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SAPIXの下から二番目のクラスです。このままだと志望校合格は難しく、転塾するかどうか悩んでいます。|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室

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2022年6月28日 桜井信一

『下剋上受験』でおなじみ、桜井信一さんが中学受験を考える親御さんのさまざまな悩みに答えます。今回は小5のお子さまをもつ親御さんからの相談です。

今回の相談

小5の息子は現在、SAPIXの下から二番目のクラスです。

難関付属校を目標としているのですが、 このままだと受かりそうもありません。

息子もすっかり自信を失くしてしまっているので、転塾も考えていますが、下のクラスとはいえ、このままSAPIXにいた方が難関校に受かるチャンスはあるのでは……とも思ってしまいます。

このま通わせたほうが良いのか、他の手段に切り替えるべきなのかが悩ましく…どうかアドバイスをお願いします。

相談者:miya
お子さまの学年:小5


桜井さんの回答

miyaさま、こんにちは。

塾の下位クラスにいると、自信がなくなり余計にできなくなる。早めにこのことに気付いただけでも、他者を一歩リードしていると思います。

また、気付いていても何も手を打たない人も多いのが実状でしょう。

下位クラスから真ん中のクラスにいくのがどれほど難しいことか、クラス分けの仕組みを考えると想像がつきますよね。

しかも、毎日忙しい。忙しいのにテキストで必須になっているのは下位クラス向けの問題だけ。「どうやって挽回するのか」と考えると、さらに現実的ではないことに気付かされます。

じゃあ転塾は?というと、ほかの塾に途中入塾して真ん中のクラスに受かるのは、これも現実的ではありません。僕の場合は、これらに気付いて入塾を見送ったわけなのですが。

ここで多くの人が考えるのが、個人塾や家庭教師ですが、マンツーマンでカリキュラムをこなすのも、コマ数的に現実的ではないように思います。

アメリカでは家庭教師で学ぶのは当たり前ですが、日本の子どもたちはそうはいかないでしょう。他人と長時間接することに慣れていない日本の子どもたちは、家庭教師に多くのコマ数を割くと疲れてしまうと思います。

まず、下位クラスとはどういう状況かを明確にしましょう。

算数の場合、基本的なことがまるでできていないはずです。高い月謝を払って壊滅的な点数では親も転塾を検討するので、テストでは「さすがにこれはできるだろう」という問題がある程度の割合で出題されています。それを取れば真ん中にはいけるはずなんです。

ところが、取れないから下位クラスにいる。ミスということで済ませているかもしれませんが、実際はまるでできていない状態です。

なんとなく授業を聞いて、なんとなく課題をやっていたのでしょう。算数の土台ができていないために上積みできないのだと思います。

これを子ども1人で解決するのは現実的ではありません。色々現実的ではないことばかりですが、実はこれが一番現実的ではないのです。

志望校の変更か、作戦の変更。志望校を変えないのなら親の出番ですね。子どもたちはまだ小学生です。一度遅れをとった状況から最短距離で追いつく手段なんて考えつかないでしょう。「勉強がんばる」くらいしか言えないのではないでしょうか。

そんな漠然とした話では何ら解決になりませんが、親ならどうでしょう?もっと具体的な作戦を考えつきませんか?

ここから脱出するには、ある程度一緒に勉強してあげないと解決しません。面倒見の良い先生に預けたら急に大化けすると思いますか?僕は1ミリも思いませんでした。先生は親ではないし、付きっきりにはなれません。

でも、お子さんの学力はいちから習い直す必要があるほどの状況ですよね。理科の暗記モノなども、相棒が必要なのではないですか?親だと長時間接していてもわがままを言えるので、お子さんのストレスは少ないはずです。

バトルになるかどうかは親次第。ぜひ挑戦してほしいと思います。挑戦というか、わが子ってかわいいですよね。一緒に勉強するとさらにかわいい。良い記念になると思います。

参考までに……講演会で相談に見えられた方で、同じくサピックス下位クラスのお子さんをお持ちのお母様がいました。

その方は家業を手伝っていたこともあり、はじめは子どもは塾に預けっぱなしでしたが、子どもの成績が伸び悩むと、なんと家庭教師の予算を「仕事の代打を雇う人件費」に回したのです。そしてご自身は、受験までお子さんと一緒に猛勉強。翌年、見事合格して講演会に登壇されました。

ほかにも同じようなケースがあります。やるかやらないか、もしやるなら残り期間が多い方が有利ですよね。


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※記事の内容は執筆時点のものです

桜井信一
この記事の著者
桜井信一 専門家・プロ

オンライン塾「下剋上受験塾」主宰。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。 娘の下剋上のために一念発起して小5の勉強からやり直す。塾には行かず、父娘の二人三脚で偏差値を41から70に上げ、100%不可能とされた最難関中学「桜蔭学園」を目指した。その壮絶な受験記録を綴った『下剋上受験』はベストセラーに。 2017年1月には待望のドラマ化。学習講座「桜井算数教室」「国語読解記述講座」にはのべ2000人の親子が参加し人気を博した。2020年、オンラインの「下剋上受験塾」を立ち上げた。

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