習い事の始め方・やめ方 ―― 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる
こんにちは。中学受験専門塾 伸学会代表の菊池です。
4月になり学校でも新年度が始まりましたね。
中学受験塾では2月から新年度がすでに始まっていますが、学校の方も進級すると、あらためて新学年という気持ちが高まるのではないでしょうか。
まだ受験勉強をスタートしていない低学年・未就学児のお子さんがいるご家庭は、新学年の学校の生活リズムを確認したうえで、何か習い事を始めさせようと考えるタイミングではないかと思います。
そこで、今回は習い事の始め方・やめ方というテーマでお話をしようと思います。
中学受験の塾通いも、広い意味で習い事の1つなので、これから塾通いを始めようかと思っている高学年の子のいる方や、すでに通っていてやめようか迷っている方にとっても参考になると思いますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
Contents
習い事の選び方
まず、そもそも習い事をするメリットは何かを最初に確認しておきましょう。
- 集中力が身につく
- 空間認識力や計算力などの学力の土台が身につく
- 練習して成長したという経験ができる
- 粘り強さ・やり抜く力が身につく
といったことが考えられます。
この中学受験ナビをご覧のあなたはお子さんに中学受験をさせようとお考えだと思いますが、これらのどれもが中学受験をする上でプラスに働くでしょう。
お子さんに与えてあげたいですよね。
効果的かよりも熱中しているかで選ぶ
習い事を始めるためには、まずは何をするかを決める必要があります。
では、いったいどの習い事を選べば良いのでしょうか?
ここでありがちな失敗が、少しでも先々の受験で有利になる効果的なものをやらせようとしてしまうことです。
習い事は、「他の習い事より効果的かどうか?」ではなく、「子どもが熱中しているかどうか?」を基準に選ぶようにしましょう。
なぜなら、その習い事をすることでどれだけ子どもが成長するかは、子どもがどれだけ真剣にその習い事に打ち込んだかで決まるからです。
同じ公文式に通っても、計算力が大きく伸びる子がいる一方で全く伸びない子もいるのは想像できますよね。
あなたのお子さんにとってプラスになるのは、世間一般で「賢くなる」といわれる習い事ではなく、あなたのお子さんが熱中できる習い事です。
親に言われて嫌々やっているようでは成長は無いのです。
何をするかよりも本人が気に入るかが大事
そして、公文式やそろばんのような勉強系の習い事でなくても、お子さんの学力の土台となる能力はちゃんと伸びます。
例えば、音楽系の習い事をすることで、言語的なセンスやワーキングメモリが育つと言われています。
運動系の習い事も、空間認識力とワーキングメモリが育ちます。
絵画や造形といった美術系もやはり空間認識力の良いトレーニングとなります。
そうした点からも、何をするかにあまりこだわらなくても大丈夫です。
気軽に本人が気に入りそうなものを体験してみましょう。
情熱を育むには時間がかかることに注意
なお、本人が気に入るものを探すことは大事なことですが、最初から情熱的に取り組めるものが見つかることを期待してはいけないので、その点も注意してください。
これは大人でもありがちなことですが、「情熱は自分の中に眠っているもので、それと運命的に出会えば最初から夢中になれる」という考えは多くの場合間違いです。
そういう考えをもち、「自分探しの旅」をしても、たいがいは何も見つかりません。
実際のところは、何ごとに対しても情熱というものは時間をかけて育てていくものです。
私たち伸学会が提供している低学年向けの速読やパズルの講座でも、最初は親に勧められて何となく始めるという子がほとんどです。
体験をしてみて面白そうだなと思ったので嫌とは言わず言われるままに始めてみたが、そこまで夢中になってとことんやり込むなんていう状態ではない。
そんな感じから始まります。
そこから、難しくてなかなか解けなかった問題が解けたり、自己ベストを更新したりして成長を実感し、能力が身について自信が増し、また周囲の仲間や先生との人間関係ができて、徐々にやる気が高まっていくケースが多いです。
私たち大人の仕事は、「合うものを探す」こと以上に、そうやって「徐々にハマっていくように後押しする」ことの方だと考えると良いでしょう。
習い事のやめどき・やめ方
そして、後押しをしても子どもがなかなか乗ってこない、その習い事が面白くなさそうにしているとなったら、やめて他の習い事に変えましょう。
ただし、冷静な頭でよく考えたうえで情熱を持てないと思ってやめるのと、一時的な感情で嫌だからやめるのとは話が違います。
後者のような一時の嫌な気持ちで困難から逃げるようなやめ方はおすすめしません。
やめどきを冷静に判断するためのルール
例えば、今日先生に怒られたからとか、競争でライバルに負けてもう嫌だと思ったとか、練習がしんどいから今日はいきたくないとか、そういう目先のネガティブな気持ちから逃げるやめ方はよくありません。
人間ですから、嫌な出来事があれば、そこから逃げたい気持ちになること自体は仕方ありません。
そんな気持ちに流されず、冷静な判断をするためには、「やめたいと思っても区切りの良いタイミングまでは続ける」というルールにしておくと良いです。
学期の終わりといった節目のタイミングでも良いですし、○級まで進級したらといった目標レベルの設定でも構いません。
そうすることで気持ちが落ち着くための時間ができるので、感情的な判断ではなく理性的な判断ができます。
もし落ち着いて考えたうえでやめると決めるにしても、最後にちょっと頑張ってやり切るようにすると、次に繋がっていきますね。
受験のために習い事をやめるのはいつ?
ちなみに、とても子どもに合っている習い事でも、中学受験のためにしばらくやめなければいけないタイミングはいつかやって来ますよね。
そうした場合のやめ時はいつでしょうか?
これに関しては時間が重複してしまってどうにもならない場合でなければ、可能な限り両立して続けていくことをおすすめします。
6年生くらいになって本人も受験生としての自覚が生まれ、自発的・積極的に勉強に取り組むようになり、習い事をやめてその時間を「休憩時間・睡眠時間」に充てたいと考えるようになったらやめどきです。
だいたいの場合、「5年生だからそろそろ…」といった感じでやめさせても、その空いた時間は勉強時間にはならず、ダラダラ過ごすだけで終わることが多いです
それだったら塾以外の習い事をしていた方が、ストレス解消にもなりますし、良い意味で時間に追われてメリハリある行動ができます。
勉強時間に充てるためではなく、休憩時間・睡眠時間に充てるために習い事をやめたい・やめさせたいと思うかどうか?という基準で考えてみてください。
もちろん5年生のうちから受験に対して本気モードになる子もいますから、そういう子は早くに習い事をやめて勉強に集中してもOKですよ。
以上、習い事の始め方・やめ方のポイントでした。
まとめ
最後にまとめます。
- 何をやっても子どもの能力は伸びるので、やらせるものは何を選んでも大丈夫
- 嫌々やらされても子どもの能力は伸びない。積極的・能動的に取り組める好きなことをみつけるべし
- 最初から情熱を持って取り組めるようなものなど無い。情熱は見つけるものではなく育てるものと心得よ
- 合わないと思ったらやめて次へ行こう。ただし、区切りの良いタイミングまではやり切ろう
ということでした。
あなたのお子さんの情熱を育てるために試行錯誤していってくださいね。
それでは。
※記事の内容は執筆時点のものです
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