中学受験ノウハウ

【入試直前期のポイント】過去問は、本番と似たような環境で取り組もう

専門家・プロ
2022年12月30日 杉本啓太

0

6年生は「いよいよ本番目前!」という時期まできましたね。最後の仕上げとして、過去問に臨んでいる子も多いでしょう。

本番の試験会場では、ほんの小さな環境の違いが、集中力や結果に大きな影響を与えることも珍しくありません。そのため過去問をおこなう場合には、私は生徒や保護者の方に「なるべく本番に近いかたちで取り組みましょう」と話しています。

 

特に重要なポイントは、以下の6つです。それぞれについて準備しておきたいことや、確認しておきたいことを紹介します。

  • 服装
  • 場所
  • 時間帯
  • タイムスケジュール
  • 計算用紙の有無
  • 常備薬、ティッシュなど

服装

まずは、入試本番で着る予定の服で過去問を解いておきましょう。そのうえで、次のようなポイントを確認しておいてください。

  • 会場が暑いとき、または寒いときに調整可能か
  • (問題を解くときに)袖が邪魔になったりしないか

 

会場が大きいと、試験中にかなり寒いことも。こうした会場はいつもと違う服装で臨む子も多いので、まずは会場の大きさを把握したうえで、その会場に着ていく服を過去問で試しておくと安心でしょう。

カイロを使う場合には、「試験中に外したくなったらどうするか」といった点も確認しておけると良いですね。

場所

試験本番は“ふだんと異なる環境”のため、集中力が乱されたり、過度に緊張してしまったりする子もいます。こうした場合の対策としては、あらかじめ似たような環境に身を置いておくことが大切です。

ふだんの勉強は、リラックスして臨める場所でおこなうのがいちばんです。ただし試験本番に向けては、あえて「集中しづらい場所」で過去問に取り組んでみましょう。

家で過去問を解いている子の場合には、塾の自習室や、図書館で解いてみるのも良いですね。周りの視線もあり、ふだんとは違う緊張を感じられるという点では(勉強がOKとされている)カフェなどで実施してみるのもおすすめですが、騒がし過ぎる場所は避けましょう。

過去問を自習室で解いている子は、家で親御さんが試験官役をしながら実施してみても良いですね。

時間帯

お子さんによっては「午前中のほうが調子が良い」「午後のほうがテストの出来が良い」という場合もあるかと思います。そのため一度は、試験本番の時間帯に合わせて過去問に取り組んでおくのがおすすめです。

たとえば、一日のあいだに午前・午後ふたつの学校の受験を予定している場合は、両校の過去問を一日で解いたり、塾が午前にあるときは、その日の午後に過去問を解いたりしても良いでしょう。

タイムスケジュール

本番の入試では、試験と試験の合間の時間に何をすれば良いのかわからず、迷ってしまう子が少なくありません。そのため当日慌てないためにも、「合間の時間で何をするか」について決めておくことも大切です。

具体的には、まずはトイレを済ませておくこと。そのうえで、試験前にテキストやノートを開くことが許可されている学校であれば、直前にチェックする教材も決めておきましょう

理社の知識系の教材や、間違いやすいポイントをまとめたノートなどがあればそれを読むのも良いですね。チェックしている途中で試験開始時刻を迎えてしまう可能性があるため、初見の問題を解く、といったことは避けておくのが無難です。

 

可能であれば、試験本番とまったく同じタイムスケジュールで過去問を解いておくのもおすすめ。苦手科目を終えたあとの“不安な精神状態”で次の科目に臨む、といったシチュエーションを想定して、その順番通りに過去問に取り組んでみても良いでしょう。

計算用紙の有無

算数・理科の試験で計算用紙の有無がわかっている場合には、それに合わせて練習しておきましょう

子供によっては「ふだんは問題用紙に計算を書いているけど、計算用紙に書いたほうがいいのかな……」と、入試本番になって悩んでしまうことも。「ふだんと違う」ということは「迷いが発生する可能性がある」ことを意味するので、計算用紙が当日配布されるかどうかわかっている場合は、本番の状況に合わせて過去問を解いておけると良いですね。

常備薬、ティッシュなど

持病があったり、試験中に咳や鼻血などが出たりすることが多い子は、その準備もしっかりとしておきましょう

常備薬などを机のうえに置いて試験を受けるときは、同じ状況を事前に体験しておきたいですね。勉強机と、本番の机は違うかと思うので、前受け校(本命校以外の学校など)で試しておくのもOKです。

ちなみに机の上にティッシュを置くことを許可している学校もありますが、「本当に良いのかな? 不正と思われないかな……」と不安になってしまう子もいます。この場合は、試験が始まる前に、試験官にひと言「ティッシュを置いておきます」と断っておくと安心ですよ。

まとめ

今回紹介したポイントは、あくまで一例です。

心配なポイントは家庭によって異なるかと思うので、まずはお子さんと相談したうえで、性格や体質を考慮し、本番で起こる可能性があることも想定・準備したうえで、過去問を使って十分にシミュレーションしておきましょう

 

お子さんが、心身ともに充実した状態で試験に臨めますように、そしてこれまで学習してきたことが十二分に発揮されることを祈っています。

それでは!

※記事の内容は執筆時点のものです

0
杉本啓太
この記事の著者
杉本啓太 専門家・プロ

学び処あぶどぅる代表。灘中学・灘高校から東京大学理科二類進学、同大学農学部卒業。大学時代は社会教育団体にて子どもの教育支援に携わりつつ、家庭教師・塾講師としても活動。卒業後は外資・日系コンサルティングファームに勤務しながら、土日は家庭教師としての活動を継続。その後プロ家庭教師として独立。学科指導だけでなく、学習の計画策定・環境作り・生徒の気質や性格面・親御様の関わり方など、ファームでの経験をベースとした抽象的な課題の対策立案・解決を得意とする。「悩みも解決策も子ごとに異なる」という考えのもと具体的で柔軟な指導をおこなっている。