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算数の計算ミスをどうなくしていけばいいでしょうか?|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室

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2023年2月28日 桜井信一

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『下剋上受験』でおなじみ、桜井信一さんが中学受験を考える親御さんのさまざまな悩みに答えます。今回は小5(新小6)のお子さまをもつ親御さんから算数についての相談です。

今回の相談

春から6年生になる息子の算数について質問させてください。

息子は、テストの後で、ゆっくり計算しなすようにいえば、正しい答えを出すことができるのですが、テストでは焦ってしまうのか、小数点の位置がずれたり、繰り上がりを忘れたりと、ありえないような計算ミスが多いです。落ち着いて計算すること、筆算をきれいに書くこと、検算することなどを伝えていますが、どうも本番で見直す癖がつきません。

息子は計算ミスは多いものの、算数自体は嫌いではないらしく、いろいろな解き方があるような難しい問題にも前向きに取り組むほうで、余計に計算で点を落とすのがもったいないように思ってしまいます。

ただ、うちは夫婦ともに中学受験の経験がなく、とくに算数は難しく感じて、難関校の過去問などを見ても、文章題などは親からするととても手が出ないなと感じてしまい、それもあって、ついよくわかる計算ミスばかりが気になってしまうのかもしれません。

愚痴になってしまいました、なにかアドバイスをいただけたらうれしいです。どうかよろしくお願いします。

相談者:算数キライ
お子さまの学年:小5(新小6)


桜井さんの回答

算数キライさま、こんにちは。

早速ですが、いくつか違うかなと思うところがあるので、私の意見を言わせてください。
① 落ち着いて計算すること
② 筆算をきれいに書くこと
③ 検算すること
④ 本番で見直すこと

まず①落ち着いて計算することですが、テストのときに落ち着いて出来る子はあまりみたことがありません。ほとんどの子が慌てふためいています。

この解決に「落ち着きなさい」ではうまくいかないと思います。

計算問題が5問あるとします。その5問を6分で通過して大問の2番へ進むと、大問の3番へは何分後に通過するというように、全体を刻んであげないといけません。スタートから急がないといけないという意識だけで走り出すものですからペースがわからないのです。短距離も中距離もアスリートはぴったりとペースを合わせてきます。これは普段からの作戦と練習です。この作戦と練習のどちらも出来ていないのではないでしょうか。

例えば自分は計算問題をゆっくり解いて5問何分で解けるとお子さんは知っていますか? もし知らないのであれば慌てて当然です。まずここから取り組んではいかがでしょう。

次に②筆算をきれいに書くことですが、私は筆算をあまり推奨していませんが、どうしても筆算ということであれば、まっすぐに書いてほしいですよね。これは4年5年のときに罫線付きノートを使っていた子が白紙にまっすぐ線を引くことを苦手とするケースが多いようです。ベン図などをうまく書けない子も同じですね。

そこで、計算用紙や計算スペースの使いかたを研究してはどうでしょう。線分図なども必要以上に大きく書いてしまうとスペースが足りなくなります。うるさく言って直すというよりも親子で作戦会議ではないでしょうか。

③ 検算することは、試験で検算している暇はないと思います。

④本番で見直すことも慌てている子が見直す時間なんてないでしょうから、見直しよりもやっぱりペース配分の把握だと思います。

いかがでしょうか。

※記事の内容は執筆時点のものです

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オンライン塾「下剋上受験塾」主宰。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。 娘の下剋上のために一念発起して小5の勉強からやり直す。塾には行かず、父娘の二人三脚で偏差値を41から70に上げ、100%不可能とされた最難関中学「桜蔭学園」を目指した。その壮絶な受験記録を綴った『下剋上受験』はベストセラーに。 2017年1月には待望のドラマ化。学習講座「桜井算数教室」「国語読解記述講座」にはのべ2000人の親子が参加し人気を博した。2020年、オンラインの「下剋上受験塾」を立ち上げた。

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