連載 桜井信一の中学受験相談室

一つの単元にどのくらい時間をかけたらよいか、家庭学習の指標を教えていただけますでしょうか。|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室

2020年10月20日 桜井信一

『下剋上受験』でおなじみ、桜井信一さんが中学受験を考える親御さんのさまざまな悩みに答えます。今回は小5のお子さまをもつ親御さんからの相談です。

今回の相談

小5男子の親です。コロナによる休校が明けた7月の初めに子供から「中学受験をしたい」と言われ、費用を払えば塾生じゃなくても受けられる大手塾の夏季講習を申し込み、最後まで受講しました。

しかし、受験勉強を始めたばかりの私たちには足りないことが多すぎて、「入塾を検討する前に家庭学習でしっかりフォローしなくては」という結論に至り、現在は大手塾の通信教育を受けながら家庭学習に重点を置いて、オーダーメイド的に勉強を進めています。

そこで娘さんに勉強を教えていらした桜井さんにお聞きしたいのですが、一つの単元にどのくらい時間をかけ(特に算数)、どこまで子供の理解が進んだらその日の勉強を終わりにしていたのか、指標を教えていただけますでしょうか。

ドラマ「下剋上受験」が放映されていた頃は、まさか自分の子供が中学受験をするとは思わず、かおりちゃんがどうなるかが気になり最後まで観てしまったのですが、いざ自分が同じ立場になると悩みが尽きません…。でも、最後まで子供と一緒に頑張ります!

相談者:かーちゃん
お子さまの学年:小5


桜井さんの回答

かーちゃんさま、はじめまして。

算数の場合、多くの塾は1週間で1つの単元を習います。今週「過不足算」を習って来週「分配算」というふうに進めていくわけです。「旅人算」のように重い単元は「旅人算(1)」というように何週か続きますが、月例テストが1単元ということがないようにカリキュラムが組まれているでしょう。子どもというのは飽きてきますからね。

さて、1単元をその週に理解できるのかというと、「見よう見まね」が限界というのが平均付近の子の実情だと思うのです。例えば、火曜日に新しい単元を習い、木曜日に演習をする。慣れるか慣れないかのうちに次の火曜日が来てまた違うことを習う。結局、基本問題のそっくり類題を見まねすることが限界…。ところが、この見まねができれば平均点になるようにできているのです。あまりにもひどい点数だと親が塾をやめさせる可能性がでてきますよね。ですから、我慢の限界、沸点すれすれの熱めのコーヒーというわけです。

後から追いかける私たちは、1つの週に1単元では間に合いませんでした。そこで、考え方が似たものをグループわけしたのです。そして量を増やした。そのときは夢中でしたが、振り返ると無駄が多いことに気付いたわけですね。

中学受験は5年生で習う「割合」「比」を終えてから本格的になります。どの単元も入試レベルは割合や比を使う問題が殆どなので、ここを習わないと先に進めないのです。

ということは、あまり遅れてはいないでしょう。取り返すのなんて楽勝。問題は、見まねばかりになり本質をつかめないことです。基本的な計算手順や思考手順って結構重要なのです。そこを親が先回りしてつかまないと子どもが量に押しつぶされます。なかなか難しいことではありますが、遅くから中学受験をする場合は、併走する親次第の部分はあると思います。ちょっとした仕事より難易度が高いので真剣に向き合ってみて欲しいと思います。


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※記事の内容は執筆時点のものです

桜井信一
この記事の著者

中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。 娘の下剋上のために一念発起して小5の勉強からやり直す。塾には行かず、父娘の二人三脚で偏差値を41から70に上げ、100%不可能とされた最難関中学「桜蔭学園」を目指した。その壮絶な受験記録を綴った『下剋上受験』はベストセラーに。 2017年1月には待望のドラマ化。 勉強のコツや中学受験の裏事情をユニークな語り口で紹介するブログは根強い人気を博している。

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