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【前編】理科を得意科目に! 今一度考えたい学習のポイントと親の関わり方|なるほどなっとく 中学受験理科

専門家・プロ
2021年11月04日 水溜 兼一(Playce)

学習範囲が広く、難しいイメージがある理科の中学入試問題。難関校に多くの子どもを合格させてきたカリスマ講師・小川眞士さんが、子どもの理科力を育むためのヒントを伝えます。

理科が得意な子と苦手な子にはどんな違いがあるのでしょうか? 家庭での学習の取り組み方、子どもへのアプローチの仕方、勉強法、苦手単元の克服の仕方など、さまざまな点から、長年受験生を指導してきた小川先生にお話を伺いました。その前編をお届けします。

理科的思考力を問う問題の増加

──近年の理科の入試問題は、知識量よりも、理科的思考力を問う問題が増えています。しかし、理科学習は依然として“覚える教科”と認識されているご家庭も多いようです

小川先生:それは同調圧力というか、理科は“暗記教科”というイメージが定着しているからです。まわりの子も覚えることに注力しているから、「うちも覚えさせないと」と考えてしまう。それに塾のテストでは知識量を問う問題が出題されることが少なくありません。塾の組分けテストで上位クラスに入ろうとすれば、テストで良い成績を取らないといけない。すると、どうしても知識量を増やすことに傾倒してしまう部分もあるかと思います。しかし、塾のテストと入試問題は別物ですから、入試に向けた本来の理科学習からは逸れていってしまいます。

──子どもを塾の上位クラスに入れたいのも親心ですから、難しい問題ですね。入試に向けて子どもにどのように理科学習をさせればいいのか、ヒントになることはありますか?

小川先生:中学受験を決めたら、できるだけ早めに中学校の説明会に行くことをおすすめします。説明会では、学校側がどういう生徒を求めているか、どんな入試問題を出すかについて話があると思います。理科の入試問題を実際に見ていただくと、知識量を問う問題は思っているほど多くなく、思考力やデータの処理能力を問う問題がメインであることをわかっていただけるはずです。入試問題を知ることは、中学受験の理科学習のゴールを見極めるために非常に大事なことです。

──本連載でも先生は、理科学習は「理科的思考力」を養うことが大事とおっしゃっています。そのために家庭ではどのようなことを心掛ければよいのでしょうか?

小川先生:子どもの理科的思考力が伸びるかどうかは環境によるところも大きいのですが、一番いいのは、子どもを自然の中に連れて行くことです。自然の中には、子どもたちの興味関心を惹くものがたくさんありますから。たとえば、昆虫採集にのめり込んでいる子は、昆虫についていろいろなこと知っていますし、さまざまな事象について「なぜかな?」と考える習慣が身についているので、昆虫以外の分野にも強かったりします。

理科的思考力を伸ばすためには、現物に触れたり、自然現象を見たりする機会を設けて、よく観察する習慣をつけることが必要です。最近はYouTubeを見ただけで物事を知ったつもりになっているケースも多く、子どもたちが実際に体験することが少ないですね。加えて、世の中全体がプロセスを知らなくても、原因と結果さえわかっていれば生活できるようになってきていると感じるんですよ。しかし、理科学習の本来の目的は「AはB」と覚えることではなく、「なぜAがBになるのか」というプロセスを考えることです。ですから、理科的思考力が伸びにくい環境になってきているのかもしれません。

ほかに、「理科的思考力があるな」と感じる子のご家庭は、普段から親が子どもにいろいろなことを尋ねたり、子どもの話に耳を傾けたり、親子の会話を大切にしていると感じます。理科が得意になるかどうかは、意外と親子のコミュニケーションによるところが大きいと思います。

理科的思考力と親子の会話

──親は子どもとどんな会話をしたらいいのでしょうか?

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小川眞士
小川眞士 専門家・プロ

小川理科研究所(東京都豊島区)主宰。都内の中学校教諭を経て、四谷大塚進学教室理科講師に。開成や桜蔭の特別コースを約25年間担当、コース生28人全員が開成中学に合格した実績を持つ。教務主任や副室長も務めた。2009年4月に小川理科研究所を開設。主な著書に、『中学受験 理科のグラフ完全制覇』(ダイヤモンド社)、『これだけ理科』(森上教育研究所スキル研究会)、『カンペキ小学理科』(技術評論社)がある。

この記事の著者

雑誌・新聞の編集・ライターを経て、現在は、通信教育企業のキュレーションサイトや大学案内のライティングなどを担当。