中学受験ノウハウ 模試

現役塾講師が模試の結果で見るポイント。偏差値や合格判定との付き合い方も

2020年11月18日 石井知哉

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入試本番に向け、模試が本格的に始まっています。その結果に、一喜一憂していませんか? 間近に迫ってきた入試に向け、模試の結果を成績アップに結びつけるポイントについて解説します。

塾講師が時間をかけて見るポイント

模試の結果が返ってきたら、何を気にしますか? 偏差値ですか? 合格の可能性? それとも、ほかの項目ですか?

もちろん、塾講師も塾生の偏差値や合格判定はしっかりと見ています。しかし最も時間をかけて見る項目は、教科ごと・単元ごとの得点です。なぜなら、その子の「伸びしろ」を把握できるからです。教科ごと・単元ごとの得点こそが、受験生の成績を上げるポイントだと知っているのですね。

具体的には、模試の結果が返ってくると、まずは受験生全体の正答率を問題ごとに確認します。そして、その子が正解できなかった問題のうち、正答率の高いものをチェック。その後は、その問題を伸びしろと考え、「そこを正解できたら何点上がるか?」「次回の模試までにどんな勉強をさせるか?」といったことを考えつつ、次の模試の目標を設定します。

このように塾講師は、現状の把握と、今後の成長のための参考として模試を活用しています。偏差値や合格判定などは、あくまで参考として捉えているのです。

模試の「偏差値」との付き合い方

そうは言っても、模試の結果を見るときは偏差値に目がいってしまいますよね。そこで、模試の偏差値を見るポイントを紹介します。

まず現在の偏差値と、目標校の偏差値とのギャップを確認しましょう。思わずため息が出そうになるかもしれませんが……、そこはぐっとこらえてください。大切なのは、そのギャップを埋めるために何ができるか考えることです。具体的には、「何点上げるか」と考えるようにしましょう。得点は子供本人の努力で上げられ、勉強の計画も立てやすいからです。

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石井知哉

石井知哉

  • この記事の著者

株式会社QLEA教育事業部部長。教育系Webサイト「School Post」を主宰。2000年、早稲田大学第一文学部 哲学科卒業。東京都の塾業界にて指導歴20年以上。現在は、東京都大田区で個別指導塾2校舎の教務・運営を統括する傍ら、千代田区麹町に超少人数制個人指導道場「合格ゼミ」を開設。豊富な実践経験に裏付けられた独自の理論とメソッドに基づき、小学校低学年から中・高・大学受験生、就職試験対策の指導にあたっている。幅広い学年・学力層・教科を対象に、個々の成長を最大限引き出す指導を得意とする。