連載 親子で疲弊しない「ノビノビ中学受験」

冬期講習を“最高な状態”で迎えるために ―― 親子で疲弊しない「ノビノビ中学受験」

専門家・プロ
2021年12月06日 やまかわ

中学受験と聞くと、難関校を目指す受験がどうしてもイメージされます。しかし、そうではない、あるいはそのやり方に疑問をもつご家庭は少なくないでしょう。この連載では、『ゆる中学受験 ハッピーな合格を親子で目指す』の著者である亀山卓郎先生に、親子で疲弊しない中学受験をテーマにさまざまなお話を伺います。

小6の冬期講習は、心と体を「受験モード」に切り替える時期。親御さんとしても何かと浮き足立ってしまう時期でもありますが、過度な不安は子どもに伝わってしまいます。一方で冬期講習を控えたこの時期に特に意識したいのは、子どものメンタル面と健康面のサポート。子どもが“最高の状態”で冬期講習を迎えるために気を付けたいことをお伝えします。

勉強に向き合う姿勢を正す

秋以降はどの子も気合いを入れて勉強に取り組む様子が見られますが、点数を取れる子もいれば、頑張っているのに思うように点数が取れない子もいます。この差を分けているのは、冬期講習「前」の学習の蓄積と、質。わかったふりをして授業を聞いている、答えを写して宿題を提出する ――。こうした子は、冬期講習でいざやる気を出して勉強したとしても、勉強の土台が身に付いていないため、すぐには結果に表れません。

こうしたとき親御さんとして大切なのは、まずはやるべきことをきちんとやらせること、そして今からでも「成績は必ず伸びる」と伝えつつ努力を続けさせることです。ときには子どもを「突き放すこと」も意識してみてください。そもそも、試験会場で問題を解くのは子ども自身。もちろん、親御さんは子どもの隣にいることができません。ですから早いうちに自立を促してあげることは、特に大切な意味を持つのです。

「物事の取り組み方」を伝えるのが役割

これまでも連載の中でお話してきましたが、親御さんは勉強を教えるのではなく、「物事の取り組み方」を伝えるのが本来の役割です。たとえば受験直前になると、子どもから「成績が伸びない」、「問題が解けない……」といった“SOS”を受けることがあるかもしれませんが、こうしたときにも親としてはあくまでどっしりと構えていることが大切。子どもの話を真に受けてしまう前に、「そもそも正しい努力をしているか」を確認しつつ、ただ甘えているだけなのか、努力をした結果として出されたSOSなのかを見極めていくのです。そして努力もなしに甘えている様子が見られたら、成績の良し悪しではなく、そもそもの「勉強に向き合う姿勢」を正してあげましょう。

武者修行はNG

「もっと上を目指させて緊張感を持たせたい」
「ほかの子と競わせることでいい刺激になってほしい」

このような気持ちで「冬期講習をほかの塾で受けさせる」親御さんもいますが、こうした“武者修行”はおすすめできません。いつもとは違う授業や、取り扱う問題のレベルに戸惑い、結局はメンタルが傷ついて終わるケースがほとんどだからです。逆効果になる可能性が高いですし、受験本番まで残り少ないことを考えると、心の回復に時間を割く余裕もありません。そのため、冬期講習はできる限り今の塾で受けさせることを考えてください。

家庭教師も慎重に

子どもの成績が伸びないことを不安に思い、冬休みに家庭教師をお願いしようかと考えている方もいるかもしれません。これについても、先ほどの他塾の講習への“武者修行”と同じく、慎重に検討する必要があります。

まず、家庭教師と一口にいっても講師によってそのレベルに大きな違いがありますし、子どもとの相性もさまざま。多くの実績を持つ「プロ家庭教師」なら成績アップも期待できるかもしれませんが、一般にこうした家庭教師にお願いする場合、軽自動車が買えるくらいの費用が掛かることも……。もちろん、「結果が出ない」という事実を前にして対策を講じるのは重要なこと。しかし「家庭教師を頼めば成績が上がるはず」と安易に思い込むのは禁物です。

まず大切なのは、今の塾でどうすれば成績が伸びるのかを、その塾の講師と腰を据えて話し合ってみることです。その上で「やむを得ない」と判断した場合に家庭教師を検討してみる、といったステップを踏めると良いでしょう。

体調管理にも気を配る

冬期講習中はもちろん、冬期講習が始まる前から子どもの体調管理に気を配っておくことも大切です。一度体調を崩してしまうと、そこからまた受験モードに切り替えるのは1週間ほどかかります。大きなタイムロスにつながるので、たとえば毎日の食事でビタミンが取れるようにする、カフェインが入った飲み物を飲ませ過ぎない、といったことを意識できると良いですね。入試本番を想定し、最低でも24時までには寝るようにしつつ、朝方の生活リズムをつくっていくことも大切です。

ちなみに、自宅で勉強するときのポイントは「頭寒足熱」。部屋を暖かくしすぎると眠くなってしまうので、下半身は温めつつ、頭は冷えている環境を意識すると勉強にも集中しやすくなりますよ。

万全の状態で冬期講習を迎えよう

6年生の冬期講習にもなると、子どもたちにもさすがに焦りが見え始めます。残り時間が少ないことはどの子も感じているため、ネガティブな気持ちで胸が一杯になってしまうのは仕方ないことなのかもしれません。そこで頼りになるのが、親御さんです。勉強に対する姿勢を正す、体調管理に気を配る、などを意識しつつ、子どもが万全の状態で冬期講習を迎えられるようにサポートしてあげましょう。

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※記事の内容は執筆時点のものです

亀山卓郎
亀山卓郎 専門家・プロ

かめやま たくろう|明治学院高等学校、成城大学卒業。大手塾・個人塾などで教務経験を積んだ後、2007年に転居のため千葉県及び江戸川区の塾を閉鎖し、台東区上野桜木で「進学個別桜学舎」をスタート。首都圏模試の偏差値で60を切る学校への指導を専門に「親子で疲弊しないノビノビ受験」を提唱している。TJK東京私塾協同組合員、第一薬科大学付属高校上野桜木学習センター長。YouTube「下町塾長会議」構成員。著書「ゆる中学受験ハッピーな合格を親子で目指す」(現代書林)、「めんどうな中学生(わが子)を上手に育てる教科書」(ブックトリップ)、構成・問題監修「LIZ LISA Study Series中1/中2」、監修「おっぱっぴー小学校算数ドリル」(KADOKAWA)

この記事の著者

編集・ライター。学生時代から都内で6年間塾講師を務める。塾講師時代は、おもに作文・国語・英語の科目を担当。小学生から中学生までの指導にあたる。現在は編集・ライターとして教育関連をはじめ、街歩き・グルメ記事の執筆取材をおこなう。