県」「こんにゃくいも1位群馬県」は4年生でも覚えるような基礎的事項です。

こういうことを実際体験を通して覚えていけるといいでしょう。もちろん、中学年からでも、少しずつ旅行先で先々の勉強につながることを教えることもできます。 

なかには、「今年の夏は東北地方、来年の夏は近畿地方」と決めて1週間近く周遊するというご家庭もあります。

また、社会という教科は、受験が近づくと暗記の確認も必要になってきます。

ほかの教科と比べてどうしても覚えないといけないことが多くなる教科です。そういうものこそ、一緒に取り組んでみましょう。高学年になると、算数を親が教えるのは困難になってきますが、暗記の確認のために問題を出してあげることなら、受験までできます。

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この記事の著者
松本亘正 専門家・プロ

まつもとひろまさ|中学受験専門塾ジーニアス運営会社代表|ラ・サール中学高校を卒業後、慶應義塾大学在学中に中学受験専門塾ジーニアスを開校。現在は東中野・自由が丘・日吉・芝浦港南など、6校を展開している。「伸びない子はひとりもいない」をモットーに、少人数制で家族のように一人ひとりに寄り添う指導を徹底、毎年超難関校に合格者を輩出している。生徒は口コミと紹介だけで9割を超える。これまでののべ指導人数は2200名以上。第一志望校への合格率は一般的に25%といわれるなか、ジーニアスは約60%超の第一志望校合格率を誇る。中学受験だけでなく、高・大受験時、就職試験時、社会人になっても活きる勉強の仕方や考える力の育成などに、多くの支持が集まっている。

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