中学受験ノウハウ 連載 親子で疲弊しない「ノビノビ中学受験」

「やる気」のある子に育てるには ―― 親子で疲弊しない「ノビノビ中学受験」

専門家・プロ
2021年3月17日 やまかわ

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中学受験と聞くと、難関校を目指す受験がどうしてもイメージされます。しかし、そうではない、あるいはそのやり方に疑問をもつご家庭は少なくないでしょう。この連載では、『ゆる中学受験 ハッピーな合格を親子で目指す』の著者である亀山卓郎先生に、親子で疲弊しない中学受験をテーマにさまざまなお話を伺います。

2月から受験勉強を始めた親子は多いかと思いますが、気づくともう3月が終わろうとしています。フレッシュな気持ちでやる気を保ったまま勉強に打ち込んでいる子もいれば、勉強に集中できず怠けはじめてしまっている子もいるかもしれません。多くの親御さんが子どもの「やる気の低下」に苦労していますが、実は親御さんの間違った働きかけでやる気を下げてしまっているケースも多いのです。

まずは「基本」ができてから

子どものやる気を高めるために、「合格を目標に勉強しようね」と伝えていませんか? しかし入塾してすぐの場合には、こうした長期的な目標を伝えるのはあまりおすすめできません。なぜなら、受験生としての「基本」を押さえることが先決だからです。

知識を蓄えるためには、まずはそれを可能にする体力や生活習慣が欠かせません。たとえば休まずに塾に行くこと、授業を受けてノートをとること、宿題を期限までに提出すること ―― 。こうした受験生としての基礎の部分をまずは目標に据えましょう。当たり前に思える小さな目標で構いません。小さな目標の積み重ねこそが、これから本格化する受験勉強の大きな土台となります。そして基本の部分が問題なくできるようになったら「しっかりやっているね。その調子で頑張っていこうね」と子どもをほめてあげてください。テストの点数や、偏差値などについて目標を立てるのはそれからです。

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亀山卓郎

亀山卓郎

  • 専門家・プロ

かめやま たくろう|明治学院高等学校、成城大学卒業。大手塾・個人塾などで教務経験を積んだ後、2007年に転居のため千葉県及び江戸川区の塾を閉鎖し、台東区上野桜木で「進学個別桜学舎」をスタート。首都圏模試の偏差値で60を切る学校への指導を専門に「親子で疲弊しないノビノビ受験」を提唱している。第一薬科大学付属高校上野桜木学習センター長。YouTube「下町塾長会議」構成員。著書「ゆる中学受験ハッピーな合格を親子で目指す」(現代書林)、「めんどうな中学生(わが子)を上手に育てる教科書」(ブックトリップ)、構成・問題監修「LIZ LISA Study Series中1/中2」、監修「おっぱっぴー小学校算数ドリル」(KADOKAWA)

やまかわ

  • この記事の著者

編集・ライター。学生時代から都内で6年間塾講師を務める。塾講師時代は、おもに作文・国語・英語の科目を担当。小学生から中学生までの指導にあたる。現在は編集・ライターとして教育関連をはじめ、街歩き・グルメ記事の執筆取材をおこなう。