中学受験ノウハウ 連載 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる

お子さんの偏差値を上げるために親が絶対にしてはいけないこと ―― 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる

2022年4月15日 菊池洋匡

親子で“楽しく”試行錯誤をすれば、子供の成績はグングン伸びます。自ら伸びる力を育てる学習塾「伸学会」代表の菊池洋匡先生が、その方法を中学受験生の保護者のみなさんにお伝えします。

はじめまして。

中学受験専門塾「伸学会」代表菊池洋匡と申します。

今月から「中学受験ナビ」で連載を持つことになりました。

これからよろしくお願いします。

今回の記事では、「お子さんの偏差値を上げるために親が絶対にしてはいけないこと」というテーマでお話をしたいと思います。

今回の内容をより理解するために、本題に入る前に、まずは「偏差値とは何か?」について簡単に説明していこうと思います。

偏差値ってなに?

偏差値について、「50が平均らしい」「高い方が良いらしい」「70いくとすごいらしい」といったことは、だいたいの方がご存知だと思います。

でも、じゃあ「偏差値っていったい何?」と聞かれると、明確な定義を説明するのって難しいですよね。

そこで「偏差値とは順位を割合で表したもの」とまずは覚えておいてください。

偏差値50であれば真ん中あたりの順位、

偏差値60だと上位15%くらいの順位、

偏差値70だと上位2.5%くらいの順位にいるよという意味です。

逆に下に行くと、

偏差値40だと下位15%くらいの順位、

偏差値30だと下位2.5%くらいの順位にいるということですね。

受験は合格の椅子の奪いあいという性質があるので、同じ学年の受験生全体の中での順位が重要になってきます。

しかし、模試はそのときによって受ける人数が変わりますから、順位を単純に比較することはできませんね。

そこで、偏差値というものを使って比較をしやすくしているのです。

そして、この偏差値は「その集団の中での順位」を表すものなので、集団が変われば偏差値の意味が変わります

SAPIXオープンで偏差値60を取るのと、四谷大塚の合不合で偏差値60を取るのは、難しさが違うのですね。

そのため、麻布中学校の合格率80%ラインSAPIXオープンだと偏差値62、合不合だと偏差値68といった違いがあります。

これは「オリンピックマラソンで10位になる」のと「東京マラソンで10位になる」のは難しさが違うのと同じように考えていただくと分かりやすいかと思います。

ここまでの説明で、「偏差値とは他の子と比べたときの相対的な位置づけ(順位)なんだ」とわかっていただけたでしょうか。

偏差値を上げるには、学力を伸ばすだけじゃない

つまり「偏差値を上げる」ためには、「学力を伸ばす」だけでは足りません

「他の子よりも学力を伸ばして、他の子を追い抜かなければいけない」ということなのです。

マラソンを想像してみてください。

他の子も一生懸命走っている中で、他の子を追い越すのは並大抵のことではありません。

一方、順位を下げるのは簡単です。

立ち止まればあっという間に置いていかれます

そして、走るのを再開しても、走り続けている子たちに追いつくのはとても困難です。

勉強もこれと同じです。

子どもたちは受験勉強において、何年にも及ぶ長距離マラソンをしているのだと考えてください。

では、どうすれば偏差値を上げることができるのでしょうか?

とてもシンプルです。

人よりも良いやり方で、人よりもたくさん勉強し、人並み外れた成長を見せること。

これが偏差値を上げるために必要なことです。

理屈はとても簡単ですよね?

親が絶対にしてはいけないことは?

そして、お子さんにこれを実行させるために、親が絶対にしてはいけないことというのが、今回のテーマです。

何だと思いますか?

それは「子どもが嫌々勉強している状態」にしてしまうことです。

大人でも子どもでも、やりたくないことを強制されたときの行動は同じです。

言われた通りにやらないか、やっても形だけの手抜きになります。

そして、必要最低限しかやらなくなります

「人よりも良いやり方」「人よりもたくさん」の真逆になるわけですね。

つまり、「子どもが嫌々勉強している状態」でいるうちは、偏差値は良くて現状維持、多くの場合は徐々に下がっていくということです。

勉強でもスポーツでも音楽でも、なんであれ嫌々やっていることで他の子をグングン追い抜いて人並み外れた成長をするなんて起こり得ません

このことは誰でもわかることですよね?

では、あなたのお子さんを勉強嫌いにしてしまうような行動は、具体的にはどんなものがあるでしょうか?

子どもによって性格はバラバラではありますが、多くの場合共通するのは「強制される」「監視される」「やったことに対してケチをつけられる」といったものです。

自分が仕事をするときに上司や同僚からこれをされたら仕事がつまらなくなりますよね。

「やれって言わないと宿題やらないんです」

「監視してないとすぐにサボるんです」

こうしたお悩み相談は頻繁に伺います。

わかりますよ。難しいですよね。

でも、「やれって命令をして宿題をさせる」「サボれないように監視して勉強させる」を続けても、偏差値アップは99%ありません

良くて現状維持で、多くの場合は偏差値ダウンが待っています。

その先に良い未来は無いのですから、他の方法を模索しましょう

強制しなくても子どもが自分から勉強したくなるようにするには、どうしたら良いだろう?

しなくても集中力を維持できるようにするには、どうすれば?

子どもが自分で改善点に気づいて修正するように導く方法は何だろう?

そうしたことを親も自分で調べ、勉強し、考えながら試していきましょう

そして、そうした試行錯誤を失敗も含めて親子で楽しみましょう

そうすれば、お子さんのやる気を引き出し、人並み外れた成長へとつなげることができます。

この連載でも、今後そうした秘訣をひとつずつお伝えしていきますので、順番に取り入れていってくださいね。

それでは。

※記事の内容は執筆時点のものです

菊池洋匡
この記事の著者

中学受験専門塾 伸学会代表。開成中学・高校・慶應義塾大学法学部法律学科を卒業。算数オリンピック銀メダリスト。大学生時代にアルバイトで塾講師をはじめ、情熱を持って取り組むうちに、子供たちの成績を上げるだけでなく、勉強を楽しむ気持ちや困難を乗り越え成長していくマインドを育てる方法を確立。その後、15年の塾講師生活で生徒と保護者に「勉強には正しいやり方がある」ということを一貫して伝え続ける。著書に『「やる気」を科学的に分析してわかった 小学生の子が勉強にハマる方法』(秦一生氏との共著、実務教育出版)『「記憶」を科学的に分析してわかった 小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』(実務教育出版)。

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