中学受験ノウハウ 勉強法

予習と復習はどっちが大切? ひとつの答えと、押さえておきたい考え方も解説

2021年1月28日 石井知哉

予習と復習は、どっちが大切なんだろう……。これは多くの受験生や保護者が感じる疑問です。調べてみても色々な意見があり、「結局どっちが大切なの!?」と迷ってしまいますよね。中学受験の予習・復習の考え方を含め、この疑問に答えていきます。

予習・復習の考え方

「予習と復習はどっちが大切か」という点を考える前に、確認しておきたいことがあります。予習・復習には、実はふたつの意味があるということです。


「毎日、または毎週の学習」といった短期的な予習・復習には、それぞれ次のような意味があります。

短期的
● 予習:(各単元などを教わる前に)独学で学んでおく
● 復習:(教わったあとに)すぐに反復学習する

一方で「1年を通した学習」といった長期的な視点で考えると、予習・復習は次のような意味をもちます。

長期的
● 予習:(小学校の学習ペースより)先取りして学んでおく
● 復習:(すでに学習したことを)おさらいする

短期的な勉強は「復習」を重視

日々の勉強という短期的な目線で考えるときは、復習を優先すると良いでしょう。なぜなら、記憶の定着には復習が欠かせないからです。

塾や学校の授業で教わったことは、習いたてのうちは記憶できます。これが、いわゆる「短期記憶」です。しかし短期記憶は時間が経てば忘れていってしまうもの。これは頭の良し悪しとは関係なく、人間の頭はモノを忘れるようにできているとも言われます。

一方で教わったことをその都度確認していくと知識が定着し、次のステップへの理解もスムーズになります。これが「長期記憶」と呼ばれるもので、忘れやすい短期記憶から、忘れにくい長期記憶に変えると、勉強内容は記憶に残りやすくなります。そして長期記憶のために有効なのが習ったことを反復学習すること。つまり復習ですね。たとえば「漢字を10回書く」といったことも復習のひとつです。

以上のことから、毎日の勉強では基本的には復習を優先すると良いでしょう。もちろん、塾から予習の指示があった場合にはそれに従ってください。

長期的な勉強は「予習」を重視

他方、中学受験という長期的な視点では、予習が欠かせません。ここでいう予習とは、小学校の学習ペースよりも先を進むことです。たとえば、4年生のうちに5年生の内容を勉強する、といったものですね。

中学受験では小学校の教科書内容はもちろん出ますが、文科省の指導要領に含まれていない内容も出題されます。そのため、中学入試に対応するためには、小学校の教科書レベルの内容は早めにマスターして、難易度の高い問題演習を行う必要があります。

この意味で中学受験では予習は必須です。塾の通常授業のカリキュラムが予習重視なのは、このためです。

ちなみに1年間を通して学習していると、理解や知識の抜けモレがどうしても出てきます。この場合、学習が進んだタイミングで一度立ち止まり、これまでに習ったことをおさらいする時間をつくるのも効果的です。春休みや夏休みなどの長期休暇中、多くの塾の講習も復習を中心に進められます。

予習と復習は、短期・長期で考えよう

ここまでの話を踏まえると、「予習と復習はどっちが大切?」という論争が巻き起こる理由が見えてきます。その理由とは、予習、先取り、復習、おさらい、といった言葉がひとり歩きしてしまっていることです。

たとえば塾講師は「しっかり復習しておいてね」と授業終わりに生徒に伝える一方で、「模試に向けて予習のペースも上げとこうな」「夏休みにおさらいしよう」といったことを、まったく同じタイミングで伝えることもあります。

これだけを聞くと、「予習と復習、どっちが大切なんだろう……」と生徒が混乱するのも当然です。講師としても決して悪気があって言っているわけではないのですが、「短期的には復習を、長期的には予習を」といったことは自分のなかでは当たり前になっているので、意図せず混乱させるような言葉を掛けてしまうことがあるのです。

予習や先取り、復習、おさらいといった言葉に惑わされないためにも、こうした言葉に触れた場合には、それらが短期または長期のどちらのケースを想定して使われているか考えてみてくださいね。

※記事の内容は執筆時点のものです

合わせて読みたい