中学受験ノウハウ 習慣づけ

子供の勉強に不安を感じたら、「できたノート」をつくってみよう

2020年3月13日 市川弘美

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「うちの子、もっと勉強しないとだめだよね……」と感じ、漠然と不安になることってありませんか? そんなときは「できたノート」をつくってみることをおすすめします。親の不安が減るだけでなく、子供のやる気を引き出すこともできますよ。

「足りないもの」に目を向けすぎると、不安になる

「子供を信じよう」「親が不安になっていてはだめ」と理屈ではわかっていても、受験生の親はどうしても不安になるときがありますよね。子供の成績が少しでも下がると「勉強しなさい!」と怒ってしまったり、「本当に大丈夫なの?」と子供を問い詰めてしまったりすることもあります。

そもそも、なぜ不安になってしまうのでしょうか。それは「足りないもの」に注目してしまっているからかもしれません。

・テストで90点を取ったとき → 「あと10点取るにはどうすればいいと思う?」
・漢字ドリル2ページのうち1ページ半が終わったとき → 「残り半ページがまだでしょ」
・お肉は食べたものの、野菜に手をつけてない → 「野菜は食べてないじゃない」

上の会話のように、足りないものばかり目につくようになると不安になります。子供に対して「○○やりなさい」と言うことが多くなり、子供が取り組んでもまだ足りないと思ってしまう……。こうしたマイナスのループにはまってしまうことも少なくありません。

「できたこと」に目を向けてみる

そこでおすすめなのが、不安になってしまうときは「できたこと」に目を向けてみることです。できたことに注目すると、先ほどの会話は以下のようになります。

・テストで90点を取ったとき → 「90点も取ってすごいね」
・漢字ドリル2ページのうち1ページ半が終わったとき → 「1ページ半も終わったね」
・お肉は食べたものの、野菜に手をつけてない → 「おなか一杯お肉が食べられたね」

誰だって足りていないことを指摘されるより、頑張ったところを褒められたほうがやる気が出ますよね。それは、子供も同じ。「90点も取ってすごいね」と言われれば、「次はもっとよい点を取ろう!」「あと10点取るにはどうすればいいかな」と子供自ら考えて、がんばるようになるのです。

ちなみに私も含め、親も同じですよね。たとえば夕食にハンバーグをつくったときに、「今日はポテトサラダがない」と言われるより、「やったー! ハンバーグだ!」と言われたほうが「次もつくろう!」と思えるものです。たとえ忙しくても、ポテトサラダもつくってあげたくなりますよね。

「できたノート」で一日を振り返ろう

「できたこと」に視点を変えるには、できたノートをつくるのがおすすめです。できたノートとは、「できたこと・やったこと」を記録していくノートのことです。

私は毎晩寝る前に、息子と一緒に1日を振り返り、「今日は何ができたかな?」「一番よかったことは?」と質問していました。息子は、できたノートに以下のようなことを書いていました。

◎日付:12月12日
・漢字練習2ページ
・塾に行った
・算数が85点だった(今日一番良かったこと)

ポイントは、子供が書いたことをそのまま受け入れることです。「もっとできたんじゃない?」とは言わないようにしましょう。「塾へ行った」という当たり前のことも、できたことのひとつです。

できたノートをつくるときは、やったことを2つ、今日一番よかったことを1つの、合計3つくらい書くのがおすすめです。少なめのほうが続きやすく、疲れていても書けるボリュームだと思います。

成長を実感すると、不安が減っていく

できたことを見えるようにしたことで自信がついたのか、子供のやる気がわいてくるのが目に見えてわかりました。そして私自身、できたことに自然と目が向くようになったことで子供の成長が実感でき、不安も減っていきましたね。できたノートを親子で一緒に書くことで、よい雰囲気で一日が終わるのも大きなメリットだと感じました。

できたノートをつくると、子供のやる気がアップするだけでなく、親の不安も減らせます。今日からすぐにできることなので、実践してみてくださいね。

※記事の内容は執筆時点のものです

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