
第一志望校にご縁がありませんでした。親として娘にしてやれることは何でしょうか?|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室
今回の相談
桜井さん、こんにちは。2023年に受験した娘の母です。
娘はとても頑張っていましたが、残念ながら、第一志望校にはご縁がありませんでした。
最後まで模試がA判定にはならなかったこともあり、娘にとっても私にとっても不合格は予想外ということもなく、結果を受け入れたつもりでいました。しかし、2月も終わろうという最近になって、思っていた以上に娘がショックを受けているのではと思うことが、ちょくちょくあります。
桜井さんの娘さんも、第一志望だった桜陰には御縁がなかったということを思い出し、不躾だと思いつつ、質問させてください。
娘さんは、不合格をどのように受け入れられましたか? 一生懸命ゴールに向かってがんばってきて、残念ながら手が届かなかった娘に、今、私がしてやれることはなんでしょうか。第一志望ではなかったとはいえ、進学先のことはいい学校だと思い、信頼も期待もしています。頑張ってきた娘のことを誇りにも思っています。伝えているつもりですが、響いていないのかもしれません。あと1ヵ月、入学までに少しでも前向きな気持ちになってもらうために、できることがあったら教えていただけないでしょうか。
相談者:よりこ
お子さまの学年:小6
桜井さんの回答

よりこさま、こんにちは。
まずは合格おめでとうございます。いよいよ中学生になりますね。制服や体操服などの試着は終わりましたか? 感動しますよね。私もよく覚えています。
さて、難しい相談が飛んでまいりましたが、うちの場合はおそらく逆なんですよ。娘のショックの1万倍くらい私がフラフラになり立ち直ろうにも「もうだめだぁ」という状態でした。何かの理由でもう一度試験はないだろうかとか、よくわからないことを考えていたように思います。合格発表を終えて駅まで歩くとき、坂道で倒れそうでした。どうやって電車に乗ったのかもあまり覚えていなくて、今でも水道橋駅を通ると「あの日、本当にこの駅から電車に乗ったのかなあ」と思います。
子どもって、意外にケロッとしていませんか? というよりも、自分の思い通りにならなかったとき、立ち直れないほどのショックを受けないように育てることって重要ですよね。強くなってほしいとかではないのです。弱いままでいいので悪い結果を必要以上に重く受け止めない子になってほしい。これからまだ受験もあるし、就職もあるし、恋愛だってあるでしょう。どれも思い通りにならないことってあります。
ちなみに、私は必要以上に重く受け止めて立ち直れないやつです。これ、精神的にやられるんですよね。原因は何かと考えてみるわけですが、別にプライドが高いわけでもなく、気にしすぎ、細かすぎ、良く言えば几帳面すぎ、悪く言えば融通が利かないのです。これを娘に真似られると困るので、いつも言ってました。「少々いい加減なくらいがいい。ほら、吉田兼好がさ、二つの矢を持つことなかれって言ったけどさ、とうさんの経験上、1回の勝負に矢は3本くらいいるよ。そんなにうまくいかないよ。うまくいくのは人生で一度か二度。それを若いときに無駄遣いしちゃだめだな。とうさんは、若いときにまるで矢が当たらなかったから、ひょっとしてまだチャンスがあるかもよ」(吉田兼好の言いたいことは少し違うわけですが)
結果が出て慰めるのって難しくないですか? なんでも先回りですよ。今回は後手に回りましたが、人生まだまだです。次に備えませんか。
進学先がわかりませんが、「桜井さんが合格おめでとうと言ってたよ」と言ってあげてください。
そして、お母様もおめでとうございます。
※記事の内容は執筆時点のものです
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