連載 ホメ夫先生のやる気引き出し術

理科の暗記に語呂合わせは不可欠。でも取り扱い注意|全力珍回答! ホメ夫先生のやる気引き出し術(18)

専門家・プロ
2016年4月12日 辻義夫

理科の暗記に語呂合わせは不可欠です。本来は「因果関係」や「名は体を表す」で覚えるのが理想なのですが、どうしても覚えられないもの、覚えにくいものをやっつけるのに、語呂合わせが威力を発揮することがあります。

そして、語呂合わせには、いわゆる「下ネタ」など刺激が強いものが多く、そんなものほど印象に残るようなところがあります。

代々受け継がれていく語呂合わせ

授業で紹介される「おもしろい覚え方」の代表例のようになっているのが語呂合わせ、という話題は以前にもお伝えしましたが、誰がいつ言い始めたのかわからなくても、耳馴染みがよく覚えやすいものがありますね。

ホメ夫も授業で語呂合わせを紹介することがありますが、けっこう秀逸なものがあります。

たとえば、酸性・中性・アルカリ性を判別する試薬に関するもの。

リトマス紙は酸性で赤く、アルカリ性で青く変色します。この覚え方として、「100点をとって赤くなって照れる出木杉くんと0点をとって青くなっているのび太くんを想像しながら」と前置きした上で

「100点さんは赤くなる 0点あるから青くなる」

(酸性)赤 (アルカリ)青

と覚える方法があります。

ムラサキキャベツ液(ムラサキキャベツを似た煮汁です)の色の変化は複雑です。酸性、アルカリ性でもその強さによって色が違い、をなかなか覚えられない子が多いのですが、以下の覚え方だと子どもたちはすっと覚えてしまします。

強酸性 弱酸性  中性 弱アルカリ性 強アルカリ性
色の変化 ピンク 黄色
語呂合わせ あか ぴん 村の 緑の

ちなみにムラサキキャベツ液はご家庭でも簡単につくれます。ムラサキキャベツを煮だした液を冷ますだけ。これにレモン汁や清涼飲料水など身近な液体を加えて色の変化を観察すると、より鮮明に記憶に残ります。

小学生は「ウン◯」大好き?

えてして語呂合わせには下品なものが多く(そのほうが強く印象に残るからでしょう)、取り扱いには注意が必要です。

算数の授業で「A駅からB駅までの運賃は……」といった問題が出てくると「え~!?ウン◯?」と誰かが言ってクラスが湧いてしまうようなことが小学生相手の授業ではありますが、小学生向けの語呂合わせにはたびたび「うん◯」が登場します。

火成岩を構成する造岩鉱物には

  • 石英(セキエイ:透明な鉱物)
  • 長石(チョウセキ:白色でわれ口が平らな鉱物)
  • 黒雲母(クロウンモ:黒色で薄くはがれる鉱物)

などがありますが(もうオチはおわかりでしょう)、この3つの鉱物の覚え方は

「咳した長さん黒ウン◯」

石英 長石 黒雲母

なんですね(下品で本当に申し訳ありません)。

もちろん子どもたちには「お母さんには言っちゃダメだよ」と口止めします。そうすると家に帰って「ねぇねぇお母さん、今日先生がね……」となり、眉をひそめて「何習ってきたのよ!」というお母さんに一部始終を説明することでもう一度思い出す、というくだりまでセットなのですが、もちろんはっきりくっきり覚えて子どもたちは忘れません。

語呂合わせは、取り扱い注意

岩石単元の小テストの採点中。

「黒雲母」
「クロウンモ」
「黒ウンモ」

子どもによって表記はさまざまですが、基本的に正解とします。そのなかに1枚

「黒ウン◯」

という「直球」が……。

いやいや、それは「覚えるためのツール」だから……。そのものを答えてどうする……。

みなさん、語呂合わせに引っ張られて逆に間違わないように注意してくださいね!

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

辻義夫
この記事の著者
辻義夫 専門家・プロ

中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員

つじ よしお大手進学塾での指導経験を経て、中学受験専門プロ個別指導SS−1創設メンバーとして副代表、現在は顧問を務める。「わくわく系中学受験理科」と称される指導法、勉強法は「楽しく学べて理科系科目が知らない間に好きになってしまう」と好評。子どもの良いところをほめまくることから「辻・アインシュタイン・ホメ夫」の異名を持つ。「カレーライスの法則」「ステッカー法」など子どもが直感的に理解できて腑に落ちる解法を編み出す名人でもある。著書に『頭がよくなる 謎解き理科ドリル』(かんき出版)『中学受験 見るだけでわかる理科のツボ』(青春出版社)『中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・計算問題』(実務教育出版)などがある。

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