中学受験ノウハウ 親の関わり方

中学受験が終わったらどうするか? 保護者の働きかけで進学後の子どもが伸びる

2023年7月11日 みみずく

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中学受験の勉強を頑張っていると、子どもと保護者は塾の授業や宿題など目先の課題に追われがちです。その結果、「受験が終わったらどうするか?」を見失い、受験終了後に「こんなはずじゃなかった」となったり、燃え尽き症候群のような状態でやる気を失ってしまったりすることもあります。こうした状況に陥らないために保護者ができることを紹介します。

志望校合格はゴールではない

中学受験で志望校に合格しても、それがゴールではありません。中学入学から高校卒業までの6年間を充実させるために中高一貫校を受験するので、合格はスタート地点に立ったに過ぎないともいえます。

「中学受験が終わったらどうするか?」を考えながら受験勉強すれば、正しい勉強法や身につけるべき生活習慣がわかるし、勉強を継続するためのモチベーションにもなります。

そう考えると、子どもに対して「受験が終わったら遊べる」という動機付けを与えてしまうことは好ましくないことも理解できるはずです。むしろ「受験が終わったら大学受験に向けての勉強が始まる」と伝え、毎日勉強する習慣が大切であることを積極的に示す必要があります。保護者自身が勉強する姿を意識的に見せると効果的です。

中学進学後を見据えた保護者の働きかけ5選

保護者は子どもに中高一貫校の魅力をよく語ります。その内容は多くの場合、部活や学校行事、人間関係に関するものです。しかし、中高で一番長い時間を費やすのは勉強であることを考えると、中高の勉強についてもしっかり伝えておくとよいでしょう。

1. 中高でも通用する勉強法を勧める

国語で文章を読解したり、算数で式や図を書いたり、理科や社会で知識を暗記したりするのは、中学進学後の勉強でも求められます。

したがって、中学受験の勉強でも、文章を雑に読むことや理屈抜きで公式に頼ること、知識をいい加減に暗記することなどは避け、中高でも通用する勉強法を子どもに勧めたいところです。どのような勉強法が望ましいか判断できない保護者は、塾や家庭教師などのプロに相談するのがおすすめです。また、保護者は子どものノートをチェックしたり、塾で学んだことを説明させたりしながら、子どもの勉強法を確認しましょう。

2. 受験勉強と中高の勉強の関係を意識させる

中学受験算数で学習した数列や場合の数は、ほぼそのまま高校数学で再登場します。理科・社会は中学で習う内容をほぼ先取りしています。したがって、中学受験で理解したことや暗記したことを覚えていると、中学進学後も勉強で有利です。

保護者は、受験勉強と中高の勉強の関係を子どもに意識させるとよいでしょう。具体的には「今勉強していることは中高の勉強でも役立つ」と何度も言い聞かせるのが有効です。実際に中学や高校で使う教科書や問題集を見せると、子どものやる気に火をつけるかもしれません。

3. 勉強の意味を子どもと一緒に考える

志望校に合格することだけを目標とすると、子どもは受験終了後に勉強しなくなります。そうならないように、保護者は中学進学後も勉強し続けないといけないことを子どもに伝えることが大切です。

親子で勉強の意味を考える機会を作るのも効果的です。たとえば、学校や塾の勉強を離れ、博物館や美術館へ足を運んだり、図書館で本を借りて調べ物をしたりする時間を確保することが考えられます。

4. 子どもが自分でできることは自分でやらせる

中学受験の勉強を進める中で、保護者が学習スケジュールを立てたり、プリントを整理したりすることは少なくありません。しかし、子どもが中学に進学すると、保護者が子どもの勉強や生活習慣に介入する機会は減っていくのが一般的です。学校側から子どもの自立(自律)を促すよう求められることもあります。

中学進学後の生活を考えて、勉強に関連することを中心に子ども自身にやらせていくとよいでしょう。たとえば、勉強計画を立てることや宿題の丸付け、塾で必要なものの準備などを子どもに任せます。ただ、子どもの負担になりすぎないようにできる範囲でやらせると同時に、子どもが手抜きをしていないかを保護者が時々チェックする必要があります。

5. 子どもに将来の夢を考えさせる

たとえ子どもが環境の良い中高一貫校に進学しても、目標がないまま過ごしていると、高校生になってから望まない進路に進まざるを得なくなることがあります。高校受験がないため中だるみしないとも限りません。

これを防ぐ上で有効なのは、早いうちから保護者が子どもに将来の夢を考えさせ、それを実現するために必要なことを把握させることです。たとえば、医者になりたいのなら医学部に進学しなければならず、そのためには多くの場合、全科目満遍なくできないといけません。子どもが「医者になりたい」と言うのなら、保護者は「医者になるためには、得意を伸ばすだけでなく、苦手も潰すことも大切だよ」と事あるごとに伝えていくべきなのです。

受験終了後の子どもが伸びるために

保護者の働きかけ次第で、中学受験終了後の子どもがさらに伸びていきます。中学受験で子どもが燃え尽きてしまわないように、上手く子どもをサポートするのが保護者の大切な役割です。

※記事の内容は執筆時点のものです

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みみずく

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家庭教師/ライター。墨田区・台東区を拠点に活動している個人家庭教師。家庭教師を本業としつつ、ライターとしても活動しています。モットーは「好きな人を応援する」。小学生の指導科目は国語・算数(数学)・英語・理科・社会・作文など。「楽しく学びながら、中学の準備をする」ことを目標に指導をおこなっています。

Webサイト:みみずく戦略室 墨田区・台東区のプロ家庭教師&ライター
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