中学受験ノウハウ

入りやすくてお得な学校はどこ? 中高一貫校の偏差値と大学合格実績の比較|データで見る中学受験 #8

専門家・プロ
2023年12月25日 佐藤潤平

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連載「データで見る中学受験」は、中高の教育データ解析・分析のスペシャリスト佐藤潤平さんが、客観的なデータをもとに、なるべく中学受験を客観的に読み解こうとする試みです。今回は「入学時の難易度」「初年度納付金」「合格力の高い学校」を見比べながら、データの読み方を解説していきます。

せっかく中学受験をさせるからには、いい大学に合格できる学校に入れてやりたい。

でも、入学できなければどうしようもありませんし、中学受験の難易度が高い学校は、もともと頭のいい子ばかり入学しているから大学合格実績もよくなる、という可能性も高いですよね。

では、入学時の難易度はそれほど高くないのに、大学合格実績がいい、「お得」な学校というのはどこなのでしょう。

数字は万能ではありませんが、近いデータをピックアップすることは可能です。

今回は、中高一貫校の中学入学時の難易度と、大学に合格させる力、そして参考までに、学費の3つのデータをかけあわせて、「お得な」学校を探す素材を提供しようと試みます。

合格力が高く、しかも入学しやすい「お得」な学校は?

難関国立大学、国公立大学そして難関・有名私立大学への合格力が高く、しかも入学しやすい「お得」な学校はどこか。

2023年3月に卒業した先輩たちの大学グループ別大学合格実績と中学入学時の難易度(※1)、そして参考までに、初年度納付金(※2)の関係をバブルチャートで表現してみました。

バブルチャートの見方

バブルチャートの縦軸は、中学入学時の難易度。横軸に学費(初年度納付金)。そして丸いバブルの大きさは、各大学グループへの大学合格力(※3)を表しています。

バブルチャートは、中高一貫校のあるエリア別、そして、大学グループ別に作成しています。

バブルのサイズが大きく、また、位置としてはグラフの下のほうにあるほど、当該エリア内で、当該大学グループへの合格力が高く、しかも入学時に入りやすかった、「お得」な学校といえます。

なお、参考程度ではありますが、位置としてはバブルが右のほうにあるほど学費が高い、左のほうにあるほど学費が安いということでもあります。

学校の魅力は大学合格実績だけではありませんが、志望校を決めるにあたり重要視している方も多いと思います。学校選びのスクリーニング条件の1つとして、ぜひ他の情報も組み合わせてご活用ください。

なお、バブルチャートは首都圏一都三県の中高一貫校について、私立校のみを集めたものと、国公立校も含めて集めたもののを作成していますが、数が膨大になるため、記事内では私立校のみ集めたバブルチャートの一部を抜粋してご紹介していています。全バブルチャートをまとめたPDFを、記事の末尾にあるまとめからダウンロードしてご覧いただけます。

また、記事内で分析に使用している「中高一貫校の2023年の大学合格実績」のエクセルデータを、新しく中学受験ナビ会員特典として登録しています。「マイページ」からダウンロードいただけます。

気になる方は、ぜひ会員登録(無料)の上でご利用ください。記事の末尾でもくわしくご案内しています。

バブルチャートの変数

※1)難易度…四谷大塚80%結果偏差値(入試回平均)

※2)初年度納付金…2023年度入試時の金額。都県が発表する学費項目で、授業料(年額)、入学金、施設費、その他費用(年額)を合計した学費。ただし、修学旅行等に係る費用や制服代、部活動費などを含まないため、実際の支払額と異なる場合があります。詳しくは学校にお問い合わせください。

※3)大学合格力…集計対象大学への合格者数と大学入学時の難易度係数を掛けその合計を卒業者数で除した値。なお、割合を用いるグラフの特性上、卒業生の少ない小規模校ほど少人数の合格者数でもバブルが大きくなります。

バブルチャートの見方

バブルチャートは、大学グループごと、地域ごとに作成しています。

バブルが大きいほどその大学グループへの合格力が高く、下に位置するほど中学入学時に入りやすい、つまり、中学受験難易度が低い学校です。

なお、バブルの大きさはそのグラフの中での相対的なものです。たとえば、神奈川と千葉という別のグラフで同じくらいの大きさであっても、同じくらいの合格力ということではありません。グラフ内で比較してください。

大学グループ、地域の分け方について

【大学グループについて】

旧7帝大一工筑波:東京大、京都大、大阪大、名古屋大、北海道大、東北大、九州大、一橋大、東京工業大、筑波大

国公立:全国公立大学

早慶上理ICU:早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大、国際基督教大

GMARCH:学習院大、明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大、

成成明学獨國武:成蹊大、成城大、明治学院大、獨協大、國學院大、武蔵大

日東駒専:日本大、東洋大、駒澤大、専修大

【地域(東京)について】

学校数が多いため、以下の3地域に分割しています。本校所在地のある市区町村を基準としています。

23区北東部(葛飾区、江戸川区、江東区、荒川区、足立区、台東区、北区、板橋区、墨田区)

23区西部(23区北東部以外の区)

三多摩(23区以外)

【地域(東京以外)について】

・神奈川、埼玉、千葉をそれぞれ県別にまとめています。

大学グループ別への合格力で注目の学校は?

大学グループ別に、どのような学校が高い合格力を見せているのか、中学入試時の難易度を考えると「お得」といえそうな中高一貫校はどこなのか、見ていきましょう。

旧7帝大一工筑波への合格力で注目の中高一貫校は?

赤色のバブルチャートは、国立大のトップを意味する、東京大、京都大、大阪大、名古屋大、北海道大、東北大、九州大の7大学に、それに準ずる一橋大、東京工業大、筑波大の3校を加えた大学グループへの合格力を表しています。

ここでは、入学時難易度が約60以上の学校でしのぎを削っていることが分かります。

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佐藤潤平

佐藤潤平

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(株)Levier(ルヴィエ) 
カルチャースクール紹介誌、大手新聞、ラジオ番組、進学情報誌等の企画・編集・制作を経て、中高の教育データの解析・分析、思考力・判断力等の評価方法の開発などを手がけている。また学校・塾のコンサルティング、受験に関する種々のリサーチやソフトウェアの制作などを行う森上教育研究所 高校進路研究会を主宰している。