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[例文つき]子供が苦手な詩の表現技法まとめ

2018年5月22日 ハルカ

中学受験における詩は、そこまで出題頻度が高くありません。毎年のように出す学校もありますが、ここ数年一度も出題していない学校がほとんどです。とはいえおろそかにはできません。入試問題の傾向は変わるものですし、詩の読み取りは中学、高校と進学しても必要です。

詩の読み取りでよくある問題が、表現技法にかかわるものです。内容理解の助けにもなる表現技法について、具体例を交えながら解説します。

詩の表現技法[1]倒置法

倒置法は、言葉の順序を入れ替えて、内容を強調する表現技法です。

■倒置法の例

負けた悔しさを 忘れない

忘れない 負けた悔しさを

ポスターに出てきそうな文になりました。「忘れない」を読んで、「何を?」と思ったら「負けた悔しさを」が目に入ります。より印象も強くなります。

最後に持ってきた言葉が強調されました。順序を変えるだけで、印象は大きく変わるのです。

詩の表現技法[2]比喩法

比喩法は、別のものにたとえてイメージを広げたり強調したりする表現技法です。

■比喩法の例

怖い顔

鬼のような顔

同じ表情を指していても、比喩を使った表現のほうが顔の怖さが強調されますよね。同じものを見ても、人によって感じ方は違います。詩のおもしろいところであり、難しいところでもあります。

比喩の読み取りのポイントは、何を何にたとえているかです。例であれば、「顔の怖さ」を「鬼」にたとえています。

直喩と隠喩

「鬼のような顔」は、「ような」を使って比喩であることをわかりやすく表しています。これを直喩といいます。

一方、「鬼の顔」と「ような」を使わない比喩表現は隠喩といいます。(暗喩ともいいます)

隠喩のほうが強い印象を与えますが、子供はなかなか比喩表現に気がつきません。「鬼の顔」と見たときに、本当に鬼がいると勘違いしてしまうこともあり、読み取りに苦労します。

詩の表現技法[3]擬人法

擬人法は比喩の一種です。人間でないものの様子や行動を人間のようにたとえる表現技法です。

■擬人法の例

空が泣いている

雨を示す表現でよく見る文ですよね。

当たり前ですが、空は泣きません。泣くのは人だけです。人の行動を使って、自然の様子を表現しています。

擬人法で重要なのは、筆者が見ている場面は何かです。「空が泣いている」というのは、雨が降っている場面ですよね。「山が怒る」なら火山の噴火でしょうか。

表現から場面や状況を読み取ることが重要です。

詩の表現技法[4]反復法

反復法は、同じ表現をくり返してリズムをつくったり内容を強調したりする表現技法です。

■反復法の例

前へ 前へ 前へ 私は今日も走っている

「前へ」を繰り返すことで躍動感や疾走感、また焦るような気持ちが強調されています。

反復という言葉自体は、子供になじみのない表現ですが、「反復横跳び」を学校で行っている子供は多いです。反復横跳びは右へ左へとジャンプを繰り返すもの、とイメージさせると記憶に残りますよ。

詩の表現技法[5]対句法

対句法は、似た表現や関係する表現を並べて、リズムをつくったり印象を強めたりする表現技法です。

■対句法の例

青い空 白い雲
・空は青くて、白い雲も浮かんでいる

同じ内容でも、印象は大きく変わりますよね。上の例文は「色+もの」という組み合わせを並べて対比することで、色のコントラストが鮮やかに伝わってきます。

対句は穴埋め問題として出題されることもあります。

■対句法の穴埋め問題例

青い空 白い(  )

このような穴埋めに、「煙」「雪」と入れてしまう子供は少なくありません。空との対比を考えず、単に白いものを入れてしまうのです。対句は2つ以上のものを対比させている点を意識させましょう。

詩の表現技法[6]体言止め

体言とは、名詞や代名詞を指す言葉です。文の最後を体言で終わらせる表現技法を体言止めといい、その体言に強い印象や余韻を持たせます。

■体言止めの例

これは 母からの手紙です

これは 母からの手紙

「手紙」に強い印象が残るのは下の例文です。手紙に対する筆者の思い、その手紙の雰囲気などが鮮明に強く表現されています。

まとめ

詩の表現技法はいくつもありますが、中学受験に頻出で、かつ間違えやすいのは「擬人法」と「対句法」です。

擬人法は、詩だけではなく物語でも使われる表現です。筆者が見ているものは何かが読み取れず、詩や物語全体の理解も不十分になってしまうことが多くあります。何を何にたとえたのか、時間をかけても読み取るようにしましょう。

対句法も同じく、読み取りにかかわる表現技法です。一行(一文)ずつを見るだけでは見えません。連(段落)という大きな枠で見ることも必要ですね。

詩の表現技法を理解すれば、ほかの読解でも有利になります。ひとつずつ丁寧に、使い方と効果を確認してみてくださいね。

※記事の内容は執筆時点のものです

ハルカ
この記事の著者

大手進学塾で6年間国語講師を務め、塾では主に5,6年生を担当。偏差値20台の勉強しない子供から、御三家に合格するレベルの子供まで幅広いレベルを受け持ちました。モットーは「無理なく楽しく効率的に」。

現在は中学受験を応援する個人サイトを運営。教育系webライターとして教育系、子育て系サイトでの活動も行っています。

中学受験アシストブック
https://assist-book.com

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