「うちの子は勉強ができない」と嘆く前に、親としてなすべきことは?
小学校の中・高学年になり、中学受験が迫ってくると、「うちの子は勉強ができないので困る」という訴えをよく耳にするようになります。ただ、人によって、その内容はさまざまです。
ここでは、悩める親御さんへのヒントとして、「勉強ができない」と嘆く前に親としてなすべきことは何かを考えていきましょう。
Contents
勉強ができない子のタイプを見きわめる
勉強ができない子にはいろいろなタイプがあり、それぞれに合わせて対応のしかたがあります。基本となる2つのタイプの子供への対応をご紹介しましょう。
「勉強するのが嫌だ」と自己主張するタイプ
最初に「勉強するのが嫌だ」と自己主張するタイプ。
このタイプの子供には、勉強がなぜ必要か納得させることが有効です。そして、勉強は自分のためにするものだとわからせましょう。将来自分がしたいことを実現するために勉強するのだと、子供たちに教えるのです。
特定の教科が苦手で、勉強が嫌になるタイプ
次に、特定の教科が苦手で、勉強するのが嫌になってしまうタイプの子供。
たとえば、国語や社会は満点に近いのに、算数はよくて50点前後。ドリルなどもたくさんこなしているのに、なかなか成績が上がらない……といった具合。
よくチェックすると、「+」「-」「×」「÷」が混ざり合った計算のやりかたが、理解できていなかったのですね。だから応用問題も間違ってしまう。
こういう場合は、その教科がわからなくなったポイントまでさかのぼって勉強し直すことが大切です。勉強への嫌悪感を克服する対処法のひとつが、「さかのぼって勉強し直すこと」であると覚えておきましょう。
勉強ができない子の特徴
勉強ができない子のさまざまなタイプに共通して見られる特徴というものがいくつかあります。ここでは、なかでもよく見られる3つの特徴とその対策をご紹介します。
落ち着きがない
勉強ができない子によくみられる第一の特徴は「落ち着きがない」こと。落ち着きがないといっても、程度の差があります。場合によっては、専門医の診断をあおがなければならいことがあるかもしれません。お子さんの落ち着きのなさが心配な場合は、素人判断をせず、カウンセラーなりお医者さんなりに相談しましょう。
そのためにも、日ごろから子供の状況を注意深く観察することが大切です。親として、常に心掛けておくべきことと言えるのではないでしょうか。
すぐに飽きてしまう
第二の特徴は、「すぐに飽きてしまう」こと。
ある日、知り合いの大学教授から愚痴られました。話によると、学生たちが講義が始まって15分くらいで居眠りをしはじめるとか。大学生にしてこれですから、小学生は推して知るべし。でも、中学受験をする子供たちに「小学生だからしかたない」とは言っていられません。
集中力は一朝一夕につくものではありません。中学受験を目指す子供たちには、ダラダラとさせず、メリハリのある生活をするよう、日ごろから指導していきたいものです。
好きなことだけに没頭する
第三の特徴は、「好きなことだけに没頭する」ことです。
好きなことをしてはいけないとは言いません。ですが、それだけでは入試に勝てないのが現実です。好きなことをやめさせるのではなく、時間配分を考えましょう。
好きなことをする時間と勉強の時間をはっきり切り分けること。そして、決めた時間は守るよう、親子ともに努力しましょう。
勉強ができない子は、どうすればできるようになる?
勉強ができない子をできる子にするには、ある種のコツが必要です。ここでは、もっとも基本的な3つを取り上げます。
興味をもたせる
まずは「興味を持たせる」。これが第一でしょう。学習内容をおもしろいと思うかどうかで、子供の成績は大きく違ってきます。「勉強ができない」と嘆くだけでなく、子供に興味を持たせるようにリードするのも、親の役目なのです。
親の希望を押しつけない
第二に「親の希望を押しつけない」こと。ここで失敗する親御さんが、意外と多いのです。
「親は○○になれと言うけれど、ぼくは△△になりたいんだ」では、当然のことながら、勉強に対する意欲は下がりっぱなしです。こういう子供に対して、「勉強して○○になれ!」と強要し続けるのは無意味です。
親の希望を押しつけず、子供の夢をかなえるよう、後押しするのも親の役目ではないでしょうか。
できたらほめてあげる
第三はもっとも重要なことかもしれません。「できたらほめてあげる」ことです。
かの有名な山本五十六が、こんな名言を残しています。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
たいへん有名な言葉で、管理職にある方たちのみならず、子育て中の方にも人気があるのだそう。
「やってみせる」は、手本になるということ。「言って聞かせる」は、その意図をわかりやすく説明するということです。
説得して、相手が納得したら、「させてみる」ことが大事。そして、できたら「ほめてやる」。これが、部下を育てる極意だと、彼は言うのです。
この名言は自分の子供を育てる状況でも同じことがいえるのではないでしょうか。できたら必ずほめてあげる。誰でも自分がしたことをほめられるのは気持ちがいいものです。勉強も「できたらほめてあげる」が鉄則でしょう。
最後に――親にできることは
「うちの子は……」と親が嘆くのはやめましょう。その前に、子供の現状をよく観察し、直す方がよいと思われることは、すぐに取りかかりましょう。
わたしたち人間は全能ではありません。しかし、考えることも行動する能力も備えられています。子供の様子をよく観察し、まず親としてなすべきことを実行してみましょう。
子供だけに要求するのではなく、親も一緒になって頑張る姿勢を持ち、子供の未来に大輪の花を咲かせるよう努力したいものですね。
※記事の内容は執筆時点のものです
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