
受験生親子のための支援のイロハ[3] 夫婦で支援し合う関係を築く ―― 中学受験との向き合い方
中学受験は親子の関係だけでなく、夫婦間での協力も大切です。しかし、父親と母親とでは教育方針が違ったり、見えている子供の姿が微妙に違ったりすることがあります。そこで肝心なことは、子供にどう幸せになってほしいのか、お互いの考えを共有することです。頑張るわが子を夫婦で力を合わせてサポートするためには、どのようなことを心がければいいのかをお伝えします。
夫婦はワンチーム
家族という共同体はひとつのチームですが、夫婦もまた、そのなかの小さなチームです。チームというのはひとつの目標に向かって突き進む「We」のことを指します。スポーツチームであれば優勝のために試合に勝ち続けること、会社であれば業績を上げたり、社会貢献したりすることが目標になります。では、家族や夫婦間での目標とはなんでしょうか? 「家族の幸せ」「子供の幸せ」という最大公約数的な目標を、もう少し具体的に明らかにしていきましょう。ここでは「親するチーム」としてのありようを考えていきます。
- 将来はどんな大人になってほしいか
- 小中高でどんな学校生活を過ごしてほしいか
これらは「親するチーム」としてのヴィジョンです。実現可能かどうかは関係なく、夫婦で思っていることを書き出して話し合ってみましょう。そのなかで「どうしてもこれだけは譲れない」という想いが出てきて、夫婦で意見が食い違うことがあるかもしれません。そんなときは、いったん答えを先延ばしにしてみるのもひとつの手段です。
たとえば母親は子供に中学受験をさせたいと考えているものの、父親は公立の中学校に進学で構わないと思っている場合。進路選択は、期限付きではありますが、じっくり時間を掛けて話し合うことをおすすめします。中学受験の勉強を進めながら父親、母親、子供の考えがどう変化するのかを静観してみるのも良いでしょう。
しかし、私が相談を受けた次のような事例もあります。
とじる
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