森林伐採の影響を考えよう! 地球と人類を守るためにできることは何だろう?
世界各地で森林伐採による環境問題が発生し、人々の生活や生態系が脅かされています。日本に住んでいるとあまり実感の沸かない問題ですが、中学入試の問題ではしばしば出題されてきました。森林伐採の影響と原因を理解したうえで、私たちにできることを考えてみましょう。
森林伐採の影響を理解しよう
計画的な伐採であれば、森林は安定した状態を保ちます。一方、一部の国々では、無計画な伐採によって森林が大きなダメージを受けています。その結果、国内外に好ましくない影響が出てきました。
環境問題を引き起こす
森林伐採の影響としてイメージしやすいのは環境問題でしょう。
樹木は光合成によって二酸化炭素を吸収し、デンプンなどの有機物(炭素を含む物質)として体内に蓄えます。温室効果ガスである二酸化炭素を減少させることから、樹木は地球温暖化を抑制する役割を担ってきました。
しかし、近年は伐採のせいで二酸化炭素の吸収源が失われ、地球温暖化が進行しています。その影響から世界各地で異常気象による豪雨や干ばつなどが頻発し、北極圏の氷が溶けて海面が上昇することも懸念されています。
また、陸地の約3割を占めている森林は多くの生物の生息地です。伐採によって生息地を奪われた生物が絶滅すれば、食物連鎖によって他の生物にも影響が及び、生態系が崩れて生物多様性も失われます。
人の暮らしを破壊する
森林伐採の悪影響は、環境問題以外の形でも人の暮らしをじわじわと破壊していきます。
森林が失われると、その奥に住んでいた野生動物が人里に出没し始めます。そうなると、野生動物を媒介にした感染症が人間に拡大していくことがあります。
たとえば、マレーシアでは1998~99年、致死率が極めて高いニパウイルス感染症が初めて確認されました。ニパウイルスは、森林を追われたオオコウモリから家畜のブタに感染し、さらに養豚農家の人々へと広まっていったとされます。マラリアやデング熱などの流行にも森林伐採が関係しているといわれます。
森林から生活の糧を得ていた人たちは、森林が失われることで生活が成り立たなくなります。また、土砂崩れや砂漠化などが進行すると、その地域に住んでいた人々はさらに貧しくなったり、別の地域へ引っ越さざるを得なくなったりします。
森林伐採の原因を理解しよう
無計画な森林伐採の原因は人々の経済活動です。その具体的な内容を理解しましょう。
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