中学受験ノウハウ 親の関わり方

うまくいっていたのに成績が急降下……。わが家で効果のあった対策を紹介

2022年6月05日 浅野桃

塾も休まずに行っている。勉強もしっかりしている。でも、どうして成績が落ちてしまったのか ――。あれは、6年生の11月。中学受験を目前に控えた息子の成績が、急に落ちてしまいました。親として焦る一方で、息子はついには模試にも拒否反応を示す始末。テスト中に鼻血を出して、「答案用紙を汚しちゃった……」と泣いて帰ってきたこともありました。こうしたとき、息子の自信を取り戻すために、私がどういった行動を起こしたかを紹介します。

わが家で効果のあった「特効薬」

息子の成績が急降下した11月ごろ、わが家では志望校をほぼ決めていました。しかし得意のはずの算数や、理科のなかでも計算を必要とする分野が軒並み解けなくなっていたんです。これまで積み重ねてきたはずなのに、どうして……? パニックになってしまった息子のために、私は“特効薬”となる方法を探して回りました。

そして次の3つの方法が、息子の気持ちを落ち着かせるうえで効果的でした。

わが家で効果のあった方法

  • いつもの生活から離れてみた
  • ゲームをするのを認めた
  • 辛抱強く待った

いつもの生活から離れてみた

学校から帰ると、すぐに塾。週末は模試 ――。これが息子の毎日でしたが、中学入試を控える子供はみんなやっていることだし、私としても当たり前に思っていました。でも冷静になってみると、「これじゃあ、息子が追い詰められてしまうのも無理ないかも」と夫婦で話し合い、思い切って塾を休ませ、“プチ旅行”に出かけることにしたんです。ちなみに息子は、家族旅行に出かけても旅行先で図書館を探し、時間さえあれば勉強したがるような子。でも、このときだけは「今日だけは勉強から離れようね」と伝え、久しぶりに家族水入らずの時間を過ごしました。海に行き、のんびりと釣り糸を垂らす時間を過ごしましたが、息子は魚が釣れて喜んだり、海辺で寝転んだりと、束の間の時間を楽しんでいるように見えましたね。

そして旅行から帰ってきた後、魚が釣れて笑顔の息子の写真を見てみると、頬がこけていることに気づいたんです。そして「相当しんどい思いをさせていたのかもな……」と、改めて反省しました。一方で、自然のなかで思いっきり深呼吸して体の空気を全部入れ替え、いつもと違う場所で家族と過ごした時間は息子にとっては何よりのリフレッシュになったようで、夫婦ともに安心したことを覚えています。

ゲームをするのを認めた

受験生になってから、息子はゲームをしないように決めていました。正直なところ、ゲームをする時間も余裕もなかったのですが、小学校に行けば中学受験をしない友達もいて、その頃の男の子たちはゲームの話で持ち切りだったはずです。そこで、我慢し過ぎているかもしれないと思ったので、「ゲームをしてもいいよ」と伝えることに。はじめこそゲームをすることに後ろめたさがあったようですが、「本当にいいの?」と何度も確認しつつ、久しぶりにゲームの電源を入れたあとは、時間を忘れて熱中していましたね。

一方でしばらくゲームをしていなかったこともあり、操作が下手になっていたようで、思うようにクリアできず、むしろモヤモヤだけが残ったこともあったとか。そのため「大成功」という訳にはいきませんでしたが、それでも「ゲームはやっちゃダメだ」と無理に抑え込んでいた気持ちを発散できた、という点でメリットはあったように思います。

辛抱強く待った

成績が急降下したのは中学受験を控えた11月のことだったので、私自身、不安が大きかったのもたしかです。しかし、ときには「待つこと」も親の務めかもしれない、と考え直しました。そこで息子が自分で「塾に行く」と言うまで、塾は休ませることにしたんです。いつもスケジュールがいっぱいで、やらないといけない勉強に追われ、自分がどうしたいのかを考える時間がないかもしれない、と感じたからですね。そして実際に塾を休み、自由な時間をしばらく過ごすと「中学受験にチャレンジしたい」という気持ちを思い出したようで、成績が落ちて10日ほど経ったころ、「僕、がんばる」と息子が話すようになりました。一度休ませたことで、やらされていた勉強から、目標のために“自分で頑張る”勉強へと意識が変わったようにも思います。

それは、親の私にとっては長い長い10日間でした。日に日に不安が募り、もしかしたら受験はやめることになるかもしれない……と覚悟もしました。待つのは本当に難しいことですが、それでも待つ時間は必要だった、と身に染みて感じています。

まとめ

苦しかったスランプの時期を改めて思い出してみると、親として大切だったのは、何よりも「子供を信じる気持ち」だったと思います。中学受験を目指すのは、まだまだ11~12歳の子供。それでも、子供は不器用ながらも一生懸命に考え、「親の期待にもこたえたい」とがんばっているんですよね。

一方で息抜きの方法がわからず、疲れてしまう子も少なくないようです。わが家も受験直前になって子供のエンジンが切れてしまいましたが、そこで無理に頑張らせず、息子を信じて休ませ、また自分の力で歩けるようになるのを見守ったことで、無事にその後は受験に向けてひた走っていきました。こうした経験からも、不安なときこそ「待つ」ことが、子供にとって何よりの“特効薬”だったと感じています。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

元・国立大学国際関係学部職員。イギリスへの留学経験有り。現在は大学生の息子と中学生の娘をもつ2児の母。息子は関西トップクラスの中高一貫校から現役で東京大学に進学できたものの、わたし自身はいわゆる「教育ママ」ではなく、子育てそのものを楽しんできた。現在も勉強面より、子供が心も身体も元気に育つことを目指し、日々の食事作りやお弁当、おやつ作りに精を出す。近年は「PTA本部役員」としてPTA改革にも取り組む。