中学受験ノウハウ 過去問

早すぎるとかえって自信を失うことも? 「過去問」にはいつから取り組むのがいいのか

専門家・プロ
2018年4月23日 鈴木恵美子

志望校の「過去問」に取り組んで出題傾向を知ることは、中学受験対策における重要な柱のひとつです。でも、どのくらいの時期から始めて、どのくらい解けばいいのか分からないという親も多いことでしょう。過去問を受験にうまく活かす方法について、1人ひとりの個性と向き合い「勉強のやり方」を教える塾・プラスティー教育研究所に聞きました。

実力をつけて臨む、練習試合が過去問。「早く解けば合格」に惑わされないで

多くの塾では、小学6年生の始めくらいから「〇年の〇〇入試にはこんな問題がありました」という感じで過去問に触れる機会が出てきます。塾にもよりますが、カリキュラム的な難易度としては、過去問に取り組めるレベルに到達しつつある時期だからです。でも、実戦的に解き始めるのはもっと後でいいのです。

一般的に、9月〜11月には取り組ませたい

多くの塾で過去問題に取り組み始めるのは、小学6年生の9月からが一般的です。子供達が夏期講習でグンと学力を伸ばし、入試範囲の学習を一通り終えるのが9月だからです。ただ、なかにはカリキュラムを消化し切れず復習が必要な子もいます。その場合はまずしっかり力をつけさせたうえで、遅くとも11月には始めるのがオーソドックスな進め方です。

一方で「過去問を早く解くほど合格する」とも言われており、実際に合格している子供も多くいます。でも裏を返せば、早い時期に解くことができる子は、元々成績がいいのです。それよりも、力が十分付いていないのに過去問をやらせる危険性の方が大きいと言えます。「全然できない」「合格なんて無理」と心が折れてしまう子が結構いるからです。解けるレベルになったら解く、そこに届かないうちは解かない。当たり前のようですがそれが基本です。

過去問は力試しの練習試合と考えよう

過去問に取り組む目的は、持てる力を出し切るために試験問題の傾向と対策を知ること。つまり、キャッチボールやバッティングの練習を日々積んで臨む練習試合のようなものです。体系的な勉強にはならないので、やれば成績が上がるものではありません。「早くやらないと」と焦る必要はなく、十分に勉強時間を取って力を付けてから解いた方が、最終的な到達レベルは高くなるはずです。

過去問を細切れに解いてもダメ。本番と同じ時間と環境をつくって取り組もう

家庭で過去問に取り組む時に、ぜひ守ってもらいたいことがあります。それは必ず試験と同じ時間制限を設け、できるだけ同じ時間帯で、同じ緊張感を持って解くことです。つまり、できるだけ本番さながらの体制で臨んで欲しいのです。

家で実施する場合は親が時間管理をしよう

塾で使う問題集などには、ときどき過去問の抜粋が収録されていることもあります。でも入試対策で過去問を解く場合は、制限時間を付けて最初から最後まで通して解くことを意味します。ですから「25分解いて、残りの25分は後からやる」というのはNGです。

小学生は、単に「これをやっておきなさい」と言うだけで放っておくと、途中で別のことを始めたりしがちです。ですから、親が子供にずっとついているのは難しくても「開始」「終了」の声かけは、親がきっちりしてあげてください。子供によっては、中押しも必要かもしれません。制限時間内でどれだけ完成度を上げるか、見直しをどうするかなども含めて、実戦のシミュレーションをするのが過去問です。それを忘れないでください。

第一志望校の過去問は、5年分はやりたい

過去問を何年分解くのがいいかは、その子の勉強の進み具合にもよります。一般的に言えば、第一志望校については過去5年分くらい、さらに第二、第三志望校については2、3年分は解いておきたいところです。そこまで積み重ねることができれば、志望校独特の出題傾向はある程度つかむことができるでしょう。

予定が押しても焦りすぎないで!

小学6年生の9月以降、受験生にはやるべきことが次々と出てきて、勉強の予定はどうしても押してしまうもの。過去問に取り組むのに相応しい時期も、子供によってさまざまです。だから友達に遅れていても焦る必要はありません。学力を十分に付けてから臨み、志望校の試験対策に役立ててください。

※記事の内容は執筆時点のものです

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