
品詞の見分け方を学べる問題5選! 単語の種類を区別するためのコツを解説
名詞、動詞、副詞などの品詞は中学国語の範囲ですが、中学受験生の多くは塾の国語の授業で習います。また、塾のテストだけでなく、入試本番でも出題されることがあります。そのため、受験生は品詞についてもある程度知っておいた方がよいでしょう。今回は、品詞の見分け方を実際の問題を使って解説します。
Contents
品詞は10種類に分類できる
それ以上分けることのできない言葉の最小単位が「単語」で、この単語を文法的な性質に基づいて分類したのが「品詞」です。日本語では、品詞は10種類に分類されます。
述語になる品詞は動詞・形容詞・形容動詞の3種類で、まとめて「用言」と呼ばれます。一方、主語になる品詞は名詞で、「体言」と呼ばれます。
修飾語になるのは副詞・連体詞の2種類です。接続語になるのは接続詞で、独立語になるのは感動詞です。
単語と単語をつないだり、単語の下に置いて意味を付け加えたりするのは助詞・助動詞です。

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品詞の見分け方を学べる問題5選
以下の問題を通して品詞の見分け方を学びましょう。品詞に関する細かい知識を覚えるのではなく、言いかえや短文作成などで見分けるのがポイントです。
【問題】次の中から、種類の異なる意味や働きをするものをそれぞれ一つずつ選び、記号で答えなさい。
1. ア、食べる イ、眠い ウ、遊ぶ エ、運動する
2. ア、喜び イ、怒り ウ、悲しい エ、楽しさ
3. ア、おさない イ、はしたない ウ、足りない エ、危ない
4. ア、きれいだ イ、静かだ ウ、必要だ エ、学校だ
5. ア、とても イ、あらゆる ウ、ほとんど エ、もう
1. 動詞と形容詞
1は、パッと見ただけで仲間外れを見つけられる受験生も多いでしょう。イだけが「い」で終わっていて、他は「る」「ぶ」のウ段音(ruやbuのように、ローマ字で書くとuが入っている音)で終わっています。したがって、答えはイです。
このように、言い切りの形(辞書で引くときの形。終止形)が、ウ段音で終わる単語は動詞、「い」で終わる単語は形容詞、「だ」「です」で終わる単語は形容動詞です。
2. 名詞と形容詞
2は、すべて感情を表す言葉なので、意味を考えても仲間外れを見つけられません。こういう場合は、それぞれの言葉で短文を作ってみましょう。ウだけが、「私は悲しい。」のように、文の最後に置いて述語として使えます。それ以外は、「喜びが大きい。」「怒りがわいた。」「楽しさはない。」のように、「が」や「は」を後ろに続けて主語になります。したがって、答えはウです。
このように、述語になるのが用言で、その中でも「い」で終わる単語は形容詞です。一方、主語になるのが体言で、体言は名詞だけです。
3. 形容詞と動詞+「ない」
3は、すべて「ない」で終わる言葉です。「ない」を見分ける場合、まずは「ない」を「ぬ」に言いかえてみましょう。そうすると、ウだけが「足りぬ」と言いかえても不自然ではありません。他は「おさぬ」「はしたぬ」「危ぬ」とは言いません。したがって、答えはウです。
このように、「ぬ」に言いかえられる「ない」は助動詞で、用言の後ろに続きます。「足りない」は、動詞「足りる」に助動詞「ない」が続いた形です。一方、「ぬ」に言いかえられない「ない」のうち、「おさない」など、これで一つの単語になっているのは形容詞です。「い」で終わることからも形容詞と判断できるでしょう。
4. 形容動詞と名詞+「だ」
4は、すべて「だ」で終わる言葉です。「だ」を見分ける場合、まずは「だ」を「な」に言いかえてみましょう。そうすると、エだけ「学校な」と言えません。他は「きれいな」「静かな」「必要な」と言いかえられて、「きれいな湖」のように、後ろに名詞を続けられます。したがって、答えはエです。
このように、「な」に言いかえられない「だ」は助動詞です。「学校だ」は、名詞「学校」に助動詞「だ」が続いた形です。一方、「だ」を「な」に言いかえられるのは形容動詞です。
5. 副詞と連体詞
5は、すべて修飾語なので、後ろに続く言葉を考えましょう。イは「あらゆる動物」のように、後ろに名詞が続きます。他は「とても大きい」「ほとんど見えない」「もうやめる」など、後ろに名詞以外が続きます。したがって、答えはイです。
このように、後ろに名詞が続く修飾語は連体詞です。「連体詞」は「体言に連なる詞(ことば)」という意味なので、「体言=名詞」がわかっていれば、見分けるのが楽になるでしょう。一方、後ろに名詞以外が続く修飾語は副詞です。副詞の後ろに続くのは、動詞・形容詞・形容動詞(用言)に限られないので要注意です。
品詞の見分け方は中高でも役立つ
品詞を本格的に学ぶのは中学以降なので、志望校の入試で品詞に関する問題が出ないなら、受験生は品詞の勉強に深入りしなくてもよいでしょう。しかし、品詞の見分け方を定着させておくと、中学や高校の国語でも役立ちます。そのため、入試に出るかどうかにかかわらず、中学受験の勉強を通して品詞を学んでおくと、中学進学後に有利になります。
※記事の内容は執筆時点のものです
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