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ニューツーリズムとは? 中学入試でも出題される「観光の新しい概念」

2020年9月08日 ゆずぱ

近年の中学入試を分析してみると、日本の観光産業に関する出題が多く見つかります。これは、「外国から日本にやってくる旅行者が急増している」という時事ニュースに関心があるかを確認するためでしょう。観光に関する問題は、今後も出題されると予想されます。こうしたなか、受験生を戸惑わせているのが「ニューツーリズム」という名の新しい概念。入試問題でも出題されていますが、どういった意味なのでしょうか? 言葉の意味とともに、中学入試で使える関連知識も見ていきましょう。

ニューツーリズムとは?

細かいことはいったん差し置き、まずは「ニューツーリズム」のイメージから理解しましょう。ざっくり説明すると、ニューツーリズムとは「(見るだけではなく)体験し、交流する旅行」のこと。いわゆる「テーマ性を重視した旅行」のことです。これだけだとちょっとわかりにくいので、具体例をお伝えしますね。

体験し、交流する旅行

これまでの旅行といえば、「観光名所を見て回る旅行」が一般的でした。それに対しニューツーリズムは、「見る」のほかに、体験と交流が加わります。

■ニューツーリズムの体験(一部)
・有名な伝統工芸品をつくる
・漁船にのって漁業を体験する
・長期間滞在して現地の暮らしを体験する

これらの体験を通して、現地の人たちと「交流」が発生するのもニューツーリズムのポイントです。

観光庁が取り組む

日本では、観光庁が「テーマ別観光」という名でニューツーリズムの推進をおこなっています。観光庁とは、日本が観光立国、つまり「外国から観光で日本にたくさん来てもらって、日本の経済を良くしよう」という取り組みのもとつくられた行政機関。その観光庁が、観光産業を活性化させる活動の一環としてニューツーリズムを推進しているのです。 

代表的な5つのテーマ

ニューツーリズムと一口にいっても、実はさまざまなテーマがあります。代表的なテーマは、以下の5つです。

1. 産業観光
2. グリーンツーリズム
3. ヘルスツーリズム
4. ロングステイ
5. エコツーリズム

産業観光

産業観光とは、旅行先の「ものづくり」を体験する観光のこと。この場合の「産業」とは、主に工業を指します。工場見学もその一例です。

グリーンツーリズム

グリーンツーリズムは、農村の暮らしを体験する観光のこと。「グリーン」という響きから自然を思い浮かべてしまいますが、一般的には都会に住む人が「農村の暮らしを体験する観光」のことを指します。

ヘルスツーリズム

ヘルスとは「健康」のこと。ヘルスツーリズムは、健康を増進させるための旅行を指します。世界的には新しい概念ですが、温泉旅行が日常的であるように、実は日本では古くから知られた概念。温泉に入って心もからだも温まる――。まさに、ヘルスツーリズムですね。

ロングステイ

ロングステイとは、その名のとおり長く滞在するというもの。1泊や2泊ではなく、同じところに長く滞在することで、その地域の生活を体験したり、地域の人と交流したりします。

エコツーリズム

エコツーリズムとは、その地域の自然や文化を保護しつつ体験するというもの。ポイントは「保護」。世界自然遺産に指定されている北海道の知床などでも、エコツーリズムの取り組みがされています。

中学入試でも出題されている

中学入試では、ニューツーリズムの概念をダイレクトに問う問題も出題されています。あわせて、以下の3つの関連事項も押さえておきましょう。

・世界遺産
・訪日旅行者数
・観光庁が属する省

世界遺産

ニューツーリズムの問題は、世界遺産とセットで出題されることがあります。たとえば、エコツーリズムやグリーンツーリズムに関連する設問とともに「世界遺産の目的」を問う問題が出題されたことも。ずばり、世界遺産の目的は遺産の保護です。日本の世界自然遺産のひとつ「白神山地」では、ブナの原生林が保護されています。ちなみに、原則立ち入ることはできませんが、観光客が入れる場所もあります。

訪日旅行者数

訪日旅行者数も、ニューツーリズムとセットで出題されます。観光庁がニューツーリズムを推進する目的が「外国からの観光客を増やすこと」なので、訪日旅行者数とニューツーリズムの親和性は高いのですね。

上のグラフを見ると、訪日旅行者数が2015年頃から急激に増えていることがわかります。そして2018年には3000万人を突破しました。一方で2020年は、新型コロナウィルスの影響で海外からの旅行者は急激に減ると予測されています。こうした社会情勢も踏まえ、訪日旅行者数のグラフは読めるようにしておきましょう。

観光庁が属する省

観光庁はどこの省に属するか? この問題は、中学入試の定番中の定番です。答えは、国土交通省。行政機関がどの省に属するかは、受験生のイメージと異なることが多いようです。しっかり押さえておきましょう。

※上記に加え、2031年まで「復興庁」を内閣に設置
※図に記載の「○○庁」は、各省のなかから一部抜粋

まとめ

近年の中学入試で出題が目立つ「観光産業」について、とくに受験生が戸惑ってしまうニューツーリズムについてお伝えしました。ニューツーリズムを一言でいうと、「(見るだけではなく)体験や、交流をする旅行」のこと。関連する知識もあわせ、理解を深めていきましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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