中学受験につながる読書のポイントと、入試によくでる本
中学受験の国語は、大きくは「論説文」「随筆」「物語文」「詩」というテーマで出題されます。テーマによって読み方・考え方が異なるので、小学生にとっては難解でしょう。また入試で取り上げられる文章は、内容もボリュームも小学校の国語のレベルをこえている場合が多く、なかには問題が数ページにわたるような長文を出題する学校があるほどです。
入試に向け、子供の読解力をつけることは重要な要素です。読解力をつけるために、読書をさせようというご家庭も多いと思います。そこで、今回は中学受験につながる読書のポイントを紹介します。
Contents
中学受験につながる読書のポイント1 ― 本人の力より少し難しい本を選ぶ
「たくさん読書しているのに、国語の成績が悪い……」という話をよく聞きます。こういった場合、子供が読んでいる本を確認してみる必要があります。子供の読書力と同等、もしくはやさしい本を読んでいませんか?
読書で力をつける一番の近道は、本人が理解できるものより少し難しい本を選ぶことだといわれています。子供がすらすら読めてしまうものではなく、少し難しい本との出会いが子供の読解力を伸ばすので、「本人の力よりも、少し難しい本を選ぶ」ことを念頭に読む本を選んでみてください。
中学受験につながる読書のポイント2 ― 通塾が忙しくなる前に、受験におすすめの本を読む
ネットや雑誌をみていると、中学受験におすすめの書籍はたくさんでてきます。いつでも買えて、いつでも読めると思いがちです。ですが、小5以降になると、中学受験生は通塾と宿題に追われて読書の時間をなかなか取れなくなります。ですから子供にある程度読書をする力があるなら、小3や小4といったすこし早めの余裕のある時期に受験におすすめの本を読めるとよいでしょう。
中学受験につながる読書のポイント3 ― 高学年なら、入試によくでる本を厳選して読みたい
前述した通り、高学年になると読書時間がとりづらくなります。貴重な時間で読書をするので、高学年の段階は入試によくでる本を厳選して読むのがおすすめです。
入試によくでる本は、たとえば日能研の公式サイトで確認できます。ここでは、日能研データを参考に過去3年に入試問題に出されている本から4冊をピックアップして紹介します。
「<自分らしさ>って何だろう ― 自分と向き合う心理学」(榎本博明)
自分とは何か? どんな性質を持っていてそれを掴むためにはどうしたらいいのか? 心理学者である筆者が若者のアイデンティティについて書いた本。入試問題によくでると有名な本書ですが、「入試にでるから」という理由だけではなく、思春期にさしかかる子供にぜひ読んで欲しい一冊です。
「クラスメイツ」(森絵都)
「クラスメイツ」は、中学1年生24人のクラスメイトたちそれぞれを主人公にした24のストーリーが収録されている小説です。<前期>と<後期>の2冊があります。2014年に出版された本ですが、翌2015年に多くの中学校で出典されたことで話題になりました。刊行が2014年と新しく、まだまだ入試に取り上げられそうな本です。
「植物はなぜ動かないのか:弱くて強い植物のはなし」(稲垣栄洋)
厳しい自然界で生き抜く植物の工夫がわかりやすい文章で書かれた本です。著者である稲垣栄洋さんの作品は中学入試で頻出なので、本書に興味を持った子供は、ほかの本も読んでみるのもおすすめ。
「14歳の水平線」(椰月美智子)
毎年のように多くの中学校入試で出典となっている本書。14歳の子供たちの夏が爽やかに書かれていて、大人が読んでもぐいぐい引き込まれる内容です。入試問題で出たら問題を読むどころか、子供が読みふけってしまうのでは……と心配になるほど。著者の椰月美智子さんの本は、よく入試に取り上げられることで有名です。
■参考
日能研読書ガイド
まとめ
中学受験につながる読書のポイントと、中学入試によくでる本を4冊紹介しました。入試によく出る文章は、学校側が「こういった文章を理解できる子が欲しい」という意図でセレクトしています。親としても中学受験に向けた読書を「子供を伸ばすいい機会」と捉え、実のある読書をすすめていきたいですね。
※記事の内容は執筆時点のものです
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