連載 桜井信一の中学受験相談室

率直にお聞きします。桜井さんは、お嬢さんの桜蔭合格には何が足りなかったとお考えでしょうか。|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室

2020年9月08日 桜井信一

『下剋上受験』でおなじみ、桜井信一さんが中学受験を考える親御さんのさまざまな悩みに答えます。今回は小5のお子さまをもつ親御さんからの相談です。

今回の相談

国語が苦手な小5の娘を持つ親です。桜井さんのブログいつも拝見しています。著書もほぼ読破しています。

桜井さんの国語の理路整然とした説明のおかげで、今まで感覚でなんとなく解いていたのが、スッキリしました。

今、少しずつ娘と実践しているところなのですが、娘に感想を聞くと「よくわかったけど、これだけすごい方法で勉強しても桜蔭は不合格だったんでしょ。私、自信ないなー」と言います。

桜井さんのお嬢さんが「国語で点が取れなかった結果、不合格だった」というワケではないのかもしれませんが、トータルで見て、お嬢さんには何が足りなかったとお考えでしょうか。過去問対策でしょうか。

失礼な質問だと思います。ですが、単にミーハーな気持ちでお伺いしているわけではないことはご理解ください……。桜井さんの率直なお考えを伺いたいと思った次第です。よろしくお願いいたします。

相談者:とんちゃん
お子さまの学年:小5


桜井さんの回答

とんちゃんさま、はじめまして。

足りなかったのではなく、入学できない運命だったんだと思います。「運命」なんて考え方はまるで持っていなかったのですが、中学受験からしばらくして「運命」を強く感じることになりました。

うちの娘は入学できなくてよかったと思うのです。最初は負け惜しみのようで口に出さなかったのですが、もうずいぶんと経ちますからね。うちは卒業した中高一貫校で過ごすことが最良の道だったと信じています。

国語の題材は何が出るだろうか、脳死や戦争の問題はもう出ないだろうか、色々考えて準備しました。父娘で様々な題材についてディスカッションし、受験に備えました。たとえば、原爆が投下されたことにより、「広島」は「HIROSHIMA」となった。この意味をとらえるって確かに小学生には厳しいと思いますが、それもだんだん慣れてきました。

入試本番、保護者控室で国語の問題を見ると「病院に入院している男の子」が登場。私も最初に読んだときは「恋心」だと気づきませんでした。桜蔭は恋愛をテーマにした文章の出題はしないと思い込んでいましたし、娘にこの感覚はないだろうと思い、「しまった…」と思いました。そして、算数を見たとき、例年よりも簡単だったにも関わらず、何やら嫌な予感がしました。大問の3番の比を使う問題、簡単だけれども不思議と「解けないんじゃないだろうか」と思ったのです。そして、最後のケーブルカーの問題。そもそも、ケーブルカーに乗ったことがない娘は問題を理解できるのだろうかとも思いました。何やら嫌な予感が漂う入学試験問題でした。

ある学力まで達し、相応の努力をしたとき、神様はその子を最良の道に誘導してくれるんだと思います。塞翁が馬ってそういうことなんだと気づくのに1年以上かかりました。桜蔭には入学できませんでしたが、あれだけ頑張って緻密にやったんだから、そりゃそれくらいのご褒美はあってもいいよね、そう思っています。ご理解いただけるでしょうか。もしかしたら、受験後にご理解いただけるかもしれません。

桜蔭学園を志望するのであれば、「自信」に満ち溢れるまで勉強してみてください。うちもあの制カバンに憧れました。


これまでの記事はこちら『下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室


『下剋上受験』の著者 桜井信一さんが、中学受験の相談にお答えします。ご相談はこちら!

※記事の内容は執筆時点のものです

桜井信一
この記事の著者

中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。 娘の下剋上のために一念発起して小5の勉強からやり直す。塾には行かず、父娘の二人三脚で偏差値を41から70に上げ、100%不可能とされた最難関中学「桜蔭学園」を目指した。その壮絶な受験記録を綴った『下剋上受験』はベストセラーに。 2017年1月には待望のドラマ化。 勉強のコツや中学受験の裏事情をユニークな語り口で紹介するブログは根強い人気を博している。

[関連

父娘の記念受験(公式ブログ)
下剋上受験塾

合わせて読みたい