個別指導塾で学生バイト講師に任せても平気なの? 個別指導塾の2つの型とは? 書籍『やってはいけない塾選び』杉浦由美子さんに訊く#7
この10年で増えている個別指導塾。
どこの街にいっても個別指導塾の看板を見かけます。
2月は受験生が卒業して人気講師の枠が空くから、問い合わせをするチャンスの時期でもあります。
しかし、たくさんありすぎて、どうやって、選べばいいかわからないという迷いもあるでしょう。
書籍『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)では、個別指導塾には「伴走型」と「コンサル型」の2種類があると言及されています。
個別指導塾の関係者も「この種類がふたつあることが書かれている本はこれがはじめて」と話します。
さて、その種類とは?
今回は学生バイトが活躍する「伴走型」個別指導について、著者でノンフィションライターの杉浦由美子さんに訊いてみました。
学生バイト講師が活躍する「伴走型」
――個別指導塾を選ぶ際に、気になるのが指導料の差です。ずいぶん差がありますよね。あれはどういう違いなんでしょうか。
指導料の違いは、おもに講師の違いですね。
レギュラーな価格帯の個別指導塾の主役は学生バイト講師です。個別指導塾を見学しましたが、大学生講師や20代の講師が多いです。清潔感がある若者たちです。
これらの若手講師が請け負うのは「伴走型」個別指導です。
親の伴走をアウトソーシングする
中学受験の世界の用語で、親が子どもの勉強につきそうことを「伴走(ばんそう)」というのですが、それを個別指導塾にアウトソーシングするんですよ。これを「伴走型」の個別指導塾と、私は呼んでいます。
たとえば、集団塾の中には質問は授業の後だけというところもあります。そうすると、質問をするには行列に並ぶ必要がありますが、早く帰りたい子もいますよね。
その場合、自宅で親御さんが教えてあげる必要が出てきますが、それが共働きで忙しいなどの理由でできない場合、個別指導塾にやってもらうわけです。
いっぽう、プロの講師が教える個別指導塾もあります。指導料が高価格帯となる個別指導塾は、こちらのタイプです。私はこれを「コンサル型」と呼んでいます。
学生バイト講師だからこそ子どもの信頼をつかめる一面も
――学生バイト講師を避けたがる保護者も多いです。やはり、社員講師の方が、指導力がありそうですし……
確かに学生バイトは講師としての経験値が低いです。ただ、その分、生徒と年齢や感覚が近いというメリットがあります。子供は自分と近しい存在に信頼感を持ちます。
ある塾長さんも「子どもはキラキラした大学生になつくんです」と説明会で熱く話されていました。
小学生も高学年になってくると、親御さんに対して反抗的になってきます。勉強をみてあげても喧嘩になってしまうこともあります。
そこで学生バイトが代わりに勉強をみてもらうわけですよ。
「親のいうことはきかないのに、講師の先生のアドバイスにはちゃんと従う」と苦笑する親御さんもたくさんいますよ。
費用がお高い個別指導は「コンサル型」
――集団塾についていけないからフォローのために個別指導塾にも通うというケースは多いと思いますが、この場合、「伴走型」の個別指導塾と、プロ講師の「コンサル型」の個別指導塾、どちらが適切なのでしょうか?
ケースバイケースです。どちらがお子さんに必要なのか、そして、予算の問題などを総合的に考えて選んでいただきたいと思います。
『やってはいけない塾選び』では、実際に個別指導塾に取材したデータを元に、選び方についてくわしく言及しています。
プロ講師による個別指導塾の代表的存在であるSS-1さんに出向いて、指導の様子も見せていただきました。
塾選びの参考にしていただければ幸いです。
※記事の内容は執筆時点のものです
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