ばねの直列つなぎと並列つなぎの違いは? 少し複雑な計算問題をわかりやすく解説

2023年2月10日 みみずく

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複数本のばねをつなぐと、1本のときとは違った伸び方をします。このときのつなぎ方に直列つなぎと並列つなぎがあります。それぞれをしっかり理解して、少し複雑な計算問題も解けるようにしましょう。

ばねの基本を理解する

ばねを考えるときに大切なのは言葉の違いです。「ばねの長さ」「ばねの伸び」「もとの長さ」をしっかり区別しましょう。

「ばねの長さ」と「ばねの伸び」

おもりをつるしていない(力を加えていない)ときのばねの長さを「もとの長さ」といいます。「自然長」と呼ばれることもあります。ばねが伸びたり縮んだりしていない状態です。

おもりをつるしたばねは伸びて、もとの長さよりも長くなります。もとの長さよりも伸びた長さが「ばねの伸び」で、ばね全体の長さが「ばねの長さ」です。下の図から、「ばねの長さ=もとの長さ+ばねの伸び」という関係もわかるでしょう。

ばねの伸びはおもりの重さに比例する

ばねの伸びはおもりの重さ(加える力の大きさ)に比例します。これを「フックの法則」といいます。たとえば、10gのおもりをつるすと1cm伸びるばねは、20gのおもりをつるすと2cm、30gのおもりをつるすと3cm伸びます。

一方、ばねの長さはおもりの重さに比例しません。10gのおもりをつるしてばねの長さが11cmになっても、20gのおもりをつるしてばねの長さが22cmになるわけではありません。ばねの長さを求めるときは、フックの法則を利用してばねの伸びを求め、もとの長さに加えます

ばねの直列つなぎと並列つなぎ

複数本のばねをつなぐ場合、そのつなぎ方には直列つなぎと並列つなぎがあります。

ばねの直列つなぎ

複数本のばねを1本の線になるようにつなぐのが直列つなぎです直列つなぎしたばねは伸びやすくなります

【問題1】下の図のように、天井からばねをつるします。これらのばねは同じ種類で、もとの長さは10cm、10gのおもりをつるすと1cm伸びます。おもり1つの重さを20g、ばねの重さは考えないものとして、ばねA~Dの長さはそれぞれ何cmになりますか。

【問題1】はばねの長さを求める問題ですが、まずはばねの伸びを求めましょう。

ばねAとばねB、ばねCとばねDがそれぞれ直列つなぎです。直列つなぎのばねの伸びを求める場合、それぞれのばねの下につるされているものの重さを考えます

ばねAはその下におもり2つとばねBがつるされています。ばねの重さは考えないので、おもり2つだけの重さを考えると、20×2=40(g)です。10gのおもりをつるすと1cm伸びるので、40gで4cm伸びます。したがって、もとの長さの10cmに4cmを加えて、ばねAの長さは14cmです。

同様に、ばねBはその下に20gのおもり1つがつるされているので、2cm伸びます。したがって、ばねBの長さは12cmです。

また、ばねCもばねDも、それぞれの下に20gのおもり2つ(40g)がつるされているので、どちらも4cm伸びます。したがって、ばねCの長さもばねDの長さも14cmです。

ばねの並列つなぎ

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みみずく

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家庭教師/ライター。墨田区・台東区を拠点に活動している個人家庭教師。家庭教師を本業としつつ、ライターとしても活動しています。モットーは「好きな人を応援する」。小学生の指導科目は国語・算数(数学)・英語・理科・社会・作文など。「楽しく学びながら、中学の準備をする」ことを目標に指導をおこなっています。

Webサイト:みみずく戦略室 墨田区・台東区のプロ家庭教師&ライター
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