連載 中学受験との向き合い方

親子で元気の素を書き込む「これでどうにかなりマンダラ」―― 中学受験との向き合い方

専門家・プロ
2020年7月28日 やまかわ

首都圏の一部では、4人に1人の小学生が挑戦するともいわれる中学受験。子供の受験に親はどう向き合えばよいのでしょうか。この連載では、『中学受験は挑戦したほうが100倍子供のためになる理由』の著者である、田中純先生に中学受験との向き合い方をテーマにさまざまな話を伺います。

子供は親と別の人格を持っています。ですから、親の思い通りにはなかなか動いてくれません。あまり机に向かわないわが子の様子を見ると、「せっかく塾に入れたのに……」という気持ちと共に、疲労感に苛まれる親御さんは少なくないと思います。そうした状況を長く放置しておくと、やがて限界を迎え、家庭内の空気を悪くしたり、さらには心身の状態を悪くしてしまうことがあります。そうならない為に、親はどのようにして疲れを癒すべきなのでしょう。

疲労を抱えやすいシチュエーション

塾の送り迎え、お弁当をつくる、勉強を教える……どんな行動をとっても、活動すれば疲れます。もしも些細なことでイライラしたり、うんざりしたり、という感情が芽生えたら、疲労がたまってきたサインです。これから塾に送っていこうというときに、子供が準備に手間取っていたり、繰り返し繰り返し勉強を教えても理解してくれなかったりと、思い通りにいかないときに“何か爆発しそうな感情”があったら要注意です。なかには「私は疲労を感じないから大丈夫!」と思っている人もいるでしょう。しかし、それは疲労を感じにくいだけであって、疲労がたまらないということではありません。誰でも疲れを癒し、リフレッシュすることが必要なのです。

疲れを癒す方法をリストアップする

疲れを癒すためにぜひやってほしいことは、その方法をリスト化し、表や図にまとめておくことです。親であれ、子供であれ、人は疲れがたまっているときに、自分自身が何に癒され、何に喜びを感じるのかがわからなくなってしまいがちです。こうしたときでも、表や図があれば一目で解決方法がわかります。たとえばどのようなことを書けば良いのか、順に見てみましょう。

自分にとってのご褒美を書く

「欲しがりません、受かるまでは」と考えて、何でもかんでもストイックになる必要はありません。子供にも、もちろん親にも、活動した対価にふさわしいご褒美があっていいのです。たとえば「わたしたち頑張っているよね」と親子で励ましあうために食事に行ってもいいし、ときには子供にお留守番をしてもらって夫婦水入らずで外出したっていいのです。また、受験などではやりたいことを我慢するという場面もあるでしょう。そんな場面でも我慢したことを褒めたたえ、ご褒美を自らに与えましょう。

人間関係のイメージ図を描く

疲れやすくなったり、うっぷんがたまったりすると、脳がうまく働かなくなるものです。ネガティブな気持ちになって「誰もわたしのことをわかってくれない……」とふさぎ込んでしまうこともあるでしょう。また、先ほど書いたご褒美の時間を捻出できない場合があるかもしれません。そんなときは、自分の助けになってくれる「人」を見つけ出して話を聞いてもらい、リフレッシュするのもおすすめです。

その際に私がご提案したいのは、自分自身を支えてくれる人たちをまとめたサポーターリストをつくっておくことです。紙の真ん中に自分の名前を書いて、自分にとってよい影響を与えてくれる人たちの名前を周囲に書いていきます。旦那さん、友人、親戚、ママ友、塾の先生、仕事先の先輩・後輩、そして専門家など。

「私があなたと同じ立場のときはこうやって考えていたよ」と、先輩としてアドバイスをしてくれる人、「あなたはこうした方がいいよ」と自分の行く先を照らしてくれる人、「あなたも大変なんだね」と話を聞いてくれる人など、さまざまな人たちがいるでしょう。そうした人たちと話をし、「あなたは頑張っているよ」という声を誰かにかけてもらうだけでも、リフレッシュの効果があります。また、「私がついているから大丈夫だよ」と寄り添ってくれる人の存在は、厳しい状況を生き抜く強い支えになります。周囲の人間が自分に対してどんな好影響を与えてくれるのか、それが一目でわかる、イメージ図のようなものがあるといいですね。

「これでどうにかなりマンダラ」

疲れを癒し、気持ちをリフレッシュすることを「養生」と呼びます。「養生」になっているかどうかのバロメーターは気持ちがいいかどうか。ですから、うれしい気持ちになるようなことをたくさん味わうことが効果的なのです。目で見て、耳で聞き、口で味わうなど、五感を通してカラダとココロを喜ばせることが大切です。自分はどんなことを気持ちいいと感じ、うれしいと感じるのか。これらをリストアップするのに役に立つのが、私の考えた「これでどうにかなりマンダラ」です。

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田中純
田中純 専門家・プロ

開成中学校・高等学校、国際基督教大学(ICU)教養学部教育学科卒業。神経研究所付属晴和病院、中高教諭、学校カウンセラーを経て公文国際学園開講準備に参加。現在は赤坂溜池クリニックやNISE日能研健康創生研究所、コミュニティ・カウンセラー・ネットワーク(CNN)などでカウンセリングやコンサルテーションを行っている。相性はDon先生。著書「ストレスに負けない家族をつくる」「中学受験は挑戦したほうが100倍子供のためになる理由」(みくに出版)。公式YouTubeはこちら

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この記事の著者

編集・ライター。学生時代から都内で6年間塾講師を務める。塾講師時代は、おもに作文・国語・英語の科目を担当。小学生から中学生までの指導にあたる。現在は編集・ライターとして教育関連をはじめ、街歩き・グルメ記事の執筆取材をおこなう。