連載 しあわせな中学受験

コロナ禍の中学入試でも明るく前向きに|しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

専門家・プロ
2021年1月18日 中曽根陽子

2021年の中学入試が始まりました。今年は新型コロナウイルスの感染が広がっている中での入試ということで、受験生を抱える保護者の皆さんは例年以上に気を使っていらっしゃることでしょう。今のところ、予定通り入試は行われるようですし、学校によっては感染症などによって受験できなかった場合の予備日を設けているところもあります。体調管理には十分気をつけて、平常心で最後の準備をしてください。

1月10日。徹底した対策下で行われた栄東中の入試

1月10日、埼玉県では今年度最初の中学入試が行われました。例年多くの受験生を集める栄東中学校(埼玉県)では、試験日を10日と12日に分ける。会場を分散する。受験生が一番多い本会場では開始時刻を9:00スタートの「前半」と、10:00スタートの「後半」とに分けるなどといった対策をとったうえで、試験が行われました。

会場に入る手前で検温・アルコール消毒。教室には机ごとに飛沫を防ぐパネルが設置してありました。また、ペン型の消毒スプレーも生徒一人ひとりに配布されました。アレルギーなどでマスクをつけられない受験生のために、別室を用意するなど、緊急事態宣言下の入試というかつて無い状況でも、受験生に安心して受験してもらおうという学校の配慮が感じられます。

(栄東中の入試の様子は、首都圏模試センターのWebサイトに掲載されています)

試験までに気をつけておきたいこと

毎年この時期はインフルエンザの心配がありますが、今は新型コロナウイルスに、気を揉まれていることでしょう。今年は文部科学省も、大学入学共通テストを受ける受験生に対して次のような対策を求めています。

  • 外出を最小限にとどめ検温して体調を把握すること
  • 家庭内感染の増加を受け、家庭内でも食事の際は可能な範囲で距離を取ること
  • 体調のよくない家族がいれば家の中でもマスクを着用し、同じ部屋で食事や睡眠は取らず1時間に2回以上換気を行う

ご家庭で対策をとることはもちろんですが、免疫力を落とさないように、適度に体を動かす、消化がよくタンパク質やビタミンが多く取れるメニューを考えるなど、お子さんの体調管理に気を配りたいところです。

運がいいから大丈夫!

同時に大切なのは、受験生のメンタルサポートです。親が神経質になると、子どももその気配を感じて不安定になってしまいます。基本は「明るく、前向きに!」です。「運がいいから大丈夫! 神様も応援してくれている!」と声に出して言ってあげてください。

「運がいいから大丈夫なんて……、バカバカしい」などと思われるかもしれませんが、口にすることで、気持ちも前向きになります。不思議と上手くいくような気になってきます。この“前向きになる”というのが大事なのです。ものごとを良い方向に回していく力になります。

実は、運がいい人とそうでない人には、考え方や行動に違いが潜んでいることが、科学的調査で明らかになっているのです。イギリスの心理学者 リチャード・ワイズマン(Richard Wiseman)博士は、1000人以上の被験者を調査して運のいい人の性質を発見しました。それは、自分への期待や自信の大きさだったのです。

また心理学には「自己成就的予言」という概念があります。自分で「こうなるのではないか」と思って行動していると、実際にその予言が現実のものとして成就してしまうという現象です。「また失敗したらどうしよう……」「うまくいかなかったかどうしよう……」と思っていると、その通りのことが起こってしまうような経験をしたことはありませんか? その逆で、「きっとうまくいく!」と思えれば、自信がついて行動が変わるのだと思います。

入試直前、できたことに注目して伝える

入試直前は模試がありません。実力を客観的に測りにくい状況です。しかし、「受験生は直前まで伸びる」ともいいます。本番直前にダメ出しをするよりも、できているところに注目して「○○ができるようになったね」とできていることを具体的に伝えて自信をつけさせて欲しいと思います。そのうえで、もうちょっと頑張って欲しい所があるなら「〇〇をしたら更に合格に近づくかも!」と伝えるのです。

人は、できていないことを先に伝えられるとやる気が出ないものです。しかし、できているところに目を向けてもらえると、前向きな気持ちになって、「頑張ろう!」と思えるようになります。

「自分のできていることを見て、励ましてくれる人がいる」
「前向きになって、さらに頑張ろうという気持ちになる」
「もっとできるようになる」

こうしたプラスの循環を起こして、合格!という予言を成就させてください。良いことがたくさん起こりますように。応援しています。


これまでの記事はこちら『しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

※記事の内容は執筆時点のものです

中曽根陽子
この記事の著者
中曽根陽子 専門家・プロ

教育ジャーナリスト。小学館を出産のため退職後、「お母さんと子供達の笑顔のために」をコンセプトに数多くの本をプロデュース。子育て中の女性の視点を捉えた企画に定評がある。教育雑誌から経済誌、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。中学受験に関しては「受験を親子の成長の機会に」という願いを込めて『1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(共に晶文社)『子どもがバケる学校を探せ』(ダイヤモンド社)などを執筆。教育現場への豊富な取材や海外の教育視察を元に、講演活動やワークショップもおこなっており、母親自身が新しい時代をデザインする力を育てる学びの場「Mother Quest」も主宰している。近著は『成功する子は「やりたいこと」を見つけている 子どもの「探究力」の育て方』(青春出版社)

1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい 成功する子は「やりたいこと」を見つけている 子どもの「探究力」の育て方