中学受験ノウハウ 入試の傾向

親の時代から変化! 昔と現在の首都圏中学受験の違い

2020年8月12日 室内玲

保護者の方のなかには、中学受験の経験がある方も少なくないでしょう。自分の経験から子供にアドバイスしたくなるかもしれませんが、昔の意識のまま子供に接するのは注意が必要です。いまどきの中学受験について、親世代の中学受験と比較しつつ見ていきましょう。 

中学受験比率・受験者数の増加

首都圏(1都3県)の中学受験比率と受験者数の推移(過去26年間)を見てみましょう。

※出典:森上教育研究所

中学受験比率は、1999年から2020年までに2.8%増加。少子化にもかかわらず2015年以降、上昇傾向にあります。とはいえ、“中学受験熱”は地域によって差があるのが実態です。東京都教育委員会が発表した「令和元年度公立学校統計調査報告書」によると、小学校卒業生(平成30年度)のうち、都内の私立・国立、都立中高一貫校のいずれかに進んだ子は、文京区が約43.2%、港区が約41.0%である一方で、江戸川区は約11.3%、葛飾区は約12.4%となっています。

1月入試と午後入試の登場

親世代の中学受験と比べると、現在は入試回数も増えています。

1月入試

東京・神奈川の私立中学を受験したい場合、昔は2月1日から受験に挑むことがほとんどでした。しかし現在、「1月入試」(主に千葉や埼玉の学校を1月の段階で受験すること)が一般的となっています。

1月入試は、2月入試に向けた“練習”の意味合いが強い受験です。子供が受験会場の雰囲気を味わい、2月からの入試で緊張しないように備える家庭もあれば、得点を開示する学校を受験して、模試が行われない1月に実力を測るための“ベンチマーク”として受験する家庭もあります。もちろん、1月に受験をした学校に進学する子もいます。ちなみに、近畿地方や九州の学校が首都圏の会場を借りて入試を実施するのも、昨今の中学受験の特徴です。

午後入試

昔であれば、2月1日は午前中に試験が終わることがほとんどでした。しかし現在、午後に試験を受けに行く受験生も増えています。多くの場合、午後入試は当日中に合否が発表されます。そこで合格がもらえると、自信をもって2日目の試験に挑むことができます。午後入試は、受験生の「精神的な支え」の役割も果たしているのですね。

入試問題の難化

中学受験の入試問題は、難易度が上がっています。算数は一部の難関校で出題されていた問題が数年後には中堅校でも出題される、といった流れをくり返しています。現在の中上位生であれば、過去に難関校で出題された問題は簡単に解けると話す講師もいます。

国語の入試問題は、昔に比べて文章が長くなっています。本文の平均的な文字数は約7300字(四谷大塚調べ)。1万1000字を超える文章を出題する学校もあります。ちなみに、新聞の一面の文字数は約1万2600文字です。

カリキュラムも早く進む

塾のカリキュラムが進むスピードも早くなっています。首都圏の大手進学塾であれば、小5~小6の春休みまでに、受験で必要な基礎知識の学習をすべて終了させていることがほとんど。算数であれば、小5までに典型題(基本的な問題)の学習をすべて終わらせ、小6からは入試に近いかたちでひたすら応用問題を解いていく塾も目立ちます。

今の子供の頑張りに目を向けよう

昔と今の中学受験には、さまざまな違いがあります。現在の受験を総括すると、競争率が高まり、受験日程も忙しくなり、さらに出題される問題も難しくなっているといえるでしょう。昔の意識のまま子供に接してしまうこともあるかと思いますが、今の子供たちは昔よりも厳しい環境でがんばっています。そのことを踏まえ、子供への接し方を考えられると良いですね。

※記事の内容は執筆時点のものです

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