中学受験ノウハウ 連載 中学受験との向き合い方

子供の書く字が汚いと感じたら ―― 中学受験との向き合い方

専門家・プロ
2022年5月30日 やまかわ

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首都圏の一部では、4人に1人の小学生が挑戦するともいわれる中学受験。子供の受験に親はどう向き合えばよいのでしょうか。この連載では、『中学受験は挑戦したほうが100倍子供のためになる理由』の著者である、田中純先生に中学受験との向き合い方をテーマにさまざまな話を伺います。

お子さんの書く字について「うちの子、字が汚いのよね……。もっと丁寧に書けないのかしら」と嘆く親御さんは少なくありません。今回はお子さんの字に悩む親御さんとともに、文字の美しさや丁寧さについて考えてみます。後半では家族でできるエクササイズも紹介します。

コミュニケーション手段としての字

文字表現をコミュニケーションの手段のひとつと考えると、そのコミュニケーションが成立するか否かというのが、ひとつの大事な視点になるのでしょう。中学受験のシーンでも、読み手が答案を読めなかったり、読み違えたりしまうと問題が発生します。

ここで読者の皆さんと考えたいのは「きれいな字」と「丁寧な字」の違いです。「きれいな字」の反対を大雑把に表現すると「汚い字」ということになるでしょうか。親御さんの中には「うちの子、字が汚くて……」と嘆く方もいらっしゃるわけですが、文字の美醜観は、つまるところ個々人の美的感覚によるといえます。親子であっても、先生と生徒であっても、その感覚は異なります。

こう考えると、文字そのもの美醜についてはひとまず棚に上げ、コミュニケーションという目的においては「丁寧である」かどうか、がコミュニケーションツールの性能を左右するといえそうです。

もちろん「いつどこでも、必ず丁寧でなければならない」ということでもありませんが、「私の言葉を受け取ってください」という想いを文字という表現方法で差し出すということが基本になるのでしょう。

コミュニュケーションは「キャッチボールだ」などと言われますが、キャッチボールが成立するには、「相手がキャッチしてくれるボールを投げる」のが作法です。ぞんざいに投げつけたり、叩きつけたりしては気持ちの良いキャッチボールになりません。

「丁寧な字」ってどんな字?

とはいえ「丁寧な字」というのも、曖昧な表現です。ですから、引き続きもう少し考えてみましょう。親御さんやお子さんが想う丁寧な字はどんな字でしょうか?

 






 

私が考える丁寧な字は「読み手への気配りがある字」です。これには想像力が必要です。また、相手への敬意が大切です。

受験のシーンでも「採点者に私の字を読んでいただく」「私のメッセージをどうぞ受け取ってください」という姿勢はとても大事だと思います。

たとえば、本人は正しく書いたつもりなのに、採点官に読み取ってもらえなかったことで、不正解になってしまうことがありますよね。こうした不正解は、積み重なれば随分ともったいないわけです。ケアレスミスといっても良いでしょう。なぜなら、Careには「注意」という意味のほかに「気配り」という意味もあるからです。すなわち「不注意」のケアレスと、「相手への気配りが足りない」ケアレスとの二重の意味でのケアレスミスです。こうした失点も「読み手への気配りをして書く」意識によって、防げることがあります。

また「読み手」には、「未来の自分」も含まれます。自分が書いた授業ノートを、あとから見返したときに、粗雑でぞんざいな字ばかりだと、自分で読み返してもわからないわけです。

字の書き取りとは少し離れますけれども、「読み手への気配りをして書く」という意識や習慣は、国語の記述問題の解答を読み返して、「伝わりやすい文章が書けないかぁ……」と考えることとも無関係ではないように思います。

書くことに嫌気がさすと、ぞんざいな字になる?

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田中純
田中純 専門家・プロ

開成中学校・高等学校、国際基督教大学(ICU)教養学部教育学科卒業。神経研究所付属晴和病院、中高教諭、学校カウンセラーを経て公文国際学園開講準備に参加。現在は赤坂溜池クリニックやNISE日能研健康創生研究所、コミュニティ・カウンセラー・ネットワーク(CNN)などでカウンセリングやコンサルテーションを行っている。相性はDon先生。著書「ストレスに負けない家族をつくる」「中学受験は挑戦したほうが100倍子供のためになる理由」(みくに出版)。公式YouTubeはこちら

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この記事の著者

編集・ライター。学生時代から都内で6年間塾講師を務める。塾講師時代は、おもに作文・国語・英語の科目を担当。小学生から中学生までの指導にあたる。現在は編集・ライターとして教育関連をはじめ、街歩き・グルメ記事の執筆取材をおこなう。