角度の求め方をわかりやすく解説！ 平行線や多角形の角の特徴や公式を理解する

中学受験算数では、角度を求める問題がよく出ます。平行線と角度の性質に注目したり、多角形の内角や外角の和の公式を利用したりするのが定番です。さまざまな角度の名前や性質を紹介し、それらを使って問題を解く方法を紹介します。

平行線があるときの角度の求め方

平行線と角の関係は小学校の算数で学びます。中学受験生はさらに深く理解しましょう。

対頂角・同位角・錯角とは？

図形問題で同じ大きさの角を探すとき、対頂角・同位角・錯角が役立ちます。それぞれの角の名前と位置は次の通りです。

言葉の説明だとわかりにくいので、下の図で対頂角・同位角・錯角を確認しましょう。

対頂角はいつでも等しいので、角ア＝角ウ、角イ＝角エ、角オ＝角キ、角カ＝角クが成り立ちます。

一方、右の図のように直線Aと直線Bが平行な場合だけ「同位角が等しい」と「錯角が等しい」が成り立ちます。具体的には、直線Aと直線Bが平行ならば次のことが成り立ちます。

平行線に注目して角度を求める

平行線に注目して角度を求めましょう。

角アを求めるには、平行線の同位角か平行線の錯角を利用します。

下の図のように、角ウ＋70°＝180°なので、角ウ＝110°です。平行線の同位角は等しいので角ア＝角ウ＝110°です。角エ＋70°＝180°から角エ＝110°を求めても、平行線の錯角は等しいので角ア＝角エ＝110°という同じ答えになります。

角イの大きさを求めるには、この角を通るように直線Aと直線Bに平行な直線Cを引きます。下の図から、対頂角は等しいので角オ＝35°、平行線の錯角は等しいので角カ＝角オ＝35°、角キ＝45°とわかります。したがって、角イ＝角カ＋角キ＝35°＋45°＝80°です。

多角形の内角や外角の大きさの求め方

三角形の内角の和を利用して、多角形の内角や外角の大きさを求める公式を導きましょう。

多角形の内角の和の公式とは？

多角形で、隣り合った2つの辺が作る角のうち、多角形の内側に向いた角を「内角」といいます。三角形の内角の和は180°です。このことを利用して、多角形の内角の和を求めます。

下の図のように、多角形を対角線で三角形に分割しましょう。たとえば、「四角形＝三角形×2」なので、四角形の内角の和は180°×2＝360°です。同じように、「五角形＝三角形×3」なので、五角形の内角の和は180°×3＝540°になります。

したがって、N角形の内角の和を求める場合、「N角形＝三角形×（N－2）」なので、次の公式が成り立つことも理解できるでしょう。

N角形の内角の和＝180°×（N－2）

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多角形の外角の和の公式とは？

多角形で、1つの辺と、これに隣り合う辺の延長が作る角を「外角」といいます。N角形の外角の和では次のことが成り立ちます。

N角形の外角の和＝360°

これを証明するため、下の図のような五角形を考えてみましょう。全ての辺を一方向に伸ばして外角を作ります。まず、内角の和は角ア＋角イ＋角ウ＋角エ＋角オ＝180°×（5－2）＝540°です。次に、角ア＋角カ＝角イ＋角キ＝角ウ＋角ク＝角エ＋角ケ＝角オ＋角コ＝180°で、これらの和は180°×5＝900°です。したがって、五角形の外角の和は角カ＋角キ＋角ク＋角ケ＋角コ＝900°－540°＝360°を求められました。

同じように考えると、次のことがいえます。

多角形の角度を求める

多角形の内角と外角の和に注目して角度を求めましょう。