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小4ビハインドとは? 乗り越えるための対処法も解説

2020年12月02日 石井知哉

小4までの単元でつまずき、小5・小6の学習内容についていけない。結果として、ほかの子に遅れをとってしまう――。これが、小4ビハインドです。おもに算数で起こり、中学受験の算数を攻略するためにも回避すべきものといえます。小5以降の伸び悩みの原因のひとつ、小4ビハインドについて、その対処法も含めてお伝えします。

小4までの算数は、小5以降の土台

小4までの学習内容を土台に、小5・小6では、より高度な内容を学びます。ですから小4までの学習内容があやふやだと、その先の理解が追いつきません。解き方はわかっていても間違えてしまったり、時間がかかったりと、習得がなかなか進まないのです。足場がグラグラと不安定なまま、ハシゴを登るようなものですね。

特に計算と図形は、小4までに学習する内容をベースに進みます。たとえば、かけ算九九が定着していないと、かけ算の筆算やわり算でつまずいてしまうことも。小数のかけ算・わり算を学び始めると、もっと苦労する可能性もあります。

ちなみに私が小学生を見ていると、3年生くらいまでは「算数が好き!」「楽しい」「もっとやりたい」という声を多く聞きます。一方でそうした声は4年生になると減り、5・6年にもなると「算数なんてキラい」「ムズい」「わけがわからない」といった声が多くなります。

小4ビハインドを放置すると?

小4ビハインドが怖いのは、学年を重ねるごとに悪化し、「足場のグラつき」がひどくなることです。放置すれば小5以降の算数について行けなくなるだけでなく、中学校の数学のテストで20〜30点台……といった悲惨な結果にもなり得ます。

特に中学受験を考えている子の場合、小4ビハインドの影響は小さくありません。中学入試では、小学校の学習指導要領を超えた内容も出題されます。そのため塾の授業はハイレベルかつ、ハイペース。基本的には、小3以前の基礎に戻ることはありません。ということは、小4ビハインドに陥っていることに子供も親も気づかぬまま、放置してしまう可能性が高いのです。こうなると、学習効率が大幅にダウンします。穴の空いたバケツで水をくんでも漏れてしまうように、小4ビハインドを放置したままだと、どんなに勉強量を増やしても結果に現れづらくなるのです。

小4ビハインドを乗り越えるために

小4ビハインドを乗り越えるためには、どうすれば良いのでしょうか?4年生までと、5年生以降に分けてそれぞれの対処法をお伝えします。

4年生まで ―― 基礎固めが肝心

4年生までは、基礎をしっかりと固めましょう。

中学受験を目指す親御さんは、「受験を少しでも有利に進めたい」「スタートダッシュを早く切りたい」と考え、レベルの高い問題集や、先取り学習を意識しがちです。「ほかの家庭のことは参考程度に」と頭ではわかっていても、受験ママのブログなどで成功体験などを目にし、焦ってしまうこともあるでしょう。

でも、急ぐ必要はありません。まずは、何をおいても基本事項の習得が最優先です。たとえば算数の場合、4年生までの子は以下の5項目を確実に定着させてください。

■4年生までに定着させておきたい単元
[1]基本計算(たし算、ひき算、かけ算、わり算)
[2]整数の筆算(たし算、ひき算、かけ算、わり算)
[3]計算のルール(四則の順番、カッコのついた計算)
[4]小数・分数のしくみ
[5]図形の性質(角度、面積の求め方)

勉強が定着しているかどうかは、子供が問題を解く際に以下の3点を見ることで確認できます。

● 正確さ
● スピード
● 解答プロセスの丁寧さ

小学校で「学力効果測定」がおこなわれた場合には、その結果も活用しましょう。学習が定着しているかを客観的に把握できます。また、鉛筆の持ち方やイスに座る姿勢、学校の宿題への取り組み方などの「学習習慣」を身につけておくことも大切です。こうした習慣は勉強の土台ともいえるため、小5以降の勉強の習熟にもつながっていきます。

5年生以降 ―― 早期発見を心がける

5年生以降は、手遅れにならないためにも「早期発見」が重要です。特に5年生から入塾する子は授業についていくのに必死で、小4ビハインドに気づきにくいので注意しましょう。特に、基礎の内容が問われやすい小学校のテストで点数が下がってきたら、小4ビハインドの傾向が表れているといえます。模試や塾の小テストも、小4ビハインドの早期発見に役立ちます。これらの結果を見るときは、良し悪しよりも、「何ができていないのか」に着目してみてください。つまずいている単元などが見えてくるでしょう。

小4ビハインドの原因が見つかった場合には、テーマをひとつ設定し、家庭学習で1〜2週間かけて取り組んでみてください。学校の教科書や、弱点強化用のドリル教材などを使い、毎日15分でも良いので反復練習を続けることで、苦手単元の克服につながっていきます。

足元にも目を向けよう

「中学受験」という名の高い山を登っていると、どうしても頂上にばかり目が向きがちです。しかし頂上にたどり着くためには、一歩一歩、足元を確認していくことも大切です。特に小4ビハインドを回避するためには、基礎を着実に押さえていくことが欠かせないのです。そして「自分は大丈夫」と思っていても、風邪を引くのと同じで、小4ビハインドはいつでも誰にでも起こる可能性があるものです。勉強がうまくいっていたとしても油断せず、学習の定着をこまめに確認していくことが、小4ビハインドを抑えるための最適な方法といえるでしょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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