中学受験ノウハウ 連載 親子で疲弊しない「ノビノビ中学受験」

志望校変更の「落とし穴」 ―― 親子で疲弊しない「ノビノビ中学受験」

専門家・プロ
2021年11月29日 やまかわ

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中学受験と聞くと、難関校を目指す受験がどうしてもイメージされます。しかし、そうではない、あるいはそのやり方に疑問をもつご家庭は少なくないでしょう。この連載では、『ゆる中学受験 ハッピーな合格を親子で目指す』の著者である亀山卓郎先生に、親子で疲弊しない中学受験をテーマにさまざまなお話を伺います。

「本当に志望校に合格できるか心配」
「これからも成績は伸びるかな……」

入試が近くなればなるほど、こうした不安が湧いてくるものです。塾にも「志望校のランクを下げたい」といった相談が増えてきます。もちろん、志望校を変えること自体は悪いことではありません。しかし親の事情を優先させるあまり、肝心の「子どものモチベーション」を損なってしまっては本末転倒です。

志望校変更の“落とし穴”

私の塾・進学個別桜学舎に限らず、生徒が学ぶ様子を間近で見ている塾では、受験本番までの“伸びしろ”を計算に入れて受験校を提案しています。たとえば、答えは合っていても正確に理解できているか怪しい子、面倒くさいやり方でも愚直に計算して正解にたどり着く子など、生徒によって問題に向き合う姿勢はさまざま。そしてこうした様子をつぶさに観察していくと、「この先どれくらいまで伸びるか」といったことをある程度予測でき、受験校の提案につなげられるのです。

一方で、なかには「勉強を教えること」だけをメインとしている塾もあります。こうした塾に通っている場合には「受験プラン」をご家庭で練り上げる必要も出てきますが、特にこのような家庭では、志望校変更を考える際に次の3つの“落とし穴”にはまりがちなので注意しましょう。

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亀山卓郎

亀山卓郎

  • 専門家・プロ

かめやま たくろう|明治学院高等学校、成城大学卒業。大手塾・個人塾などで教務経験を積んだ後、2007年に転居のため千葉県及び江戸川区の塾を閉鎖し、台東区上野桜木で「進学個別桜学舎」をスタート。首都圏模試の偏差値で60を切る学校への指導を専門に「親子で疲弊しないノビノビ受験」を提唱している。第一薬科大学付属高校上野桜木学習センター長。YouTube「下町塾長会議」構成員。著書「ゆる中学受験ハッピーな合格を親子で目指す」(現代書林)、「めんどうな中学生(わが子)を上手に育てる教科書」(ブックトリップ)、構成・問題監修「LIZ LISA Study Series中1/中2」、監修「おっぱっぴー小学校算数ドリル」(KADOKAWA)

やまかわ

  • この記事の著者

編集・ライター。学生時代から都内で6年間塾講師を務める。塾講師時代は、おもに作文・国語・英語の科目を担当。小学生から中学生までの指導にあたる。現在は編集・ライターとして教育関連をはじめ、街歩き・グルメ記事の執筆取材をおこなう。