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国語の長文読解の心構えと「正しく」読むための勉強法。おすすめの問題集も紹介

2022年4月21日 石井知哉

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中学受験でほとんどの中学校が入試に出題する、国語の長文読解。「頑張って勉強しているのに、なかなか国語の読解で点が上がらない……」という悩みを抱える受験生も少なくありません。長文読解の苦手克服に向け、まずは「読解の心構え」、そして正しく読むための勉強法を解説します。

国語の長文読解の心構え

長文読解が苦手な子は、まずは「長文読解は難しい」「わからない」といった思いこみを捨てることから始めましょう。

本題に入る前に、まずは私の経験から。講師として長年指導してきたなかで、特に印象に残っている子がいます。その子は国語の点数は高いものの、文法や文学史の問題は苦手。しかし長文読解だけは良くできて、全教科トップクラスの子と並ぶほどの成績でした。かといって家庭学習も宿題をやるくらいで、勉強量が多いわけでもありません。不思議に思い、長文読解が得意な理由をその子に聞いてみることに。すると、返ってきたのはこんな言葉でした。

「長文問題って簡単だよ。だって本文に答えが全部書いてあるもん。読めば答えがわかる」

このシンプルな言葉には、実は長文読解を攻略するポイントが詰まっています。

【長文読解のポイント】
本文のなかに答えは全部書いてある。つまり、本文を読めば答えはわかる

キーワードは「本文」という言葉。ゲームに喩えると、長文読解の得意な子は、本文という名の強い味方と協力して、設問というボスキャラを攻略しているのですね。

本文の「宝」を見つけよう

ちなみに、長文読解と同じく多くの中学校は漢字問題を出題しますが、こればかりは知らないと点数が取れません。四字熟語やことわざ、慣用句などの知識問題も同じで、得点につなげるためには覚えるための勉強が必要です。

しかし、長文読解はちがいます。解くうえで知識の量が求められているわけではありません。事実、問題文のはじめに「次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい」と書かれていることがほとんど。つまり「文章に書いていないこと」は問われていないのです。

イメージするのであれば、長文読解は宝さがしのようなもの。本文のなかにかくれている宝(答え)を探し出せばOK。「自分で答えを考えなきゃ……」と難しく構える必要はありません。

繰り返しにはなりますが、長文読解の答えは本文に書いてあります。そして、本文を味方につければ長文読解は得意になります。ここまで聞いて、少しは気持ちがラクになってきましたか? 親御さんとしては、お子さんが長文読解を前にして苦労している場合には、まずは肩の力を抜いて、難しく考えすぎないようにアドバイスをしてあげてください。

本文を「味方」にするための勉強法

では、具体的な勉強法を解説していきます。はじめに意識したいのが、本文を「正しく読む」ということ。「正しく読む」とは、読んで正確に理解することをいいます。そして、次のようなステージをそれぞれクリアしていくことで、本文を正確に理解できるようになっていきます。

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石井知哉

石井知哉

  • この記事の著者

株式会社QLEA教育事業部部長。教育系Webサイト「School Post」を主宰。2000年、早稲田大学第一文学部 哲学科卒業。東京都の塾業界にて指導歴20年以上。現在は、東京都大田区で個別指導塾2校舎の教務・運営を統括する傍ら、千代田区麹町に超少人数制個人指導道場「合格ゼミ」を開設。豊富な実践経験に裏付けられた独自の理論とメソッドに基づき、小学校低学年から中・高・大学受験生、就職試験対策の指導にあたっている。幅広い学年・学力層・教科を対象に、個々の成長を最大限引き出す指導を得意とする。