小4ビハインドとは? 乗り越えるための対処法も解説
小4までの単元でつまずき、小5・小6の学習内容についていけない。結果として、ほかの子に遅れをとってしまう――。これが、小4ビハインドです。おもに算数で起こり、中学受験の算数を攻略するためにも回避すべきものといえます。小5以降の伸び悩みの原因のひとつ、小4ビハインドについて、その対処法も含めてお伝えします。
小4までの算数は、小5以降の土台
小4までの学習内容を土台に、小5・小6では、より高度な内容を学びます。ですから小4までの学習内容があやふやだと、その先の理解が追いつきません。解き方はわかっていても間違えてしまったり、時間がかかったりと、習得がなかなか進まないのです。足場がグラグラと不安定なまま、ハシゴを登るようなものですね。
特に計算と図形は、小4までに学習する内容をベースに進みます。たとえば、かけ算九九が定着していないと、かけ算の筆算やわり算でつまずいてしまうことも。小数のかけ算・わり算を学び始めると、もっと苦労する可能性もあります。
ちなみに私が小学生を見ていると、3年生くらいまでは「算数が好き!」「楽しい」「もっとやりたい」という声を多く聞きます。一方でそうした声は4年生になると減り、5・6年にもなると「算数なんてキラい」「ムズい」「わけがわからない」といった声が多くなります。
小4ビハインドを放置すると?
小4ビハインドが怖いのは、学年を重ねるごとに悪化し、「足場のグラつき」がひどくなることです。放置すれば小5以降の算数について行けなくなるだけでなく、中学校の数学のテストで20〜30点台……といった悲惨な結果にもなり得ます。
特に中学受験を考えている子の場合、小4ビハインドの影響は小さくありません。中学入試では、小学校の学習指導要領を超えた内容も出題されます。そのため塾の授業はハイレベルかつ、ハイペース。基本的には、小3以前の基礎に戻ることはありません。ということは、小4ビハインドに陥っていることに子供も親も気づかぬまま、放置してしまう可能性が高いのです。こうなると、学習効率が大幅にダウンします。穴の空いたバケツで水をくんでも漏れてしまうように、小4ビハインドを放置したままだと、どんなに勉強量を増やしても結果に現れづらくなるのです。
小4ビハインドを乗り越えるために
小4ビハインドを乗り越えるためには、どうすれば良いのでしょうか?4年生までと、5年生以降に分けてそれぞれの対処法をお伝えします。
4年生まで ―― 基礎固めが肝心
4年生までは、基礎をしっかりと固めましょう。
中学受験を目指す親御さんは、「受験を少しでも有利に進めたい」「スタートダッシュを早く切りたい」と考え、レベルの高い問題集や、先取り学習を意識しがちです。「ほかの家庭のことは参考程度に」と頭ではわかっていても、受験ママのブログなどで成功体験などを目にし、焦ってしまうこともあるでしょう。
でも、急ぐ必要はありません。まずは、何をおいても基本事項の習得が最優先です。たとえば算数の場合、4年生までの子は以下の5項目を確実に定着させてください。
■4年生までに定着させておきたい単元
[1]基本計算(たし算、ひき算、かけ算、わり算)
[2]整数の筆算(たし算、ひき算、かけ算、わり算)
[3]計算のルール(四則の順番、カッコのついた計算)
[4]小数・分数のしくみ
[5]図形の性質(角度、面積の求め方)
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