中学受験ノウハウ 習慣づけ

読書にはどんな効果があるの? 中学受験に活かせる読書のコツ


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わが子には、なるべく本を読ませたいと思いませんか。しかし、子供に「なぜ読書が必要なの?なぜテレビだけではダメなの?」と聞かれると、どう答えてよいのか困ってしまうなんてことも……。

そこで今回は、子供が自ら納得して読書をしたいと思えるような、読書のメリットを取り上げてみました。さらに、中学受験で活かせる勉強のコツなどもいくつかご紹介したいと思います。

小学生から意識したい力

読書好きになれば、さまざまな能力の基礎固めができます。

国語力を育てる

国語力は、文章を正しく理解し、順を追って考える力、つまり言語操作能力と深く関わっています。本を読めるようになると、読解力と論理的思考力が身に付き、教科書や参考書に書かれている意味を理解できるようになります。すべての科目の土台を築き、学力向上に非常に重要なのが国語力であると言えます。

認識力・制御力を養う

思春期を迎える高学年では、自分の行動や心を客観視して感情をコントロールできる力が必要です。登場人物に思いを馳せることで、読者として客観的な立場から物事を考えられるようになります。自分自身と向き合う時間を通し、自らがどうあるべきかという自立心が養われます。

読書を続けることで、さらに身に付く力

小学生の読書は、学力や心身の基礎をつくるためにとても大切ですが、読書を続けると、さらにたくさんの力が育ちます。

プラスされる記憶力

読書を続けることによって、知らず知らずの間に記憶力を鍛えることができます。序盤から登場人物やストーリーをしっかり頭に入れていないと、その本が伝えたいメッセージや、全体像を掴むことはできません。読書には、記憶力のトレーニングといった要素が含まれており、多くの学問を習得するうえで役に立ちます。

知識と教養から広がる能力

小説、政治経済、生命倫理、ロボット工学、文化、教育など、多様なジャンルの本に触れることで、それぞれの分野における知識を全体的に把握することができ、知的好奇心や豊かな感性が育ちます。すでに得た知識を増幅させるだけでなく、多面的に物事を読み解き、頭の中を整理できるようになっていきます。

受験に活かせる読書のコツ

では、受験で先述した能力をどのように活かせばよいのでしょうか。

会話によって自分の意見を固める

記述式の問題で自分なりの解答をつくるためには、自分の考えがないと成り立ちません。まずは読んだ本を家族と共有し、親や兄弟、友達と感想を言い合ってみてください。対話を重ねることで必ず自分の意見がつくられ、自己表現の素地ができます。読みっ放しではなく、意見交換までを読書と捉えることで、自他の意見を理解しまとめる力が育つと、作文や論文にも強くなります。

書いて磨く記述表現力

受験において、避けて通れない記述問題ですが、設問や問題文の本質を捉える力が身に付き、自分なりの考えが固まれば、恐れることはありません。論点を明確にし、自分なりの結論をわかりやすく書くということを意識しましょう。そして、書いた解答が具体的に内容を説明できているか、文章の構成、漢字のミスはないかなど、学校の先生や親御さんに見てもらい、繰り返し書く練習をしてみてください。記述表現力が驚くほど育ちます。

お子さんの能力を高め、才能の花を咲かせてくれる読書

本は個々の持つ能力の種に潤いを与え、いろいろな才能の花を咲かせてくれます。お子さんには「本を読むことで、学力のベースがつくられ、なりたい自分を見つけられるチャンスや、自ら課題を乗り越えるヒントなどを得られる」と、普段の会話の中で話してみてください。きっと読書の魅力を理解し、自分に必要なメッセージや知識、力を本の中から得たいと思うはずです。

また、読書は家族の話題づくりにも効果的です。ぜひ親御さんが過去に読んだ本の内容や、さまざまな場面で楽しんだ経験を伝え、お子さんの知的好奇心を刺激してみてください。

■参考
「小学生のための読解力をつける魔法の本棚」中島克治(小学館)
Y-SAPIXリベラル読解研究 冊子

※記事の内容は執筆時点のものです

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