やりとり算は割合も出てくるので難しい? 線分図ややりとり図を描けば簡単に解ける

2023年1月23日 みみずく

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足し算と引き算の応用問題に「やりとり算」があります。

答えに至る過程が複雑なことに加え、多くの問題では割合と絡むため、苦手とする中学受験生は少なくありません。一方で、図を描きながら丁寧に解いていけば、確実に正解できる問題であるのも確かです。

今回は、やりとり算の解き方を分かりやすく解説します。

やりとり算を線分図で解く

やりとり算とは、お金やものなどを渡したり受け取ったりした後の状態から最初の金額や個数などを求める問題です。金額や個数などが具体的な場合は線分図で解くのが簡単です。実際に【例題1】を考えてみましょう。

【例題1】A、B、Cの3人がいます。はじめにAがBに400円をわたし、次にBがCに300円わたし、最後にCがAに600円をわたしました。その結果、3人とも所持金が2000円になりました。A、B、Cの3人のはじめの所持金はそれぞれいくらですか。

やりとり算で線分図を描く場合、まずは最後の状態を線分で表します。【例題1】では、3人の所持金が2000円になった状態を線分図にしました。

この線分図にお金の流れを書き込んでいきます。ポイントは、後ろの金額から逆の流れを書いていくことです。【例題1】では「最後にCがAに600円をわたしました」とあるので、AからCに600円を戻します。

同じように、CからBに300円を戻し、BからAに400円を戻します。その結果、はじめの所持金は、Aが2000-600+400=1800(円)、Bが2000+300-400=1900(円)、Cが2000+600-300=2300(円)とわかりました。

やりとり算をやりとり図で解く

割合や比が出てくる問題は、線分図よりもやりとり図の方が解きやすくなります。

割合の問題

【例題2】A、B、Cの3人はおはじきを持っています。はじめにAがBに\(\frac{2}{7}\)のおはじきをわたし、次にBがCに\(\frac{1}{4}\)のおはじきをわたし、最後にCがAに\(\frac{1}{5}\)のおはじきをわたしました。その結果、3人の持っているおはじきはそれぞれ60個になりました。このとき、次の問いに答えなさい。

(1) 最後にCがAにわたしたおはじきは何個ですか。

(2) A、B、Cの3人がはじめに持っていたおはじきはそれぞれ何個ですか。

【例題2】を線分図で表すのは難しいのでやりとり図を描いてみます。やりとり図は次のような図です。問題文からわかっている数を書き込み、わからないところは①~⑧としました。

やりとり図に書き込みながら(1)を解きましょう。「最後にCがAに\(\frac{1}{5}\)のおはじきをわたしました。その結果、3人の持っているおはじきはそれぞれ60個になりました」を「Cには\(\frac{4}{5}\)のおはじきが残っていて、その個数は60個です」と解釈します。そうすると、⑧が60÷\(\frac{4}{5}\)=75(個)とわかります。

また、3人のおはじきの個数の合計は60×3=180(個)なので、④と⑦は180-60-75=45(個)です。

(1)最後にCがAにわたしたおはじきの数は、60-45=15(個)として出しても、75×\(\frac{1}{5}\)=15(個)として出しても構いません。

(2)も同じように解いていきます。「次にBがCに\(\frac{1}{4}\)のおはじきをわたし」を「Bには\(\frac{3}{4}\)のおはじきが残っていて、その個数は60個です」と解釈して、⑤が60÷\(\frac{3}{4}\)=80(個)です。③と⑥も180-45-80=55(個)とわかりました。

また、「AがBに\(\frac{2}{7}\)のおはじきをわたし」を「Aには\(\frac{5}{7}\)のおはじきが残っていて、その個数は45個です」と解釈して、①が45÷\(\frac{2}{7}\)=63(個)です。②も180-63-55=62(個)とわかりました。

以上より、A、B、Cの3人がはじめに持っていたおはじきは、Aが63個、Bが62個、Cが55個です。

食塩水の濃度の問題

【問題3】20%の食塩水A200gと、濃度のわからない食塩水B200gがあります。はじめに、A50gをBに入れてよくかき混ぜると、Bの濃度は10%になりました。次にB50gをAに入れてよくかき混ぜました。このとき、次の問いに答えなさい。

(1) 食塩水Aは最後に何%になりましたか。

(2) 食塩水Bははじめ何%でしたか。

【問題3】でもやりとり図を描き、問題文からわかっている数を書き込んでいきます。濃度算のポイントは、食塩水を分けても濃度が変わらないことです。たとえば20%の食塩水A200gを150gと50gに分けても、どちらの食塩水も濃度は20%です。

(1)は、やりとり図から、20%の食塩水150gと10%の食塩水50gを混ぜ合わせた食塩水の濃度を求めればよいことがわかります。食塩水の重さは200g、この中に溶けている食塩の重さは150×0.2+50×0.1=35(g)なので、△=\(\frac{35}{200}\)×100=17.5(%)が答えです。

(2)は、10%の食塩水250gに注目します。この食塩水の食塩の重さは250×0.1=25(g)です。一方、20%の食塩水50gの食塩の重さは50×0.2=10(g)なので、Bにはじめから溶けていた食塩の重さは25-10=15(g)とわかります。したがって、□=\(\frac{15}{200}\)×100=7.5(%)が答えです。

やりとり算で複雑さに慣れる

やりとり算のような複雑な問題にじっくり取り組むことで、正確性や根気が鍛えられて、それが他の問題を解く上での基礎になります。多くの受験生が嫌がる問題だからこそ、きっちり向き合うことで差をつけられます。

※記事の内容は執筆時点のものです

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この記事の著者

家庭教師/ライター。墨田区・台東区を拠点に活動している個人家庭教師。家庭教師を本業としつつ、ライターとしても活動しています。モットーは「好きな人を応援する」。小学生の指導科目は国語・算数(数学)・英語・理科・社会・作文など。「楽しく学びながら、中学の準備をする」ことを目標に指導をおこなっています。

Webサイト:みみずく戦略室 墨田区・台東区のプロ家庭教師&ライター
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