
四則計算でチェックすべきポイント5選! 算数の「ケアレスミス」の原因を分析する
算数でなかなか正解できない原因に計算間違いがあります。こうした間違いについて「ケアレスミス」などと軽く考える中学受験生や保護者がいます。しかし、実際は、不注意によってミスが生じたのではなく、四則計算を根本的にわかっていない場合も少なくありません。保護者は子どもの計算過程を一度チェックしてみましょう。
Contents
四則計算に関する用語
保護者は子どもが四則計算に関する用語を正しく覚えているかをチェックしましょう。用語が曖昧だと説明を理解できなくなるので、正しく覚えさせることが大切です。
足し算・引き算・かけ算・割り算を、それぞれ「加法・減法・乗法・除法(加減乗除)」ということがあります。また、足し算・引き算・かけ算・割り算の答えはそれぞれ「和・差・積・商」です。
足し算で7+8=15、29+15=44などのように、ある位の数の和が2けたになったとき、1つ上の位に数が加わることを「くり上がり」といいます。一方、引き算で13-5=8、54-6=48のように、ある位の引かれる数が引く数よりも小さいとき、1つ上の位の数を1小さくして、引かれる数に10を加えることを「くり下がり」といいます。
割り算でA÷B=C…Dのとき、Aは「割られる数」、Bは「割る数」、Cは「商」、Dは「あまり」です。式を変形すれば「割る数×商+あまり=割られる数(B×C+D=A)」が成り立ちます。
A×(B+C)=A×B+A×Cを「分配法則」といいます。これはよく出てくる用語なので、覚えておくとよいでしょう。他にも「交換法則」「結合法則」がありますが、無理に覚えなくても問題ありません。
四則計算でチェックすべきポイント5選
保護者は子どもが書いた途中式などを観察して、以下の5つのことが正しくできているかをチェックしましょう。
1. 計算の順序は正しいか?
保護者は10+3×2+1のような問題を出して、子どもが3×2から計算しているかどうかをチェックしましょう。もし計算の順序が怪しいとわかったら、「かっこの中→かけ算・割り算→足し算・引き算」の順序で計算しなければならないことを教えます。
また、足し算だけ、もしくはかけ算だけの式ならどこから計算しても大丈夫ですが、それ以外が混ざっている式では計算の順序を意識しなければなりません。13-1+2で1+2を先に計算する間違いがしばしばみられます。
2. 割り算の順序は正しいか?
四則計算で順序を間違いやすいのが割り算です。特に2÷6=3と計算する子どもは「大きい数を小さい数で割る」と思い込んでいます。また、2÷6=\(\frac{2}{6}\)に直せない子どもには、「割られる数が分子、割る数が分母」を定着させる必要があります。
計算の順序を間違えないためにも、割り算をかけ算に直す習慣を身に付けさせるのがおすすめです。18÷3×2=18×\(\frac{1}{3}\)×2とすれば、18÷3×2=18÷6という間違いを防げるでしょう。
3. 数字を正しく入れかえられるか?
足し算と引き算が混ざった計算や、
足し算・引き算・かけ算・割り算が混ざった計算では、
4. 分配法則を正しく使えるか?
分配法則は62×3.14+38×3.14=(62+38)×3.14=100×3.14のように、円周率の出てくる計算でよく使います。しかし、それ以外の場面になると、途端に分配法則が曖昧になる受験生がいます。
特に、かっこの外の数をかっこの中にかけるときに間違いが発生しがちです。たとえば、(5+□)×7=5×7+□×7ができなかったり、逆に(5×6)×3=5×3×6×3としてしまったりします。(1+2)×5を1×5+2×5としても3×5と同じ答えになるけれども、(1×2)×5を1×5×2×5とすると2×5と違う答えになるというように、具体的な数字で分配法則を理解させることが大切です。
5. 等号を正しく使えているか?
等号(=)を正しく使えていない受験生も目立ちます。よくあるのが3×6=18÷2=9のような式です。3×6は9と等しくないのに、全てを=で結んだため3×6=9となっています。こういう途中式を書くと記述問題で×になるかもしれません。
等号を正しく使えない受験生は、式を作って逆算できないために間違うことがあります。下の図のような三角すいの高さを求めるとき、高さを□にして5×6÷2×□×\(\frac{1}{3}\)=72という式を作ります。これを変形すれば□=72÷5÷6×2÷\(\frac{1}{3}\)です。しかし、一気に72÷5÷6×2÷\(\frac{1}{3}\)という式を作ろうとすると、×2を÷2にしたり、÷\(\frac{1}{3}\)を忘れたりします。等しい式や数を=で結び、必要ならばそれを変形することに慣れさせましょう。
受験学年の前に四則計算を極める
計算の間違いには、ルールを覚えていないなどの致命的な問題がしばしば潜んでいます。それを「ケアレスミス」として放置していると、入試本番が近くなったときに、算数でボロボロ失点することになりかねません。中学受験生は受験学年になる前に四則計算を極めておくとよいでしょう。
※記事の内容は執筆時点のものです
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