森林伐採の影響を考えよう! 地球と人類を守るためにできることは何だろう?

2022年1月14日 みみずく

世界各地で森林伐採による環境問題が発生し、人々の生活や生態系が脅かされています。日本に住んでいるとあまり実感の沸かない問題ですが、中学入試の問題ではしばしば出題されてきました。森林伐採の影響と原因を理解したうえで、私たちにできることを考えてみましょう。

森林伐採の影響を理解しよう

計画的な伐採であれば、森林は安定した状態を保ちます。一方、一部の国々では、無計画な伐採によって森林が大きなダメージを受けています。その結果、国内外に好ましくない影響が出てきました。

環境問題を引き起こす

森林伐採の影響としてイメージしやすいのは環境問題でしょう。

樹木は光合成によって二酸化炭素を吸収し、デンプンなどの有機物(炭素を含む物質)として体内に蓄えます。温室効果ガスである二酸化炭素を減少させることから、樹木は地球温暖化を抑制する役割を担ってきました。

しかし、近年は伐採のせいで二酸化炭素の吸収源が失われ、地球温暖化が進行しています。その影響から世界各地で異常気象による豪雨や干ばつなどが頻発し、北極圏の氷が溶けて海面が上昇することも懸念されています。

また、陸地の約3割を占めている森林は多くの生物の生息地です。伐採によって生息地を奪われた生物が絶滅すれば、食物連鎖によって他の生物にも影響が及び、生態系が崩れて生物多様性も失われます。

人の暮らしを破壊する

森林伐採の悪影響は、環境問題以外の形でも人の暮らしをじわじわと破壊していきます。

森林が失われると、その奥に住んでいた野生動物が人里に出没し始めます。そうなると、野生動物を媒介にした感染症が人間に拡大していくことがあります。

たとえば、マレーシアでは1998~99年、致死率が極めて高いニパウイルス感染症が初めて確認されました。ニパウイルスは、森林を追われたオオコウモリから家畜のブタに感染し、さらに養豚農家の人々へと広まっていったとされます。マラリアやデング熱などの流行にも森林伐採が関係しているといわれます。

森林から生活の糧を得ていた人たちは、森林が失われることで生活が成り立たなくなります。また、土砂崩れや砂漠化などが進行すると、その地域に住んでいた人々はさらに貧しくなったり、別の地域へ引っ越さざるを得なくなったりします。

森林伐採の原因を理解しよう

無計画な森林伐採の原因は人々の経済活動です。その具体的な内容を理解しましょう。

木材や薪炭材を手に入れるため

日本では戦後、高度経済成長に伴って木材の需要が大きくなり、マレーシアやフィリピンなどから大量の木材を輸入しました。しかし、輸出用木材を生産するための森林伐採は現在、各国が規制を強化しています。その背景には、1992年6月、世界の森林問題を各国が協力して解決していくことを目標にした「森林原則声明」が国連環境開発会議(地球サミット)で採択されたことがあります。

一方、アフリカや中南米の熱帯地域では、燃料とするための薪炭材(薪や炭にするための木材)を手に入れるための森林伐採が続いています。これらの地域では人口が増加していますが、人々は貧しく、エネルギー減として安い木材を使わざるを得ないというのが現状です。

森林を農地として利用するため

赤道近くの熱帯や亜熱帯では、バナナやコーヒー、カカオなど、特定の作物の生産に集中するプランテーション農業を行う目的で、森林が伐採されて農地に転換されてきました。世界の島で面積第3位のボルネオ島では、パーム油を生産するアブラヤシ農園の拡大に伴って広範囲に森林が失われ、世界的にも問題視されています。

また、伝統的に焼畑農業が行われてきた国々もあります。焼畑農業では、森林などに火を放って草木を焼き払い、その灰を肥料にすると同時に、雑草や害虫を駆除します。数年間耕作した後はこの土地から離れ、再び植物が生えるまでの数年以上は休閑期間とします。こうして自然環境を持続的に利用してきました。

一方、伝統的な方法とは異なる焼畑農業(「焼き払い」とも呼ばれます)は休閑期間を設けないため、森林は再生能力を失ってしまいます。これも無計画な森林伐採の原因の一つです。

自分にできることを考えてみよう

森林伐採の問題は日本の国外で起こっています。しかし、グローバル化した現代では、日本に住む一人ひとりの行動が世界の問題を解決するきっかけになります。こうした行動のヒントとなるのが「持続可能な開発目標(SDGs)」です。

SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」を達成するには、植林活動に参加するなどの直接行動以外も重要です。たとえば、森林認証マークのある製品や国産の木材を使用した製品を購入するのも、間接的に森林保護につながります。中学受験生の皆さんも、身近なところから自分にできることを考えてみてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

家庭教師/ライター。墨田区・台東区を拠点に活動している個人家庭教師。家庭教師を本業としつつ、ライターとしても活動しています。モットーは「好きな人を応援する」。小学生の指導科目は国語・算数(数学)・英語・理科・社会・作文など。「楽しく学びながら、中学の準備をする」ことを目標に指導をおこなっています。

Webサイト:みみずく戦略室 墨田区・台東区のプロ家庭教師&ライター
https://mimizuku-edu.com/