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【前編】小川先生!「考える」ってどういうことですか?|なるほどなっとく 中学受験理科

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学習範囲が広く、難しいイメージがある理科の中学入試問題。難関校に多くの子どもを合格させてきたカリスマ講師・小川眞士さんが、子どもの理科力を育むためのヒントを伝えます。

塾の新学期がスタートし、保護者の方もお子さんも、気持ちを新たに受験に向けて取り組まれていることと思います。受験勉強は「考えること」の連続とも言えます。そこで、多くの受験生を指導されてきた小川先生に「考えるとは?」というテーマでインタビュー。その内容を前後編の2回にわたり紹介します。

考えるための物差し

──今回と次回は、「考える」ということについて掘り下げてみたいと思います。まずはじめにお聞きしたいのは、受験生を指導されていて「この子はよく考えているな」と感じるのはどんな生徒でしょうか?

こちらから質問したときに、質問内容や状況を踏まえて答えられる子です。生徒のなかには、ただ単語や知識をつなげただけという感じで、自分が知っていることをなんでもポンポンしゃべる子がいます。そのような生徒には、「少し考えてからしゃべりなさい」と言います。

授業内容を本当に理解している子は、私がいろいろ説明をしていると、頭の中で自分の考えと私の話を照らし合わせています。そのような子に「君はどう考えた?」と尋ねると、「私はこう考えました」と、説得力のある答えが返ってきます。

──それは、自分の持っている知識と先生の話を頭の中で比較できるということですか?

そうです。抽象的な言い方になりますが、自分の頭の中に物差しのようなものを持っていて、その物差しと、見たものや聞いたことを比較できるという感じですね。

──比較対象が自分の中にあることが、考える上での起点になっている……。そのような物差しみたいなものはどうしたらつくれるんでしょう?

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小川眞士

小川眞士

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小川理科研究所(東京都豊島区)主宰。都内の中学校教諭を経て、四谷大塚進学教室理科講師に。開成や桜蔭の特別コースを約25年間担当、コース生28人全員が開成中学に合格した実績を持つ。教務主任や副室長も務めた。2009年4月に小川理科研究所を開設。主な著書に、『中学受験 理科のグラフ完全制覇』(ダイヤモンド社)、『これだけ理科』(森上教育研究所スキル研究会)、『カンペキ小学理科』(技術評論社)がある。

水溜 兼一(Playce)

  • この記事の著者

雑誌・新聞の編集・ライターを経て、現在は、通信教育企業のキュレーションサイトや大学案内のライティングなどを担当。