学習 算数

「計算を工夫するのってめんどくさい!」と思っている子に知ってほしい3つのこと

2021年10月04日 國友克弥

「計算は工夫して解きなさい」と言われるけど、工夫したほうが計算がめんどくさくなりそう……と考えてしまう子は少なくありません。たしかに、工夫して計算するのは慣れが必要ですが、実は少しの工夫をするだけで見違えるように計算がラクになることも多いのです。計算の工夫が必要な理由について、具体例をもとに解説します。

計算を工夫しないと起きること

「計算なんて工夫しなくても解けるよ!」という子もいるでしょう。もちろん工夫をしなくても、ルールを守ってていねいに解いていけば計算問題は正解を導き出せます。しかし中学受験の模試や入試では色々な問題が出されるので、計算問題はできるだけ早く、そして正確に処理しておきたいものです。そして計算を工夫しないと、次のようなデメリットも生じてしまいます。

計算を工夫しないと起きるデメリット

  1. 計算が複雑になる
  2. 計算が遅くなる
  3. 計算間違いが増える

デメリット【1】計算が複雑になる

計算を工夫しないと、その計算に悪戦苦闘してしまうことがあります。特に整数や小数の混じった計算の場合、数のケタが多くなったり、小数点の打ち間違いをしたりして、時間をかけて計算した割には正答率が低いということもありがちです。

たとえば、次の問題を解いてみてください。

3.14×0.71-3.14×0.26+3.14×0.55=?

たし算とひき算、かけ算が混じっているので、まずはかけ算から計算して、次にたし算とひき算をするのが「計算のルール」にのっとった解き方です。しかしこの場合、かけ算をすると小数点以下のケタが多くなりますし、たし算とひき算もその小数を使って計算することになるので、計算がとても複雑になってしまいます。

解決策

ではどのようにすれば、この複雑な計算をシンプルに解くことができるのでしょうか。そこで、計算を工夫していきましょう。

3.14×0.71-3.14×0.26+3.14×0.55=?

まずは「3.14」という数字に注目します。どのかけ算にも「3.14」が含まれていることがわかりますね。そして、この「3.14以外」の数字をまとめると、次のような式が出来上がります。

3.14×(0.71-0.26+0.55)

カッコのなかの計算を先にすると、以下のようなすっきりとした式になります。あとは、簡単に答えを導き出せますね。

3.14×1=3.14

この例のように、同じ数字を見たらまずは「まとめてみよう」と考えてみてください。複雑な計算も、少しの工夫をするだけで簡単に解けるようになりますよ。

デメリット【2】計算が遅くなる

計算を工夫しないで解くと、正解を出すまでに時間がかかってしまうこともあります。計算ミスは少ないけど、1問1問にかなり時間をかけてしまう、という子も多いのではないでしょうか?

では、今度は次の問題を解いてみてください。

5+9+13+17+21+25+29+33+37+41+45+49=?

一見するとただのたし算なので、「前から順番に足していけばいいんじゃないの?」と思うかもしれません。しかし、順番にていねいに足していくと時間がかかってしまい、ほかの問題を解く時間が短くなってしまいます。

解決策

では、先ほどの問題を工夫して解いてみましょう。

5+9+13+17+21+25+29+33+37+41+45+49=?

数字の並びに注目すると、4ずつ増えていることがわかりますね。実はこのたし算は「等差数列の和」を求める計算なのです。等差数列の問題であれば、解き方を覚えている子は多いはず。しかしこの問題のように、単純なたし算の“フリ”をして出題されると、意外と気づかないものです。

「等差数列の和」であれば、次のように解くことで簡単に答えを導き出せます。

(5+49)×12÷2=324

このように、単純な計算問題のように見せかけて、実はもっと簡単な解き方が潜んでいる問題は少なくありません。そのため、計算問題に出会ったらすぐに解き始めるのではなく、まずは注意深く観察することで、早く解ける方法がないかを探してみましょう。

デメリット【3】計算間違いが増える

計算を工夫しないと、計算間違いも増えてしまいます。特に、小数点の打ち間違いや約分忘れなど、計算問題にはあらゆるところに“ワナ”が潜んでいます。

では、次の問題も解いてみてください。

0.125÷\(\frac{1}{8}\)-0.25×\(\frac{3}{4}\)+0.5×\(\frac{1}{2}\)=?

分数と小数が混じった四則計算なので、計算が苦手な子はこの式を見るだけでイヤになってしまうかもしれません。この問題の場合、まずは小数を分数に直したうえで計算していきます。しかし、小数第3位までの小数を分母1000の分数に直して計算すると約分ミスなどが発生してしまうため、この解き方はあまりおすすめできません。

解決策

このような計算問題を解く場合には、分数への変換がポイントとなります。たとえば0.125や0.25、0.5は中学入試では頻出の小数ですが、それぞれ次のように変換できます。

0.125 =\(\frac{1}{8}\)   0.25 =\(\frac{1}{4}\)   0.5 =\(\frac{1}{2}\)

そして分数に変換すると、先ほどの式は以下のようにすっきりでき、あとは分数の計算だけをするだけで答えが出せます。

0.125÷\(\frac{1}{8}\)-0.25×\(\frac{3}{4}\)+0.5×\(\frac{1}{2}\)
=\(\frac{1}{8}\)÷\(\frac{1}{8}\)-\(\frac{1}{4}\)×\(\frac{3}{4}\)+\(\frac{1}{2}\)×\(\frac{1}{2}\)
=1-\(\frac{3}{16}\)+\(\frac{1}{4}\)
=1\(\frac{1}{16}\) 

繰り返しにはなりますが、「小数第1位までの小数は分母が10」「小数第2位までの小数は分母が100」と変換をしていくのはおすすめできません。中学入試で頻出の小数については、約分したあとの形を先に覚えておくようにしましょう。

まとめ

計算問題は、計算のルール通りに丁寧に解いていけば正解できます。しかし時間がかかってしまったり、小数点の打ち間違いや約分忘れをしてしまったりと、思わぬところでミスしてしまうことは少なくありません。そしてこうした悩みは、計算に工夫を加えるだけで解決できることも多いです。そのため計算問題を解くときは、日頃から「何か工夫できないかな?」と考えながら取り組んでみるようにしましょう。計算の工夫が自然にできるようになると、計算問題を早く、そして正確に解けるようになりますよ。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

関西の進学塾で、中学受験の算数を10年以上担当。最難関校を目指す生徒をはじめ、幅広い偏差値層に対して的確なアドバイスを与え、数多くの生徒を合格に導いてきた。近年はライターとして様々なジャンルで執筆活動も行っている。趣味は読書とゲーム。最近はまっていることはプログラミング学習と動画編集。