ばねの直列つなぎと並列つなぎの違いは? 少し複雑な計算問題をわかりやすく解説
複数本のばねをつなぐと、1本のときとは違った伸び方をします。このときのつなぎ方に直列つなぎと並列つなぎがあります。それぞれをしっかり理解して、少し複雑な計算問題も解けるようにしましょう。
ばねの基本を理解する
ばねを考えるときに大切なのは言葉の違いです。「ばねの長さ」「ばねの伸び」「もとの長さ」をしっかり区別しましょう。
「ばねの長さ」と「ばねの伸び」
おもりをつるしていない(力を加えていない)ときのばねの長さを「もとの長さ」といいます。「自然長」と呼ばれることもあります。ばねが伸びたり縮んだりしていない状態です。
おもりをつるしたばねは伸びて、もとの長さよりも長くなります。もとの長さよりも伸びた長さが「ばねの伸び」で、ばね全体の長さが「ばねの長さ」です。下の図から、「ばねの長さ=もとの長さ+ばねの伸び」という関係もわかるでしょう。
ばねの伸びはおもりの重さに比例する
ばねの伸びはおもりの重さ(加える力の大きさ)に比例します。これを「フックの法則」といいます。たとえば、10gのおもりをつるすと1cm伸びるばねは、20gのおもりをつるすと2cm、30gのおもりをつるすと3cm伸びます。
一方、ばねの長さはおもりの重さに比例しません。10gのおもりをつるしてばねの長さが11cmになっても、20gのおもりをつるしてばねの長さが22cmになるわけではありません。ばねの長さを求めるときは、フックの法則を利用してばねの伸びを求め、もとの長さに加えます。
ばねの直列つなぎと並列つなぎ
複数本のばねをつなぐ場合、そのつなぎ方には直列つなぎと並列つなぎがあります。
ばねの直列つなぎ
複数本のばねを1本の線になるようにつなぐのが直列つなぎです。直列つなぎしたばねは伸びやすくなります。
【問題1】下の図のように、天井からばねをつるします。これらのばねは同じ種類で、もとの長さは10cm、10gのおもりをつるすと1cm伸びます。おもり1つの重さを20g、ばねの重さは考えないものとして、ばねA~Dの長さはそれぞれ何cmになりますか。
【問題1】はばねの長さを求める問題ですが、まずはばねの伸びを求めましょう。
ばねAとばねB、ばねCとばねDがそれぞれ直列つなぎです。直列つなぎのばねの伸びを求める場合、それぞれのばねの下につるされているものの重さを考えます。
ばねAはその下におもり2つとばねBがつるされています。ばねの重さは考えないので、おもり2つだけの重さを考えると、20×2=40(g)です。10gのおもりをつるすと1cm伸びるので、40gで4cm伸びます。したがって、もとの長さの10cmに4cmを加えて、ばねAの長さは14cmです。
同様に、ばねBはその下に20gのおもり1つがつるされているので、2cm伸びます。したがって、ばねBの長さは12cmです。
また、ばねCもばねDも、それぞれの下に20gのおもり2つ(40g)がつるされているので、どちらも4cm伸びます。したがって、ばねCの長さもばねDの長さも14cmです。
ばねの並列つなぎ
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