中学受験ノウハウ 親の関わり方

「勉強やる気出ない……」を解消するには?子供を前向きにさせる3つのポイント

専門家・プロ
2018年4月06日 佐藤智

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中学受験をさせたいと思いつつも、子供の勉強へのやる気がいまいち……。そんなお悩みを抱えている親御さんも少なくないのではないでしょうか?

今回は、教育ライターとして500人以上の学校の先生に取材をしてきた佐藤智が、お子さんを勉強に前向きにさせるための3つのポイントを紹介します。

1.志望する学校を自分の目で確かめる

勉強をやる気になるために必要なのは、モチベーションです。これは、大人でも同じことですが、「勉強しなさい!」と頭ごなしに言ってもやる気は出ませんよね。

大切なのは、“その気にさせること”です。そのために有効な方法の一つ目は、志望する学校に足を運んでみること。

体育祭や文化祭などの行事の盛り上がりを目の当たりにするのもいいですし、最近では授業公開をしている学校も増えているので、授業の様子を見学にいくのも手です。

高校の先生には「最初に連れていく大学は、東京大学に決めています」という方が少なくありません。これは、最初に見たものが一番強い印象を残すという人間の特性をうまく活用したいから。最初に最難関の大学を見せて、子供たちに「ここに入りたい!」と惚れさせるのです。

この心の動きは、小学生でも同じこと。まずは、第一志望の学校を見にいってみましょう。

2.学習したことが活きる体験をさせる

ポイントの2つ目は、勉強が役立つ瞬間の楽しさを演出してあげることです。お父さんお母さんも記憶をたどっていただくと、ひたすら計算問題をしたり漢字の書き取りだけをするドリル学習は、あまりやる気が出なかった……という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

なぜ意欲が湧かないか? それは、いま目の前にある勉強が何の役に立つかが見えないからです。子供ならなおさらです。この計算問題が解けるようになることに、どんな意味があるのか、どんなときに役立つのか、それを自分でイメージするのはとても難しいことなのです。

大切なのは、勉強を役に立ててあげること。例えば、料理の工程には算数があふれています。たとえば一緒に料理を作りながら分量の計算をすると、算数がおいしい料理を作ることに役立つということを身をもって学べます。

他にも、家族旅行に行って、現地の案内や歴史の説明を子供に任せてみるのもよいでしょう。その説明を聞いて、家族みんなが驚いたり、感心したりすれば、子供は社会的な知識を伝えていくおもしろさを実感し、学びへの関心が深まると思います。

体験的に知識を使ったり、考えたりする場面を作るのは、塾では難しいこと。ぜひ、ご家庭で取り組んでみてください。

3.家族みんなで「勉強している」という時間をつくる

3つ目のポイントは、家庭内に勉強できる環境を整えることです。子供にいくら「勉強をしなさい」と言っても、親御さんが同じ部屋でテレビのバラエティ番組を見ていては、学習に集中することは難しいもの。

子供の学習時間の何時間かは、親御さんも読書をしたり資格の勉強をしたりする時間としてみてはいかがでしょうか。「家族みんなで勉強をする時間」を設けることで、子供の勉強へのやる気を高めていくことができます。中学受験は家族全員で子供を支えるという意識もとても重要です。そこを心得て、勉強に集中できる環境づくりをしてあげたいですね。

やる気を引き出すなら「勉強しなさい!」と追い詰めないこと

お子さんが勉強をしてくれなかったり、集中力が持続しなかったりすると、不安になることもあるでしょう。「このままで志望校に受かるのかしら」と焦る気持ちを抱くのもごもっともです。

しかし、子供に勉強を押し付ければ、押し付けるほど、子供にとって「勉強は言われたから仕方なくやるもの」という印象が植え付けられてしまいます。

これでは、たとえ受験に受かっても、その後の人生において意欲的に自分から学ぶことができにくくなってしまいます。

中学受験は合格がゴールではありません。その先も学ぶことの本来の楽しさを感じられる体験をめざしてほしいものです。前向きに学びに向かう姿勢を身につけるべく、今回紹介した3つのポイントをぜひ試してみてくださいね。

※記事の内容は執筆時点のものです

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