学習 連載 「国語力」が、中学受験を左右する!

音読が続かない場合に試してみたい7つの方法|「国語力」が、中学受験を左右する!

専門家・プロ
2021年3月30日 水溜 兼一(Playce)

本連載では、国語の講師として、中学受験を目指す子どもたちを長年指導している南雲ゆりか先生が、国語力アップにつながるさまざまな方法を紹介します。

「音読」は家庭での国語学習に取り入れやすいので、実際に行っている方もいらっしゃるでしょう。しかし継続できない、効果が見えにくいという悩みもあるようです。音読の目的と継続するためのテクニックを南雲先生に聞きました。

「音読」と「朗読」は別物。目指したいのはスラスラと読めること

音読は声に出し、その音を聞くことで言葉を意識しながら文章を追います。そのため、内容を取りこぼさずに読めるところに意義があります。特に読む力が未熟な子にとって親子で音読することは効果的です。親も、子どもの音読を聞きながら、読めない漢字や、言葉の理解が曖昧な部分を把握できるといったメリットがあります。たとえば、「目がしらがあつくなる」という言葉を「目が白髪」と読んでしまう子がいます。この言葉を知らないからです。親が「目頭」の場所を教え、「目頭が熱くなるというのは、涙があふれてくるという意味だよ」と教えてあげれば、語彙を増やせます。

文章を読む力が未熟な子は目が文章を追いきれていないだけでなく、集中力も途切れがちです。止まらずに読めるよう音読を続けていると、長い文章を読み切るための集中力も身に付けられます。ただし、音読は体力を消耗するので、一度に読むのは5分以内にしましょう。

なお、保護者のなかには感情や抑揚をつけて読む、朗読的な音読の方がよいと考える方がいらっしゃいますが、私は「音読」と「朗読」は別の物だと考えています。入試では素材文や問題文を正確且つ、スムーズに読む力が求められます。「正確にすらすら読める」ようになることを目的に読む場合は、朗々と読み上げる必要はありません。

「音読」を継続していくための7つのテクニック

前述したように音読は国語力を高めるために効果的ですが、「家庭で音読を試みても続かない」という悩みもあるようです。そこで、音読を楽しく続けて効果を上げるための7つのテクニックを紹介します。

音読が苦手な子は親子で一緒に読んでみる

すぐにつかえてしまう子は、最初のうちは親が一緒に読んであげたり、親が読んだ後に同じ部分をリピートさせたりして手助けしてください。慣れてきたら、二文~五文ごとに交互に読んでみましょう。いつ自分の番が来るかわからない状態だと、文から目を離さずに聞けるようになります。

物語の会話を交互に読んでみる

役を決めて物語文の会話を交互に読むようにすると、子どもは劇感覚で盛り上がります。兄弟や友達同士でも楽しめる方法なので、低学年や音読が苦手な子の場合は、一度取り入れてみてもいいでしょう。

録音し、聞きながら褒めてみる

音読を楽しむ方法のひとつとして、録音し一緒に聞いてみるという手があります。スムーズに読めず、子どもが嫌がる場合は無理にしない方が良いですが、上手に読めるようになった時に、初期と聞き比べながら褒めてあげると、子ども自身も成長を自覚しやすくモチベーションアップにつながります。

読めるようになったら他の素材に変える

「同じ文章を何度も音読した方がいいのか」という質問をよくいただきますが、スムーズに読めるのであれば、何度も音読する必要はありません。少し難しめの他の文章にチャレンジしてみるとよいでしょう。

できるだけ早口で読む

受験に向けて「すらすら読める」ことを目的にした音読では、大きなハッキリした声で読む必要はありません。小声の棒読みやブツブツとつぶやく形で構わないので、早口で読むことを意識して練習してみましょう。

社会や理科の教材テキストを読んでみる

国語の教材が読めるようになり、別のものを読んでみたくなったら、社会や理科の塾のテキストを音読してみましょう。他教科の内容把握にもつながります。

要点に当たらない、読みにくい箇所は飛ばしていい

説明文で数値やカタカナの固有名詞が大量に出てくる箇所やなど、あまりにも読みにくいところは飛ばしてしまっても構いません。要点が書かれている箇所を読むだけでも音読する意味はあります。たとえば、長文の場合、問題提起をしている冒頭部分と結論を述べている文章末尾を中心に読んでみるとよいでしょう。

音読は国語の成績アップに効果あり。無理のない範囲で行う

音読を続けることで、深刻な状態だった国語の成績が好転したケースは何例もあります。ただし「すらすら読めるようになる」ことが、「文章の内容を理解した」こととイコールではないという点には留意する必要があります。スムーズな音読ができるのは、まず字面として文章全体を把握したということ。その奥に込められた意味や、複雑に絡む内容を解釈するには精読が必要で、これは音読の次のステップになります。

学習という観点以外にも、声を出すことはストレス解消になりますし、楽しいものです。あまり堅苦しく考えすぎず、少しずつ継続していきましょう。つかえずに読めるようになれば自信が持てるようになり、文を読む意欲も高まって、読解力の向上へとつながるはずです。


これまでの記事はこちら『「国語力」が、中学受験を左右する!

※記事の内容は執筆時点のものです

南雲ゆりか
南雲ゆりか 専門家・プロ

南雲国語教室(東京都文京区)主宰。「正確に読む力、伝える表現力」の育成をモットーに小学生の指導にあたっている。東京都生まれ。横浜市の小学校教諭を経て、大手中学受験塾の国語科専任教師に。10年間、最難関コースの指導を担当するとともに、模試や教材の作成にも携わった。主な著書に、『笑って合格する!「中学受験」必勝法』『中学受験の合否を決める! 考える力がつく「国語」勉強法』(いずれもダイヤモンド社)『名探偵コナンの12才までに身につけたい本物の漢字力 1026字』(小学館)がある。現在、朝日小学生新聞で「楽読み楽解き国語の時間」、朝日新聞EduAで「国語のチカラ~読解力アップの教科書~」を連載中。

この記事の著者

雑誌・新聞の編集・ライターを経て、現在は、通信教育企業のキュレーションサイトや大学案内のライティングなどを担当。